日産 リーフ「エアロスタイル」はスタイルだけじゃない、走りがさらに強力だ!(1/2)
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:茂呂幸正
スポーツカーとのゼロ発進加速勝負も勝てるEV「リーフ」
1970~80年代に描いていた「未来のクルマ」は、空も飛べてしまう飛行機とクルマのハイブリッドと言う感じだった。2016年、まだそんなクルマは実用化されていないものの、当時夢物語であった多くの技術はほぼ実用化。その一つが内燃機関に代わるパワートレイン「電気自動車(EV)」だろう。
EVを振り返ると1970年代のオイルショックや1980~90年代のゼロエミッション規制などのタイミングで脚光を浴び、限定販売やリースなどが行なわれたが、内燃機関に対して十分な性能を確保できずに消えていった。
しかし、現在はその状況が変わってきている。電気自動車のネックになっていたバッテリーの性能向上やパワーエレクトロニクスの発達も相まって、各メーカーから量産EVが次々と登場。
その発端となったのが、2010年に世界初の量産型EVとして登場した「リーフ」である。日本のみならず世界で発売され、すでに累計販売は20万台を超えている。
購入者に話を聞くと、「内燃機関とは違うドライブフィール」、「力強い加速」、「財布にやさしい」など高い評価を受けている。動力源となるモーターは内燃機関と違って「応答遅れ」が皆無で、アクセルを踏んだと同時に加速が始まる。
モーターは流した電気の量に比例して駆動力を発生するので、ゼロ発進時の加速の力強さは大排気量エンジン並み、更に変速機が必要ないので、変速のタイムラグやショックとも無縁。TV-CMでスポーツカーの180SXとのゼロ発進からの加速勝負が話題となったのも、EVの特性からすれば当然の事ともいえる。
大容量バッテリー搭載モデル登場で近距離から中距離へ
ただ、そう言いながらもEVには「航続距離」の問題があるのも事実だ。デビュー時のリーフで東京から自宅のある静岡県三島市まで帰る際に、エコモードで電費に影響するエアコンはOFF&80km/h前後の超エコランであっても、残りの航続距離とにらめっこしながらの走行。途中急速充電器のある海老名/足柄SA両方に寄って帰った記憶がある。
やはり、実用と言う意味ではEVは近距離限定なのかと思いきや、昨年12月のマイナーチェンジで大容量30kWhの駆動用バッテリー搭載モデルが登場し、航続距離が228→280kmに拡大された。
「バッテリー積めば航続距離は増えるでしょ」と思うが、実は従来のバッテリーと同サイズなのである。これが“技術の進歩”と言う物だ。
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