日産 エルグランド「NISMOパフォーマンスパッケージ」試乗レポート/渡辺陽一郎(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正・NISMO・NISSAN
ベースモデルの走行安定性の高さを継承し、その上さらに底上げを
エルグランド「NISMOパフォーマンスパッケージ」の走行安定性は、重量級のミニバンとしてはかなり高い。ベース車のエルグランド自体、全高が1800mmを超えるミニバンとしては優れた水準にあり、「NISMOパフォーマンスパッケージ」では、挙動のバランスを崩さずにさらにレベルアップした。スポーツサスペンションキットを装着し、タイヤは19インチ(245/45R19)。銘柄はブリヂストン ポテンザS001であった。カタロググレードに19インチタイヤは用意されないが、ライダーハイパフォーマンススペックは同サイズの19インチを履く。
足まわりの変更とタイヤのグレードアップで路面をつかむ力が強まり、コーナリング時には、背の高いミニバンなのに旋回軌跡を拡大させにくい。勢い良く曲がることもできるが、ボディが唐突に傾く不安感はなく、足まわりがしっかりと機能している。ミニバンでスポーティドライブを楽しむユーザーは少ないと思うが、曖昧な動きをしないから普通に運転しても楽しい。危険を回避する性能も高められている。
その気になれば高重心のミニバンを「振りまわす」ことも可能で、安定した動きと、高い位置から見降ろす風景のミスマッチが面白い。エルグランドの「NISMOパフォーマンスパッケージ」に慣れたユーザーが、普通の背の高いミニバンを運転する時には、注意する必要があると思う。そこまで運転感覚が違う。
「アンチ街道」まっしぐら! 趣味性の高いミニバン
乗り心地はスポーツサスペンションキットと19インチの組み合わせで硬めになるが、バタバタした粗さは感じない。走行性能の向上を考慮すればバランスは取れている。
エルグランドの「NISMOパフォーマンスパッケージ」は走行性能を偏りなく向上させた。この背景にあるのは、ベースとなるエルグランドの良さだろう。ボディを入念に造り込んだから、足まわりを変更して19インチタイヤを履かせても不都合が生じにくい。同様の傾向がスイフトスポーツやアクセラXDなどの高性能モデルにも当てはまる。
今のエルグランドは、販売面ではヴェルファイア&アルファードに負けている。日産にとっては問題だろうが、個人的には「それでもイイじゃないか」と思う。エルグランドはヴェルファイア&アルファードに比べて走りをキッチリと煮詰め、ミニバンでありながら趣味性が強い。その性能をさらに高めた「NISMOパフォーマンスパッケージ」も手に入る。
広くてゴージャスなインテリアにダイナミックで楽しい運転感覚を組み合わせ、これからも往年のセド&グロと同様、「アンチ街道」を突っ走って欲しい!
[レポート:渡辺陽一郎/Photo:茂呂幸正・NISMO・NISSAN]
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日産 エルグランド(E52) マイナーチェンジ後用 NISMOパフォーマンスパッケージ 概要
■NISMOパフォーマンスパッケージ ラインアップ:
A Kit[703,000~795,000円] /B Kit[573,000~665,000円]/エアロパッケージ(フロントアンダースポイラー・リヤアンダースポイラー・サイドスカート・リヤサイドスポイラー・アルミロードホイール LMX6)[408,000~500,000円]
■適合車種:
A Kit : エルグランド(E52) ハイウェイスター(2014/1~)2WD車
B Kit、エアロパッケージ : エルグランド(E52) ハイウェイスター(2014/1~)
■詳細は・・・
・日産「エルグランド」専用ニスモパーツ・パフォーマンスパッケージ発売[自動車ニュース/2014年7月3日]も併せてチェック!
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