日産 マーチ NISMO S 試乗レポート／国沢光宏(2/2)

マーチのイメージを覆す、丁度良いパワーのスポーツモデル

ということで早速マーチ NISMO Sの試乗と行きましょう。

マーチ NISMO Sの5速マニュアルトランスミッションのタッチは少し慣れが必要。ストローク長く、ミート感もクセを感じる。ただマニュアルであることに価値を持つ。マーチといえば「地味な道具」というイメージだったけれど、丁度良いパワーのスポーツモデルになっている。

元気な走りが愉しい

エンジンフィールは標準レベル。このクラス、ホンダ「フィットRS」がダントツでスポーティなエンジンフィールを持つ。スズキ「スイフトスポーツ」ですらフィットRSのエンジンに勝てないほど。 マーチはと言えば、スイフトとフィットの中間くらい。高回転まで引っ張ると「洗練された回り方」と違うけれどオトコらしい。

ハンドリングも良い意味で存在感ある。自然にロールし、奥行きのある挙動でコーナーを曲がるのが正統派の「良いクルマ」だとすると、ハンドル切ったらガシッと曲がり始め、その間の挙動は元気。後付けのパーツを組んだスポーツモデルをイメージしていただければいいかと。

ここまでこだわってこの価格は「頑張った！」

頑張ったのがマーチ NISMO Sの価格である。ボディ補強し、エンジンまで専用という手の込んだクルマにも関わらず、同じ装備内容のフィットRSやヴィッツRSと同等レベルに抑えてきた。200万円を超えたって不思議じゃないのに。

「スポーティなモデルを売りたい」という日産の熱意を感じます。

ここまできたら、もう少し”ハッチャケ”てみるなんていかがだろう？

ムカシのマーチ12SRのような「気持ち良い音を出すマフラー」や、一段と気合いの入ったサスペンションなどを組み合わせてやると魅力倍増。さらに全日本ラリーなんかに出て暴れまくったらブランドイメージも深まる。

[レポート：国沢光宏]

マーチ NISMO S[5速MT・FF]　主要諸元

全長x全幅x全高：3870x1690x1495mm／ホイールベース：2450mm／乗車定員：5名／駆動方式：FF(前輪駆動)／車両重量：1010kg／エンジン種類：HR15DE型(NISMO S専用チューン) 直4 DOHC ガソリンエンジン／最高出力：116ps(85kW)/6000rpm／最大トルク：15.9kg-m(156N･m)/3600rpm／トランスミッション：5速マニュアルトランスミッション／使用燃料：無鉛プレミアムガソリン／タイヤサイズ：205/45R16 87V／車両本体価格：1,770,300円[消費税込み]