日産 ノート デザイナーインタビュー/プロダクトチーフデザイナー 前田 敦(4/4)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:オートックワン編集部
日本でデザインをすることはハンデである
AO:ところで前田さんにとって、イマジネーションが膨らむ瞬間はどんな時ですか。
M:2つあります。ひとつはモデルスタジオです。デジタルのデータを見ている時よりも、モデルを見ながらモデラーとのやりとりしている時に、イマジネーションが生まれてくることが多いです。現場がいいみたいですね。
もうひとつは休憩しているときです。寝転がって数独などをやるんですが、頭の中に入っている情報がリンクし始めて、くっつくことがあるんです。緊張状態ではなかなか起こらないですね。でもテニスや水泳をしている時は浮かびません。没頭しちゃっているみたいです。
AO:最後に、カーデザイナーを目指す若い人に対してアドバイスをお願いします。
M:今の若い人は世界的に、キュリオシティ(好奇心)が足りないと思っています。人間が何かする時は、好奇心がないと難しい。だから見てやろう、知ってやろうという気持ちを強く持ってほしいです。
それと日本でデザインをすることはハンデだと思っています。よほど意識しないと、大陸の状況が分からない。インターネットで全部の情報が入ってくるのは錯覚で、そのクルマがどう使われ、どう評価されているかは分からない。キュリオシティがあれば、行ってみよう、乗ってみようとなるわけです。好奇心さえあれば、スキルはついてきますし、いいデザイナーになれると思います。
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