日産 ノート デザイナーインタビュー/プロダクトチーフデザイナー 前田 敦(1/4)

  • 筆者: 森口 将之
  • カメラマン:オートックワン編集部
日産 ノート デザイナーインタビュー/プロダクトチーフデザイナー 前田 敦
日産 ノート デザイナーインタビュー/プロダクトチーフデザイナー 前田 敦 日産 ノート デザイナーインタビュー/プロダクトチーフデザイナー 前田 敦 日産 ノート デザイナーインタビュー/プロダクトチーフデザイナー 前田 敦 日産 ノート デザイナーインタビュー/プロダクトチーフデザイナー 前田 敦 日産 ノート デザイナーインタビュー/プロダクトチーフデザイナー 前田 敦 日産 ノート デザイナーインタビュー/プロダクトチーフデザイナー 前田 敦 日産 ノート デザイナーインタビュー/プロダクトチーフデザイナー 前田 敦 日産 ノート デザイナーインタビュー/プロダクトチーフデザイナー 前田 敦 日産 ノート デザイナーインタビュー/プロダクトチーフデザイナー 前田 敦 日産 ノート デザイナーインタビュー/プロダクトチーフデザイナー 前田 敦 日産 ノート デザイナーインタビュー/プロダクトチーフデザイナー 前田 敦 画像ギャラリーはこちら

日産 新型ノートのデザインに与えられた欧州仕込のグローバルエッセンスとは?

日産 ノート デザイナーインタビュー/プロダクトチーフデザイナー 前田 敦

価格と燃費ばかりが注目される国産コンパクトカー。その中で、8月にモデルチェンジを実施したノートは異色の存在だ。

日本だけでなくヨーロッパでも売ることを使命づけられているうえに、上質感がウリだったティーダとの統合車種として再スタートを切ったからだ。

ノートとティーダ。対照的に思える2車の個性をどう融合し、グローバルで通用するカタチに仕立てたのか。ヨーロッパでの実務経験も豊富なチーフデザイナー、前田敦氏に伺った。

単にカッコいいだけじゃダメ

日産 ノート デザイナーインタビュー/プロダクトチーフデザイナー 前田 敦

オートックワン(以下AO):前田さんはNDE(日産デザインヨーロッパ)に5年在籍し、キャシュカイ(デュアリス)やジュークに関わるなど、ヨーロッパの経験も長いようですが、ヨーロッパ人のクルマに対する考え方はどうなんでしょうか。

前田(以下M):欧州はとてもコンペティティブな市場です。いろんなハッチバックがあって、評価も厳しい。日本人よりも距離を長く乗るし、老若男女関わらず話題にしています。クルマに対する温度が高いと言えるでしょう。だから単にカッコいいだけじゃダメで、プロポーションやスタンスがしっかりしているかが重要です。しかも60〜70歳の年配の方が運動性能について語ったりしますから、走りも手抜きできません。

AO:そういうヨーロッパ人のクルマへの想いを、どういう風に新型ノートに落とし込んでいったのでしょうか。

M:日本を含めて、どのマーケットでも大事なのは、プロポーションだと思いました。LEDが付いているかどうかが問題ではないのです。ですからスタンスの良さとか、シルエットの美しさとかを起点にしなければいけないと考えました。プロポーションはボディ構造にも関係するので、設計の人たちの協力も必要です。その点にも情熱を注ぎました。

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AO:旧型のデザインの評判はどうだったのでしょうか。

M:コンパクトで使い勝手が良く、価格はリーズナブルということで、ファミリーカーのエントリーモデルとして評価されていたようです。反面、エモーショナルな部分が少し控えめでした。ヨーロッパの人たちが考えるハッチバックには、そういう要素も含まれているので、実用車としては認識されていても、ハッチバックとしては認識されていなかったようです。

AO:新型を見て最初に感じたのは、ウインドスクリーンがかなり寝ていることだったのですが。

M:旧型と同じ角度からスタートしたんですが、デザイン側の要望で寝かせました。この作業は正直言って苦労しましたね。デザイナーとしては、ここまで寝かせないと世界のトレンドをキャッチアップできないと言って、Aピラーの付け根を100㎜前出しすることを提案したんですが、『費用が何億円も掛かるのにどんな効果があるのか』と返されてしまいまして。そこでモデルにして見せて、『明らかに違う』と実感してもらう作業を繰り返しながら進めていきました。

AO:ルーフラインは後半でキックアップしているのですね。このクラスとしてはかなり思い切った造形ではないでしょうか。

M:ルーフラインは室内の広さとのトレードオフになる場所です。エモーショナルなラインとすれば、カッコいいし、空力も良くなるけれど、後席のヘッドルームが減ってしまいます。だからヒップポイントなどとのバランスを調整しながら進めていきました。高くても抑揚があるほうがエモーショナルに見えるとか、後端だけを立てると実用車っぽく見えるとか。車体剛性にも関係してくるので、両脇にビードを入れて補強しました。 結果的には視界も良くなって、ハッピーエンドでしたね。

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森口 将之
筆者森口 将之

1962年東京都生まれ。モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。自動車専門誌の編集部を経て1993年フリーに。各種雑誌、インターネット、ラジオなどのメディアで活動。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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