日産 新型ティアナ [2014年フルモデルチェンジ・3代目] 新型車解説/渡辺陽一郎(3/3)
- 筆者:
新型ティアナのおすすめグレードは、必要装備が充実している「XL」
新型ティアナのグレードは、「XE」(242万9,700円)、「XL」(275万3,100円)、「XV」(304万5,000円)の3種類。
「XE」の装備はシンプルだが、「XL」であればディスチャージヘッドランプ、助手席の電動オットマン、インテリジェントエアコンなどが備わる。本革シートが欲しければ「XV」だが、実用装備を充実させて買い得な推奨グレードは「XL」。カーナビや前述の安全装備はオプションになる。
新型ティアナ XLの価格は、先代250XL(282万1,350円)よりも少し安いが、エンジンがV型6気筒から直列4気筒に変わったことは差し引いて考えねばならない。
本稿を執筆していたら、1994年に登場した2代目セフィーロのことを思い出した。
ティアナの前身となったLサイズセダンで、CMコピーは「マイ・スイート・セフィーロ」。中井貴一と藤谷美和子、竹中直人と山口智子などを起用して、若い夫婦が上級セダンを買ったという演出だった。当時の中井貴一は30代の前半だったが、1990年代にはLサイズセダンが幅広い年齢層に受けていたから、さほど違和感はなかった。
そして新型ティアナは、そのまま20年の歳月をスライドさせ、50代をターゲットに据えている。
リラックス感覚の内外装で高い人気を得ていた2代目セフィーロが、20年後の成長した彼らに向けて蘇ったといえなくもない。 中井貴一と藤谷美和子が20年前に演じた若くて仲の良い夫婦が、今でも「恋人のような大人の二人」でいたら、それは素晴らしいことだろう。
Lサイズセダンは嗜好品の性格も強いから、CMで見せる世界観も大切な魅力になる。私が新型ティアナのフォーカスターゲットカスタマーに違和感を持ったのは、私自身が成長していないからなのだと、いま気が付いた。
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