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エコカーの真相 2011/6/7 17:34

エコカーの真相/第六回 リーフ NISMO RCは本当に必要か?(3/3)

関連: 日産 リーフ Text: 桃田 健史 Photo: オートックワン編集部
エコカーの真相/第六回 リーフ NISMO RCは本当に必要か?

エコな世の中で、EVレースは本当に必要なのか?

東日本大震災を受けて、日本人は「エコに本気」になってきた。

これはある意味、エコブームだ。だが、そのブーム、日本の今後のエネルギー戦略や安全保障問題など多くの課題を抱えた、根の深いブームである。

リーフ NISMO RC

そんな世の中で、「EVレースは必要か?」

もっと言えば、「モータースポーツは必要か?」

という議論になる。

レースに対して、ガソリンの無駄遣い、電気の無駄遣いと言われても致し方ない。そもそも、モータースポーツには、4つの意義があった。

① お金持ちの道楽

② 量産車開発のためのフィードバック=かつてホンダが言った「走る実験室」

③ 技術者の育成

④ エンターテインメント

これら4項目でEVレースを見てみると、①は現在のところ、そうした流れは強くない。お金持ちは古き良きレースマシンがお好きなようだ。

④は、まだ時期尚早。昨年から全日本EV選手権が開催されているが、単独イベントとして「お客に見せる興業」に育つまではまだ時間がかかりそうだ。

リーフ NISMO RC

そして、②と③、特に②こそ、EVレースの役割だ。

なぜならEVは「まだ未熟」だからだ。航続距離が様々な走行条件で大幅に変動すること、 二次電池の劣化について国の指針が定まっていないことなど、「未熟な部分」は数多い。

「えっ!?そんな未熟な車、新車で売っていいのか?」と思われるかもしれない。

だが、自動車の歴史を振り返れば、1960年代のガソリン車は、いま考えれば「えっ!?そんな車、売っていいのか?」という技術レベルだったではないか。

国産車の量産認定テストは、箱根上りだった。多くの車が途中で白煙を上げてギブアップ。頂上までたどり着けなかったのだ。また1962年に鈴鹿サーキットがオープンした当時、ほとんどの国産車はブレーキが(フェードして)2周程度しかもたなかった。

そんな車を売っていたのだ。そんな車がまともな車へと進化する過程で、モータースポーツ(当時は「カーレース」と呼ばれた)の役割は大きかった。

筆者は、60~70年代の日米欧の各種レーシングカーに試乗した経験があるが、「まともな車への進化過程」だったそうしたマシン達は、現在の安全技術水準で考えれば「極めて危険」だ。

ある日系ワークスマシンに乗った際、「これで富士の30度バンクを全開走行していたとは・・・」と、思わず生唾を飲み込むほどの凄味があった。

リーフ NISMO RC

こうした自動車史のなかに立って考えれば、「リーフ NISMO RC」の存在意義はあると思う。

意義があると認めた上で、筆者から日産にお願いがある。

それは、走行データの一般顧客へのフィードバックだ。そして様々な課題をどういう過程で克服しているかを随時公開して欲しい。いや、そうするべきだ。

それが量産EV創世記のいま、「リーフ NISMO RC」が背負っている宿命だと思う。

筆者: 桃田 健史

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