日産、2014年度通期決算で前年比18.3%増 5,896億円の営業利益 ~純利益では4,576億円ながらも国内販売台数は前年比13.3%減~
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日産は5月13日(水)、2014年度(2015年3月期)通期の決算を発表した。2014年度通期は、コスト効率化や、継続的な円-ドル為替レートの是正に加え、北米や西ヨーロッパで特に好調な新車販売を記録、日本や一部の新興市場における厳しい市場環境の影響を相殺した。
その結果、2014年度通期の連結売上高は、11兆3,752億円(前年比+8.5%)、連結営業利益は5,896億円(前年比+18.3%)となり、売上高営業利益率は5.2%となった。当期純利益においては、前年17.6%増となる4,576億円に達した。
地域別2014年度販売状況
2014年度のグローバル全体需要は前年比2.7%増の8,536万台。グローバル販売台数は、前年度の519万台から532万台に増加。グローバル市場占有率は前年並みの6.2%を記録した。
しかし、日本国内だけで見ると、全体需要は前年比-6.9%となる530万台に留まり、販売台数は前年比-13.3%となる62万3,000台。市場占有率は11.8%(前年比-0.8ポイント)となった。厳しい状況が続く中、新型「エクストレイル」が45.6千台、「デイズ/デイズルークス」167.5千台と好調な売れ行きをほこっている。
会計年度が暦年ベースの中国の全体需要は、前年比+7.6%の2,234万台となり、販売は前年並みの122万台、市場占有率は5.5%となった。世界最大市場である中国では、依然として日系メーカーを取り巻く環境が厳しいことに加え、新たな排気規制により、小型商用車メーカーは、軒並み販売を落としている中、日産では引き続き日系メーカーNo.1を維持し、「シルフィ」シリーズ、中国カー・オブ・ザ・イヤー2014に輝いた「エクストレイル」をはじめとしたモデルが販売を牽引している。
北米では、過去最高の販売台数を記録。アメリカ全体需要は前年比6.9%増の1,673万台となり、販売は8.9%増の140万台に達した。市場占有率は8.4%で、主力モデルの「アルティマ」、「ローグ」、「セントラ」が好調を支えた。カナダでの販売台数は、全体需要の伸びを上回り、前年比+22.4%の11万8,000台に達し、市場占有率は6.3%となった。メキシコでは、引き続きトップブランドの地位を維持し、販売台数は前年比+16.9%の31万台、市場占有率は26.1%に達した。
欧州の全体需要は、前年比+1.7%。販売台数は前年比+11.7%の75万5,000台となり、市場占有率は過去最高の4.3%で、「キャシュカイ」や「ジューク」などのクロスオーバーモデルがけん引役を果たした。ロシアでは、全体需要が18%落ち込んだにも拘らず、販売台数は、前年から5%以上増加し、17万3,000台となった。市場占有率は7.6%に伸びている。
その他市場の全体需要は、前年比2.6%減の2,015万台に留まった。販売台数は前年比+1.1%の88万9,000台。その内、中東では前年比+4.7%の23万7,000台を販売する一方、アジア・オセアニアでは前年比並みの36万3,000台、中南米では前年比-1.2%の18万4,000台の販売台数となった。
日産自動車株式会社カルロス ゴーン社長兼最高経営責任者は、「日産は、競争の激しい市場で堅実な成果を残すことができました。当社の新型車に対する高い需要がこの成果を後押ししました。今年度も引き続き、新車および技術の市場投入、コスト・販売管理の徹底、ルノー・日産アライアンスによる更なるシナジー効果の創出によって、売上と利益を継続的に増加させることに焦点を当てていきます。こうした活動を通じて、当社は中期経営計画を確実に遂行します」とコメントした。
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