NISSAN GT-Rセミナー「World of GT-R・・・3年後の姿」(2/3)
- 筆者:
GT-Rを通じメーカーとオーナーの新しい関係を構築したかった
さらなる走る楽しみを創造するため、クラブトラックエディションを作ったと言う。
クラブトラックエディションはサーキット専用車両。車両価格約1000万円に加え、年間300万円程度のパックで、車両の保管・管理から、サーキットへの運搬、メンテナンスまで行ってくれるもの。
さらに走行会の午前中にはインストラクターによるレーシングスクール、午後にはレースも行うとした。
水野氏は「クルマは作ることも感動」だと言う。
「日本のお寿司は最高の料理だと思う。その職人が何年修行をし、どんな包丁を使い、どんなネタを用意しているのか、それを見せている。もしお寿司を奥の台所でつくって目の前に出されてもたぶん感動はしないだろう」
と言い、「EGOIST」と名付けた仕様では、実際に組み上げる様を工場で見てもらえるようにしたと言う。
また、オーディオに関しても「その人のための最高のオーディオを作ろうと思ったらクルマでしかできない。たとえば家庭用のオーディオでは、その人が座って聞くときもあれば寝転んで聞くときもある。耳の位置を長時間固定できる場所はクルマしかない」とし、EGOISTでは利用者の耳の位置を測定し、それに合わせて専用のセッティングを行うとした。
水野氏は、GT-Rを通してメーカーとオーナーの新しい関係も構築したかったと言う。
売ったら売りっぱなしなのではなく、常に最高のパフォーマンスを楽しんでもらう。それがバージョンアップキットだ。
イヤーモデルとして毎年進化するGT-Rだが、バージョンアップキットでは、その進化したパーツを既存オーナーにも格安で提供する。
さらに通常カスタマイズを行えば中古車の査定が落ちるが、バージョンアップキットに関しては査定を上げるようにしていると言う。
「売ったクルマもちゃんと進化させよう。そして中古車にもちゃんと価値を認めよう」というのが水野氏の提案だ。
今年からもう一つ「アドバンスキット」を始めると言う。
これは中古車専用のキットだ。水野氏は「中古車で買う人はR34やR35からの買い換えが多く、ハンドリングのレスポンスがよいクルマが好きな人が多い」とし、このアドバンスキットでは、ハンドリングのレスポンスがノーマルよりよくなるサスペンションをセットしたと言う。
また、ラインオプションでは25万円するサッチャム認定の盗難予防装置をセット。さらにウェザーストリップの張り替えも含めて38万円で設定する。
水野氏は「新車を買える人はガレージもしっかりしているが、中古で買う人は外に置く機会も増える。防盗装置が本当に必要なのは中古車を買う人だと思う。それがおもてなしだと思う」と述べた。
この記事にコメントする