日産 R35 GT-R 2015年モデル 試乗レポート/嶋田智之(3/4)

日産 R35 GT-R 2015年モデル 試乗レポート/嶋田智之
(左)日産 GT-R NISMO 2014年モデル(右)日産 GT-R 2015年モデル 日産 GT-R 2015年モデル(右)とモータージャーナリストの嶋田智之氏 日産 GT-R 2015年モデル 日産 GT-R 2015年モデル 日産 GT-R 2015年モデル 日産 GT-R 2015年モデル 日産 GT-R 2015年モデル 日産 GT-R 2015年モデル 日産 GT-R 2015年モデル 日産 GT-R 2015年モデル 日産 GT-R 2015年モデル 画像ギャラリーはこちら

後ろから蹴り出されるような加速G、どこまでも伸びていくかのような驚異的な「スピードマシン」

日産 GT-R 2015年モデル

GT-Rが快適とは言っても、決してヤワになったわけでもない。ひとたび右足を深く踏み込んで戦闘態勢に入れば、GT-Rはシームレスに驚異的なスピードマシンへと変貌を遂げていく。

ズバッと腰と背中を蹴り出す加速G、瞬間的でスムーズな変速。恐ろしい勢いで後方へとすっ飛んでいく景色。どこまで伸びるんだ、このスピードは・・・?という感覚。パドルを引いてシフトアップするたびに、それが繰り返される。けれども、それはほんの10秒とか、20秒とか、そうした刹那の間の出来事なのである。

そしてコーナーに飛び込んでいく寸前の、まるで後ろから巨大な手でグッと腰を掴まれたかのような強力な減速G。そのときの、ブレーキペダルを踏み込むことが気持ち良いと感じる絶妙なフィーリング。速く走るためにはブレーキングが何よりの要、微妙に力を込めても静かに抜いても、その分だけキッチリとクルマの動きになって反応してくれるところが素晴らしい。

ステアリングを切っていくと、ノーズが鋭くインを刺そうとする。GT-Rは微塵も危なげというものを感じさせないまま、狙ったとおりのラインをなぞっていこうとする。いかなる場合でも切れば切っただけ、戻せば戻しただけ、クルマが素直に方向を変えようとしてくれる。

僅かな試乗時間でも得られる、アクセルを踏み込めるという「安心感」

日産 GT-R 2015年モデル

枯れ葉にのってリアがスッと滑ったかに思えた次の瞬間には、いつどのタイミングでどれくらい前輪が駆動してるのか判らないくらい程の自然さで、元のラインに戻って加速体勢に転じようとしていく。それらは全て、途方もない速さでコーナーを抜けるときの出来事だ。ドライビングが100倍上手くなったようにすら感じられる。

しかも自分でも驚いたのだけど、20分程度の短い試乗時間で、知らず知らずにその領域まで入っていた。フェラーリ458も、ランボルギーニ・ウラカンも、ポルシェ991ターボも、こうした場面では同じようにとんでもなく速いわけだけど、ここまで短い時間でここまでの安心感を持って踏んでいけた記憶は、ない。

このワインディングロードを、このクルマで攻めることにもっと慣れていったら──?

日産 GT-R 2015年モデル

もしかしたら550ps/64.5kgmをしっかり使い切ることができて、きっとかつて体験したことのない速さで始点から終点までを駆け抜けることができるのかもしれない。そんなアウトローな気持ちすら湧いてきそうなほどだった。

以前、某メーカーがGT500で戦っていたレーシングマシンに、チョイ乗り試乗をさせてもらったことがある。速さはもちろんだけど、何よりもその乗りやすさに驚かされたことを記憶している。そしてそのマシンでレースを走り、ル・マン24時間レースの経験もある某有名ドライバーが語ってくれたセリフも、やっぱり忘れることができない。

彼は「クルマをねじ伏せるようにして走らせなければならないんだとしたら、その時点で(勝つ)権利は持ってないのと一緒だよ。乗りやすくないと、レースでは速く走れない。快適であればあるほど、速さを維持することができる。余計なことに神経を使わされたり、疲労が激しかったりしたら、レースでは勝てないんだ」と当然のようにいったのだ。

2015年モデルのGT-Rはストリートカーではあるけれど、もはやそういうレベルに達しているのだろう、と感じたのだった。

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嶋田 智之
筆者嶋田 智之

本人いわく「ヤミ鍋系」のエンスー自動車雑誌、『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー専門誌『ROSSO』の総編集長を担当した後、フリーランスとして独立。2011年からクルマとヒトに照準を絞った「モノ書き兼エディター」として活動中。自動車イベントではトークのゲストとして声が掛かることも多い。世界各国のスポーツカーやヒストリックカー、新旧スーパーカー、世界に数台の歴史的な名車や1000PSオーバーのチューニングカーなどを筆頭に、ステアリングを握ったクルマの種類は業界でもトップクラス。過去の経歴から速いクルマばかりを好むと見られがちだが、その実はステアリングと4つのタイヤさえあるならどんなクルマでも楽しめてしまう自動車博愛主義者でもある。1964年生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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