日産 フーガハイブリッド 試乗レポート(1/2)
- 筆者: 松下 宏
コンパクトカー並の燃費を実現したフーガハイブリッド
日産は、もう10年も前に「ティーノ」にハイブリッド車を設定したことがあったが、その後は過渡期のニッチな技術であるとして、ハイブリッドにはあまり力を入れてこなかった。
ところが、環境の時代を反映して日本やアメリカではプリウスに代表されるハイブリッド車の売れ行きが好調になり、日産の立ち遅れが指摘されるようになった。
そこで、日産は改めてハイブリッドの開発に取り組むようになり、今回、高級車のフーガに新しくハイブリッド車を設定してきた。日産曰く“本当のハイブリッド”と掲げられて登場したのが「フーガ ハイブリッド」だ。
日産は今年、プレジデントやシーマの生産を終了しており、現在はフーガをフラッグシップモデルとしている。その中でも、フーガハイブリッドは頂点に立つモデルだ。
フーガのハイブリッドシステムは、トヨタやホンダ、メルセデスなどとは異なる独自の「1モーター2クラッチ方式」を採用した。この方式にはメリットとともにデメリットになる部分もあるが、フーガハイブリッドではデメリットをうまく消してメリットとなる部分が生かされているのが特徴だ。
エクステリアは基本的にフーガと変わらない。今回乗った試乗車では大きくハイブリッドと書かれた文字が貼られていたが、これはもちろん、ユーザーが実際に車両を購入する際には描かれてはいない。
異なるのは、クロームカラーのコートが施されたアルミホイールやピュアドライブのエンブレムなど、細かい点のみ。ハイブリッドであることが抑えられた、控えめなエクステリアとなっている。
インテリアもフーガの標準車と同様、銀粉木目のフィニッシャー(オプション)が採用されるなど、基本的な仕様はフーガと変わらない。ただ、メーターそのものはハイブリッド車専用のもので、エコ情報が提供されるとともに、タコメーターによって運転の楽しさも演出される。
EV走行時にはエンジンそのものが停止するので、ハイブリッド車では珍しく設置されているタコメーターが「0」の位置を示すとともに、「EV」の文字が点灯してEV走行に入ったことが分かる仕組みだ。
フーガのハイブリッドシステムは、縦置きのパワートレーンをV型6気筒3.5Lエンジン、クラッチ、電気モーター、クラッチ、7速トランスミッションの順に並べたもので、エンジンとモーター、モーターとトランスミッションの間にそれぞれクラッチが設けられている。この2クラッチ方式によって動力を断続させることを可能にした。
特に大事なのがエンジンとモーター間のクラッチで、これを切ることによってモーターだけでの走行(EV走行)が可能になる。さらに、日産独自のリチウムイオン電池を搭載することによって、自在な電気エネルギーの放出・蓄積を可能とし、それによる高度なモーター制御(変速制御)を実現している。
V型6気筒3.5リッターエンジンは225kW/350N・mのパワー&トルクを発生し、これに50kW/270N・mの電気モーターが加わる。システムとして発揮できる性能は単純な足し算ではないが、パワーは300psを大きく超えてV型8気筒4.5リッターエンジン並で、トルクに関しては6リッターエンジン並の実力を持っている。
しかも、10・15モード燃費は「19.0km/L」というコンパクトカー並の数字を実現しているのだから凄い。
参考までに他社の高級ハイブリッドセダンの燃費を列挙すると、トヨタ クラウンハイブリッドが「15.8km/L」でレクサス GS450hが「14.2km/L」、レクサス LS600hが「12.2km/L」、メルセデス Sクラスハイブリッドが「11.2km/L」だから、フーガハイブリッドの燃費が際立って優れていることが良く分かるだろう。
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