日産 フーガ 試乗レポート

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レクサスへの刺客

フーガは04年10月に日産が投入したラージサイズの4ドアセダン。ポジショニングは、セドリック/グロリアに代わるクルマになる。

デビュー当時のエンジンラインナップは、V6の2.5Lと3.5Lだった。

このフーガは、日本だけでなく北米でも売られている。北米では日産の高級ブランドであるインフィニティの上級車、Mモデルだ。北米ではM35とM45になる。つまり、3.5Lと4.5Lの2本立てだった。北米には2.5Lがなく、上級イメージを強調してきたのだ。

日本向けはセド/グロユーザーのことも考え、2.5Lと3.5Lにしたのだ。しかし、トヨタがレクサスブランドを日本で展開することになり、日産も考えを変えた。

レクサスGSの対抗馬として、M45を選んだのだ。いわば、レクサスへの“刺客”というわけ。V8、4.5Lの4ドアセダンは、こうして、05年8月に国内に投入されることになったのだ。

V6モデルと差別化されたデザイン

ボディサイズは、これまでのフーガよりも全長がやや長くなっている。60mmの延長はリアバンパーの形状が専用デザインになったことで、V6モデルとの差別化が行なわれた。さらにバンパー下から左右2本ずつの4本出しマフラーを採用している。

インテリアは本革シート、フロントはエアコンディショニングシート、助手席パワーオットマン機構などを標準装備した。450GT専用として本木目のパネルを採用している。さらにピアノ調パネルとブラック内装の組み合わせも新設定された。

安全面ではフロントシートのサイドエアバッグ、カーテンエアバッグを標準装備している。

室内の居住空間はフロントシートはやや低めで、ホールド性はよい。リアシートは低めの着座で、座面後ろはさらに低めで、ヘッドスペースをかせいでいる。足元も狭くないが中央席は床面が高く、実用的でない。

世界でもトップレベルの走り

日本仕様のV8、4.5Lエンジンの最高出力は333馬力/6400回転、トルクは46.0kgm/4000回転だ。これは3.5Lモデルよりも53馬力、9.0kgmも強力になる。北米仕様とほとんど同じ性能だ。

組み合わされるミッションはマニュアルシフトモード付の5速ATになる。

Dレンジにシフトして走り出す。スタートの1500回転からトルクが太く、アクセルレスポンスがとてもよい。そのままアクセルを踏みこめば一気に6700回転まで上昇する。

0→100km/h加速は5秒台。これは3~4Lクラスのスポーツカーと同じ数値。メルセデスEクラスのAMG、BMW5シリーズのM5と同じレベルの加速性能だ。

サスペンションもしっかりチューンされている。乗り心地はややかため。これは 245/40R19タイヤの影響もある。コーナリングはロールも抑えられ、フロントの重さをほとんど意識させない。世界でもトップレベルのビッグサイズスポーツ4ドアだ。

一度は乗ったほうがいい

V8、4.5Lエンジンを意識したフーガ450GTは、GTとGTスポーツパッケージの2グレードが用意されている。ミッションは5速AT、後輪駆動だ。

450GT投入の目的のひとつに、レクサスGSへの対抗がある。両車を比較してみると、ボディサイズは全長、全高で450GTが勝っている。とくに全高がたっぷりとしているので、室内空間は450GTのほうが断然広いのだ。

エンジンのフィーリングも450GTのほうがジェントル。スムーズに、リニアに、トルクが盛り上がる。

ハンドリングのシャープさは両車ともに好勝負だ。

450GTの強味は車両価格だ。4.5Lエンジンを搭載し、GTは554万4000円、スポーツパッケージでも567万円だ。

快適な高性能ビッグセダンを探しているのなら、一度は450GTに乗ったほうがよい。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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