[西部警察]大門が駆るS130型 日産 フェアレディZ ” SUPER Z”(ガルウィング)を徹底解析|特別機動車両 Vol.6

  • 筆者: 山本シンヤ
  • カメラマン:オートックワン編集部・株式会社石原プロモーション/製作著作:株式会社石原プロモーション 取材協力:小樽 石原裕次郎記念館

大門団長がショットガンを撃つ! 金色のガルウィング「SUPER Z」

西部警察で活躍した特別機動車両 徹底解説のトリを飾るのは、2代目日産 フェアレディZ(S130型)がベースの「スーパーZ」だ。ドラマ 西部警察 パートI 第45話「大激走!スーパーマシン」から活躍した初代特別機動車両「マシンX」に代わり西部署に配備されたマシンで、パートII 第15話「ニューフェイス!!西部機動軍団」で6代目スカイラインRSがベースのマシンRS(現RS-3)と共に登場している。

ちなみに、西部警察「オフィシャル写真集」では、「フルオートで特殊車装置が作動する多目的特別車両」と紹介と共に以下のようにSUPER Zのスペックが掲載されている。

全長×全幅×全高:4620×1690×1305mm

エンジン形式:L28E

車体重量:1645kg

最高速度:250km/h

主要装備:フルオートガルウィング、催涙弾発射装置、煙幕発射装置

ベース車両はフェアレディZ 280 Tバールーフ 2by2の後期モデル。トランスミッションは渡哲也氏がMT車の運転が苦手と言うこともあり、AT(何と3速AT!!)が選択されたそうだ。ちなみに登場初期のナンバーは「品川59 た 3527」だったが、「2800ccなのに5ナンバーはおかしい」と言う指摘から「品川33 た 3527」に変更されている。

>>大門がショットガンを撃つ! SUPER Zが現代に蘇る[西部警察特別機動車両 画像ギャラリー]

これが警察車両!? スーパーZのド派手な内外観・装備に隠された秘密とは

ガルウィングは裕次郎氏の愛車がモチーフ、というだけではなかった!?

エクステリア最大の特徴は、サイドウィンドウ~ルーフ部分に油圧式のフルオートガルウィングが採用されている事だろう。採用の経緯は「運転しながらショットガンが撃てる」、「石原裕次郎氏が所有するガルウィングドア採用のメルセデス300SLがモチーフ」と言う説があるが、この車両の企画・開発担当の福田正健氏は「当時のフェアレディZはTバールーフが採用されていたため、構造的にガルウィングにしやすかった」と。つまり、技術的な側面からのアイデアから生まれたと言う。

開閉操作は車内からはスイッチ、車外はBピラーに設置された鍵穴にキーを差し込んで回すと作動する。ちなみに下部は通常のスイングドアが残されているが、福田氏は「開けた時の威圧感を無くす」、「乗降性の考慮」、そして「本物感を出すため」の手段だったと語る。一般的にはガルウィングはサイドシルが太く、通常の横開きドアでは乗降性が悪いクルマに採用……を考えると納得である。

ジェームスボンドもうらやむ!? 催涙弾や煙幕など特殊武器を密かに装備

ボディカラーは通常のモデルにはないゴールド/ブラックの2トーンカラーで、ルーフには回転機式のパトライト、ボンネットと左右ドア、リアウィンドウに「NISSAN」のロゴ、リアスポイラーやルーバー化されたサイドクォーターウィンドウなどを装着。

ホイールは当初は「AME182」が装着されていたが、パートII後期から「SSRスーパーシャーク」に変更。また、当時のスチール写真を見ると「エンケイバハ」を装着した事もある。ちなみにタイヤは、現在は「ダンロップGT QUALIFIER」を履いているが、TV放送を見ると、様々な銘柄を履いているのが確認できる。

ちなみに特別装備はフロントバンパー下に左右可動式サーチライト、ボンネットに催涙弾発射装置、リアバンパー下部に左右2本ずつレイアウトされたスカンクこと煙幕発生装置(本来のマフラー機能はセンター)、そして自動車電話など、RS軍団と比べると控えめである。独特なサイレン音も特徴の一つだった。

シートなどはノーマル同様だが特殊装置スイッチの数々にワクワク

インテリアはRS軍団とは異なり、シートやステアリングなどはノーマルだが、インパネセンターのオーディオ下に催涙弾発射装置のスイッチ、シフトノブ横に新設された操作パネルにはガルウィング開閉/サーチライト/スカンク/爆弾(自爆装置!?)/ワーニングのスイッチがレイアウト。助手席グローブボックスには無線機(Aurex製)、センターコンソールには自動車電話が装着される。

ちなみにリアシートは残されているが、ガルウィングのシステムにより乗降性はかなり辛そうである。

スーパーZはAT? それともMT!?

パワートレインはL28E(155ps/23.5kgm)をベースにチューニングが施され、最高速は250km/hと言う設定。車両重量はガルウィング化によりノーマルより重くなっている。トランスミッションはATだが、パートII 第14話「マシンZ・白昼の対決」の時のみ5速MTの設定だった。

実はこの回で、本庁のコンピューターに保存されていたスーパーZの設計図がハッキングされ、瓜二つの偽物が登場(唯一の違いは催涙弾発射銃→マシンガンに変更)しサーキットで対決を行なう……と言うストーリーだ(犯人役は長塚京三氏!)。ちなみに同回の予告編では、偽スーパーZが爆破!と言う、本編では採用されなかった衝撃映像も残されている。わざわざ撮ったのに、何故お蔵入り!? と謎は深まるばかり……

スーパーZは大門刑事部長専用車のため、基本的に渡哲也氏がステアリングを握るのがほとんどだったが、パートIIIのオープニングや第16話「大門軍団フォーメーション」では柴俊夫氏演じる山県新之助刑事、パートII 第23話「凶悪の焔」やパートII 第40話「ペガサスの牙」などでは舘ひろし氏演じる鳩村英次刑事、そしてパートIII 第43話「走れ一兵!成田発PM3」では、峰竜太氏演じる平尾一兵刑事もステアリングを握っている。

[レポート:山本シンヤ/Photo:オートックワン編集部・株式会社石原プロモーション/製作著作:株式会社石原プロモーション]

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樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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