日本版コンシューマレポート-日産 エルグランド ユーザー試乗レビュー-(5/6)

日本版コンシューマレポート-日産 エルグランド ユーザー試乗レビュー-
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新型エルグランドのユーザー評価・レビュー/総合評価

「え!?これがエルグランドじゃ、マズイですか?」

2008年1月13日、北米国際自動車ショー(通称デトロイトショー)の日産ブース。コンセプトモデル「フォーラム」の前で、日産デザイン本部幹部のN氏は筆者との会話のなかで、上記の言葉を発した。

日産 フォーラム

「フォーラム」は、あまりにもワイド&ローなスタイリング。筆者を含め、メディアの多くが量産化のイメージには直結しなかった。

また、2005年同ショーに出展された大型高級ミニバンコンセプト「インフィニティ クラーザ」が量産されなかったことも「フォーラム」への関心の低さに結びついた。

さらに「フォーラム」はオーディオなどの技術説明が主体となり、日産側の「クルマ全体としてのプッシュ」が少なかった。

だが、いま改めて考えてみれば「フォーラム」は「高級ミニバンの日米共通化」としての市場調査だったのだ。まあ、登場時期を考えれば、2010年夏の生産開始まで1年半なのだから、デザインの骨格はすでに決まっていて当然だ。

「フォーラム」調査というよりは「市場での最終チェック」だったのだ。

さて、前出のN氏との会話、冒頭の発言までの流れは以下の通りである。

筆者 「クラーザと同じく、デザインスタディ(=量産目的でなく、あくまでもショーカー)ですか?」

N氏「まあ、(量産化は)お客さんの要望次第ですけど」

筆者「アメリカでは、クエスト(=米国専用の日産大型ミニバン)が苦戦しています。他社との差 別化を狙うために、一気にここまでイメチェンするのも手だとは思いますけど」

N氏 「様々な可能性があると思っています」

筆者「ベンツのRクラスが、当初はグランドツアラーというイメージでしたが、量産車では、一般的なミ ニバンの領域に落ち着いてしまった感じですよね。だから、もしフォーラムをクエストとして量産す るなら、是非このままの迫力で登場して欲しいですね」

N氏「ええ、この形状での量産は十分に可能だと思いますよ」

筆者 「それに、製造コスト削減を考えれば、日米で大型ミニバンの仕様が異なるのは、そろそろ止めてもいいかもしれませんね。トヨタは多種でもやっていけるでしょうが、日産はもっと車種イメ ージを絞るべきだと思いますが。いっそのこと、このフォーラムのイメージで、クエストと次期エルグ ランドを統合するなんて、どうですか?」

N氏 「えっ?まあ、可能だとは思いますが・・・。それじゃ、もしこれが次期エルグランドだったら、どうですか? どう思いますか?」

筆者 「いやぁ~、どうですかね。日本はトールハイトがミニバン高級感のシンボルじゃないですか。 ここまで背が低いとなぁ~。それに、プラットフォームがDになりますよね、このサイズだと。つまりFFですよね。日本のお客さん、どう思うかなぁ~」

N氏「え!?これがエルグランドじゃ、マズイですか?」

いま思えば、N氏はいつになく「言葉が少なかった」。筆者の質問に対し、照れ笑いがあった。

筆者を含めて、当時「フォーラム」に関する記事は「次期エルグランドになったらいいな」的なノリだった。筆者を含めて日本のメディアは、まさか「フォーラム=エルグランド」だとは想像出来なかったからだ。

また、「エルグランド」は、米国では「クエスト」で登場する可能性が高い。

つまり、日本の高級ミニバンでは新型エルグランドが初の世界スタンダード版になるのだ。「アル/ヴェル」「エルグランド」はこれまで日本特有車だった。いわゆる、ガラパゴス系である。

タイやインドネシアなど、東南アジア他で若干数販売されてはいるものの、欧米主要国では需要がなかった。そうした流れを、新型「エルグランド」が切り崩しにかかる。

果たして、世界各地でも「エルグランド」はKINGの称号を獲得することが出来るのか?

では最後に、話を日本国内に戻したい。

「アルファード、ヴェルファイアと比べて、エルグランドをどう思いますか?」

以下は、回答分野別での全コメントである。

「アルファード、ヴェルファイアと比べて、エルグランドをどう思いますか?」

-乗り心地-

・乗り心地が静か

・より、遠出がしやすいかんじがする

・アルファードのほうが乗り心地はいいように思えた。エルグランドを実際乗ってみると重量の割りに力があるように感じた

・世間はアル/ヴェルが大人気みたいだけど、エルグランドも忘れてはいけません。此処まで力強いパワーを持つエンジンはエルグランドの良い所ですね。試乗はあまり長く乗れませんでしたが、短時間でその性能やパワーが分るほど良い車なんです。是非検討している方はエルグランドも乗ってみて下さい!

・今回、低重心になったことでフワフワ感がかなり無くなり、走りがスポーティで力強く感じられ、昔の日産(「技術の日産」の時代)を強く感じました☆アルファード/ヴェルファイアと比べ、各車とも高級サルーンですが、エルグランドは、特に運転して走ることがとても楽しい車だと思います♪今回のモデルチェンジで、デザイン的にはかなりスマートになり、室内スペースも少し狭くなったことには、個人的には少し残念ですが、その代償として、走りがこれだけ良い意味でおもしろく、楽しくなったことには、感動しました。。。

-デザイン-

・外装ではエルグランドのほうがカッコいい

・カッコイイと思う

・僕はエルグランドのデザインが好き。装備や走りは負けていない。セレナなみにトヨタに対抗できる秀作と思いますが

・アルファードよりかっこいいイメージですが、ヴェルファイアと比べるとカラーバリエーションがありふれている気がした

・エルグランドの方がデザインがいいです

・エルグランドの方が、デザイン的に家庭的な印象が薄く、かっこいい

・外観の押し出し感は同等だと思う。4WDの制御はエルグランドの方が断然良い

・アルファード/ヴェルファイアには乗っていませんので比べられませんが、背が低くなってサイドのデザインがトラック(ハイエースなどのスライドドアモデル)から決別したので、外観だけであればエルグランドが新しく見えます

-イメージ-

・最も迫力があり、男性向きだと思う

・男らしい車

・家庭的な感じがあまりしない

・ワイルドなイメージ大人のミニバン

・アルファード/ヴェルファイアの若者向けのイメージから比べると、今回の新型エルグランドは良い車を選びたい若者から、優雅なの走りをしたい大人な方まで幅広い年齢層に選ばれる車になったと感じました

-内装・広さ・大きさ-

・室内が広く感じた

・車内の広さは一番だと思います

・でかすぎる

-質感-

・後発であるので、質感がとても高く、今購入するなら迷わずエルグランドだと思った

・いままでは正直質感や車内のスペースを考えるとこりゃ勝てないなって感じだったけど、今度の新作はその辺の事を徹底的に研究し、今までにないぐらいレベルが上がっていると感じた

・アルファード、ヴェルファイアとは明らかに高級感が違った。エルグランドは運転手だけでなく後部座席の人への乗り心地の配慮がものすごく効いていて長距離運転では格が違うと感じた

-その他-

・家庭的といえば家庭的だが、一人で乗っていてもかっこよく、使い勝手が良さそう。

・後発のモデルチェンジの分、改善されている所は見受けられる。展示車は、オプション装備が多くされているので、ここまで手が出せない感じは、ヴェルファイアと同様の印象である。

・「ブラックレザーのインテリアが選べる」「セカンドキャプテンシートができた」この2点はエルグランドのポイント高いです。

・最新型なのでエルグランドが上かな?

・とてもいいと思う

・断然エルグランド!!

・正直、差が無い

・あまりわからない。

・トヨタの車は興味ないので比較できない

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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