日産 NV350キャラバン 新型車解説(2/2)
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:茂呂幸正/日産自動車
ワイドボディ版の投入は2012年冬までおあずけ
NV350キャラバンでは、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン共に「クラストップレベルの低燃費」を実現した。新開発のクリーンディーゼル・テクノロジーを駆使したYD25DDTi型エンジンは燃費を大幅に向上させ、12.2km/L(JC08モード)のクラストップレベルの低燃費を実現した。
ガソリンエンジンも、QR20DE型とQR25DE型に対して燃費技術を積み上げを行い、それぞれ9.9km/Lとは9.1km/Lのクラストップレベルの燃費性能を達成している。排気ガスの低減と燃費性能を合わせ、バングレードによってエコカー減税が適用される。ただし、ワゴンについてはエコカー減税の対象外だ。またディーゼルエンジン搭載車とスーパーロングボディについては、やや遅れて2012年7月13日の発売。また、ライバルのハイエースにも設定されるワイドボディ仕様車については、2012年冬頃に発売される予定だ。
ワゴンとバン、標準とハイルーフ、ロングとスーパーロングの多彩な組み合わせ
NV350キャラバンのバリエーションは、ワゴンが標準ルーフのロングボディのDX、ハイルーフのスーパーロングボディのGXという2グレードの設定。いずれも2.5LのQR25DE型エンジンが搭載されて5速ATと組み合わされる。なおワゴンにはディーゼルエンジンは搭載されていない。
ワゴンは全車とも乗車定員が10名となる。ワゴンのDX2,436,000円で、GXが3,205,650円で、120万円近い違いがある。搭載エンジンやトランスミッションなどの基本メカニズムは共通なので、装備の違いによってこれだけの価格差が生じている。というか、DXはライトバンと同じような感覚で荷物を積んだり、多人数で移動することを前提にしたクルマで、実質的には商用車と同じように考えていい。前述した乗用車感覚の快適装備はGXに用意されているものばかりだから、一般のユーザーがワゴンとして買うならGXを選ぶことになる。また多人数乗車を求めないのなら、5人乗りのバンのほうがおススメだ。
注目のグレードはバンの「プレミアムGX」
NV350キャラバンのバンモデルにも標準ルーフのロングボディとハイルーフのスーパーロングボディの2種類があり、さらに低床か平床か、あるいは乗車定員が3名/5名/6名/9名となるなど、豊富なバリエーションが用意されている。
バンのグレードはプレミアムGXとDXの2つだ。またバンの標準ルーフロングボディ車には4WD車の設定もある。
ワゴン同様にDXは商用用途に特化したグレード。いっぽうのプレミアムGXは、仕事からレジャーまで幅広く利用するユーザーに向けて、リアシートを立派な椅子にしたほか、乗用車と同等の快適装備を充実させた上級モデルだ。ハイエースで言うところの「スーパーGL」に相当するが、装備面ではライバルの上を行っている部分が多い。
バンの搭載エンジンはガソリンが2.0LのQR20DE型で、ディーゼルが2.5LのYD25DDTi型のクリーンディーゼル。いずれも5速ATとの組み合わせだ。バンは標準ルーフのロングボディ低床ルートバンの1,978,200円から、標準ルーフロングボディのプレミアムGX(4WD)の3,511,200円までの価格帯となる。
おなじみのカスタム車「ライダー」や福祉車両「ライフケアビークル(LV)」も設定
このほか、オーテックジャパン製のカスタマイズモデル「ライダー」はバンとワゴンの両方に用意され、6月15日より発売される。バンはハイルーフのスーパーロングボディ車に、ワゴンは標準ルーフのロングボディ車にそれぞれ設定。専用の防水シート地や本革巻ステアリング、LEDデイタイムランニングライトなどをセットした「インテリアパッケージ」もオプションで用意される。
また、初代キャラバンで1977年から設定されて以来、歴代モデルで用意されてきた福祉車両は新型NV350キャラバンでももちろんラインナップされる。LV(ライフケアビークル)として、車いすやストレッチャーの乗降用全自動リフターを装備した「チェアキャブ」や、福祉施設での送迎車両「アンシャンテ 送迎タイプ」などを設定。こちらは7月13日より発売される。
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