日本にない日本車「日産 アルティマ」(2/2)

  • 筆者: 桃田 健史
  • カメラマン:桃田健史/日産自動車
日本にない日本車「日産 アルティマ」
日産 新型「アルティマ」[2013年モデル] エクステリア 日産 新型「アルティマ」[2013年モデル] 外観 日産 新型「アルティマ」[2013年モデル] リア周り 日産 新型「アルティマ」[2013年モデル] インパネ周り 日産 新型「アルティマ」[2013年モデル] リアシート 日産 新型「アルティマ」[2013年モデル] パワートレイン 日産 新型「アルティマ」[2013年モデル] エンジン ニューヨークモーターショー2012で公開された日産 新型「アルティマ」[2013年モデル]と、日産のカルロス・ゴーンCEO 日産 新型「アルティマ」[2013年モデル] スタイリング 日産 新型「アルティマ」[2013年モデル] インテリア 日産 新型「アルティマ」[2013年モデル] リアビュー 画像ギャラリーはこちら

アルティマ、マキシマ、そしてティアナ・・・日産Dセグ・セダン3兄弟が誕生した2000年代

初代 日産 ティアナ 230JM[J31型:2003~2008]
【現行型(旧型)】日産 アルティマ[2012年モデル:北米仕様]日産 マキシマ[A35型 2011年モデル:北米仕様]

2000年代に入り、「日産 アルティマ」と「マキシマ」は当時のFF-Lプラットフォームを共用する事実上の兄弟車となった

そして2003年、「日産 ティアナ」が登場した。同車のデザイン開発は、台湾で日産が合弁事業をしていた(現在は日産の大手ディーラーの)裕隆汽車[ユーロン]内に設置された日産のデザインスタジオで基本構想が描かれた。この事実は、筆者が先日、NDC[日産デザインチャイナ・中国北京市]で同部門幹部から直接聞いて確認した。

中国、そして日本を含めたアジア圏での特化を目指した「ティアナ」は、北米市場重視の「アルティマ」、「マキシマ」とも事実上の兄弟車ながら、テイストとしては欧米/アジアの差を感じさせられたのだ。

そして2013年、次期「ティアナ」と「アルティマ」は統合されるのか?

日産自動車の新世代車両設計技術「日産CMF」(4+1 Big module concept) 概念図

さて、日産のCMFをご存知だろうか? これはコモン・モジュール・ファミリーの略だ。

クルマ全体を、エンジンコンパートメント、フロントアンダーボディ、コックピット、リアアンダーボディの4部位に分け、この順列組み合わせによって、セダン、SUV、ハッチバック、MPV(ミニバンなどのマルチパーパスヴィークル)を作り分ける設計・製造方法だ。2013年以降、世界市場で販売される日産、インフィニティ、さらにルノーの新型車で採用される。

このCMF導入は、世界市場で日産車ラインアップが統合されていくことを意味する。

そのなかで当然、「ティアナ」と「アルティマ」が事実上の同じクルマになることは、当然の成り行きだと思われる。

世界戦略Dセグメントセダンとして最良の答えは「ひとつ」しかない

日産 新型「アルティマ」[2013年モデル] リア周り

その場合でも、「ティアナ」と「アルティマ」の名称統合は難しいと思う。

今回NYショーで「アルティマ」という名前を継承した。また4月23日の北京モーターショーでは、Cセグメント世界戦略車の新型「シルフィ」がワールドプレミア。その壇上の隣に「ティアナ」があった。中国で高い認知度を誇る「ティアナ」という名称を、中国での次期モデル導入時に、いきなり「アルティマ」とするとは考えにくいのだ。

日産はいま、日本、アメリカ、英国、そして中国の4箇所にデザイン開発拠点がある。それら各所で、それぞれのトレンドや文化を含んだグローバル車の開発を進めている。そうしたなか、日産が「ティアナ」、「アルティマ」に求めているのは、中国市場向きとか、北米市場向きとか、日本市場専用車といった”狭い了見ではない

目指すモノは、グローバルで通用する、”日本メーカーらしさを十分に含んだ、真のセダン”だ

あの「ブルーバード」を原点として、世界各地向けに進化していった「ブルーバード・ファミリー」たち。時代は大きく変わり、これからは”ひとつのカタチ”に集約されていく。

”日本にない日本車”だった「アルティマ」は、次期「ティアナ」として日本でも、多くの人に愛されるセダンになるのではないだろうか。

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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