三菱、新型コンパクトカー「ミラージュ」とプラグインハイブリッドSUVを東京モーターショーに出展

市販予定の2モデルを世界初公開

三菱コミュニケーションスタッフの川村 麻衣さん(左)、阿川 麻美さん(右)

三菱は、11月30日より開幕する第42回東京モーターショーの出展概要を発表した。テーマは「For your world,For our earth. 世界が拡がる。歓びが拡がる。」。3気筒 1000ccエンジンを積む新興国市場向け低価格コンパクトカー「MIRAGE(ミラージュ)」と、電気自動車技術を用いたプラグインハイブリッドシステムを搭載する「MITSUBISHI Concept PX-MiEV II」の2台の参考出品車を世界初公開する。このほか、大震災を機に注目を集めているEVバッテリーを用いた給電装置の取り組みや、三菱の各市販モデルなども併せて出展される。

三菱 新型 MIRAGE(ミラージュ)[参考出品車]

三菱 新型 ミラージュと、三菱コミュニケーションスタッフの川村 麻衣さん(左)、阿川 麻美さん(右)

「ミラージュ」とは、また懐かしいネーミングの復活である。1978年に三菱初のFFコンパクトカーとして登場し、20数年に渡り続いていた名称だ。10年ほど前にランサーやコルトなどと統合され絶版モデルとなり、以来その名前は消滅していた。

さて今度のミラージュは、近年急速な伸びをみせている新興国市場を視野に入れ低コスト化に注力するいっぽう、先進国での低燃費・低CO2化ニーズに応える環境性能を両立させるという、ふたつの重大な使命を持たされた。

搭載されるのは新開発の3気筒 1000cc。吸気側に可変バルブタイミング機構「MIVEC」を採用したDOHCエンジンだ。全長3710mmとコンパクトなボディながら大人5人が乗車できる居住空間を確保するいっぽう、徹底的な軽量化(コルトに比べ約10%程度軽量だという)やエンジン・トランスミッション等の高効率化、アイドリングストップ機構「オートストップ&ゴー(AS&G)」の搭載、走行抵抗の低減や空気抵抗の低いボディデザインの採用などで、クラストップの30km/L(10・15モード燃費)のエコ性能を目指し開発された。

この三菱の世界戦略コンパクトカー「ミラージュ」は、三菱のタイ新工場で生産される。タイでの洪水被害の影響が懸念される中、まだ正式な決定ではないものの、2012年3月よりタイ国内を皮切りに順次世界で販売していく。現時点で日本向けのミラージュは2012年夏頃の導入を予定している。

【MIRAGE(ミラージュ)】日本仕様 概要

全長x全幅x全高:3710x1665x1490mm/乗車定員:5名/エンジン:1000cc 3気筒 MIVECエンジン[オートストップ&ゴー(AS&G)付き]/トランスミッション:副変速機付き新世代CVT/目標燃費(10・15モード):30km/L/駆動方式:FF(2WD)/タイヤサイズ:165/65R14/価格:100万円(40万バーツ)前後を想定/発売時期:2012年夏頃(日本仕様)

※画像をクリックすると、新型「三菱 ミラージュ」の詳細が分かる画像集ページへとジャンプします。

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MITSUBISHI Concept PX-MiEV II[参考出品車]

MITSUBISHI Concept PX-MiEV IIMITSUBISHI Concept PX-MiEV IIMITSUBISHI Concept PX-MiEV II[参考出品車]MITSUBISHI Concept PX-MiEV II[参考出品車]

三菱は、1月に発表した2011年度からの3ヵ年中期経営計画「JUMP2013」の中で、「世界戦略コンパクトカー」と「環境対応SUV」を商品戦略の2つの柱にすると既に公言している。上でご紹介したミラージュがまさに前者で、2012年春には生産を始める予定となっている。もちろんそのほかにも、軽乗用車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」や軽商用車「MINICAB MiEV(ミニキャブ・ミーブ)」といった電気自動車(EV)のラインナップ拡大も含まれている。

そんな中で三菱の環境対応SUVも、自社の強みを生かし開発を進めている真っ最中。今回そのコンセプトカーが出展されることになった。それが、前回の東京モーターショーで発表されたコンセプトカー「MITSUBISHI Concept PX-MiEV」の進化型、『MITSUBISHI Concept PX-MiEV II』[参考出品車]だ。

MITSUBISHI Concept PX-MiEV IIは、60kWのモーターを前後に搭載し、70kWを発生させる環境対応型2000cc 4気筒 MIVECエンジンと組み合わせた4WD・前後ツインモーター式のプラグインハイブリッドSUV。

大容量バッテリーにより50km以上のEV走行が可能な「バッテリー走行モード」を基本に、エンジン発電を併用するEV走行の「シリーズ走行モード」、さらに高速域においてはエンジン・モーター駆動を行う「パラレル走行モード」を併せ持つ。

これにより、エンジン車では不可能な60km/L以上の超低燃費を実現。ガソリン車同等かそれ以上の航続距離800km(JC08モード)を達成する。またモーター特有の高トルク特性により、V6 3リッターエンジン車並みの加速性能も有する。つまりEVの環境性能や静粛性と、EVでは果たせない多人数による長距離の移動を兼ね備える点が、MITSUBISHI Concept PX-MiEV IIの大きな特長となっている。

さらに走行中のエンジン発電による「バッテリー充電モード」もスイッチ切り替えで操作でき、コンセントを通じ電気製品を利用したり、非常時の電源として家庭への電力供給(V2H)にも適応させている点も新しい。

駆動方式は前後ツインモーター式4WD。本来4WD車に付き物のプロペラシャフトや油圧システム、クラッチ板による駆動ロスもなくすことが出来た。これに「ランサーエボリューションX」搭載の車両運動統合制御システム「S-AWC(Super All Wheel Conttol)」を組み合わせることで、安定性・安全性と操縦性能を高い次元で両立させている。

なお三菱では先の「JUMP2013」で、2015年度までにEVとプラグインハイブリッド車計8車種を市場へ投入したいとしており、MITSUBISHI Concept PX-MiEV IIはプラグインハイブリッド車の第一弾として、2012年中の市販化を目指す。

【MITSUBISHI Concept PX-MiEV II】概要

全長x全幅x全高:4660x1830x1680mm/乗車定員:5名/モーター種類:永久磁石式同期モーター/モーター出力:60kW(前後)/エンジン種類:2000cc MIVEC 4気筒エンジン/発電量:70kW/バッテリー容量:未発表(iMiEV Gより若干小さい模様)/目標EV走行可能距離[JC08モード]:50km以上/目標航続可能距離[JC08モード]:800km以上/目標複合燃費:60km/L以上/駆動方式:ツインモーター式4WD/タイヤサイズ:235/55R18/価格:未定/発売時期:未定(2012年中予定)

「オートストップ&ゴー」がデリカD:5にも搭載

このほか三菱ブースでは、電気自動車「iMiEV(アイ・ミーブ)」を中心としたスマートグリッドの取り組みの一環として、V2H(家庭への電力供給)システムのデモンストレーション『MiEVハウス』を設け、電気のマネージメントシステム「EMS(Energy Management System)」や、家庭向け電力供給用システム「HEMS(Home Energy Manaement System)」、電気自動車の蓄電に対し最適な給電・充電制御を行う「EIS(Electric Vehicle Integration System)」などを総合的に紹介する。また『MiEVカフェ』では、非常時におけるEV電源給電機能を実演する。

さらに、先日発表した新型MIVECエンジンとアイドリングストップ機構「オートストップ&ゴー(AS&G)」を搭載した「RVR」「ギャランフォルティス」などを展示するほか、新たに同システムを搭載し年末に登場予定の一部改良版「デリカD:5」も会場でひと足お先にお披露目される。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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