日産自動車、中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム 2016」を発表

今後6年間で新たに3種類のEVを投入

日産自動車、中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム 2016」を発表

日産自動車は24日、同社の2016年度までの6ヵ年中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム 2016(以下:NGP2016)」を発表した。

この計画は、低炭素化、再生可能エネルギーへの転換、そして資源の多様化という三つの分野を、最重要課題として今後取り組んでいくことを表したもので、日産にとって三世代目の中期環境行動計画となる。

今回のNGP2016は、サステナビリティモビリティ、そしてコミュニティという三つの領域を重点分野に掲げており、これらに基づいた主な4つの目標を、2016年度までに達成することを目指している。その具体的な活動内容は以下だ。

①ゼロ・エミッション車でNo.1に

ルノーとのアライアンスの下、2016年度までにゼロ・エミッション車の累計販売台数150万台を実現する。また、ルノー・日産アライアンスとダイムラーとの戦略的協力関係において、主に日産がダイムラーとともに燃料電池車(FCEV)を開発。

②業界をリードする燃費

燃費トップとなるモデルを幅広く投入し、日本、中国、欧州、そして米国で、企業平均燃費を2005年度比で35%改善する。前輪駆動(FF)車にハイブリッド車(HEV)を投入。オリジナルのプラグインハイブリッド車(P-HEV)を投入。次世代エクストロニックCVTを投入し、1992年の初代CVT投入以来、累計販売台数を2,000万台へ上昇させる。

●2013年に投入する新たな前輪駆動ハイブリッド車をはじめ、日産独自のデュアルクラッチコントロール方式のハイブリッドシステムの採用を拡大。

●日産独自の技術を採用する新型プラグインハイブリッド車を2015年に発売。

●来年3月に次世代エクスロニックCVTを投入。日産は1992年のCVT投入以来、2016年度までに累計2,000万台のCVT搭載車を販売する計画。

③業界をリードするカーボンフットプリントの最少化

企業活動からのCO2排出量を2005年度比で台当たり平均20%削減。数値目標の対象範囲を従来の生産拠点のみから、物流、オフィス、販売会社にまで拡大。再生可能エネルギーを生産や生産関連の施設に導入。

④業界をリードするクローズド・ループ・リサイクル

自動車メーカーとして初めて、リサイクル目標を設定し、鋼材、アルミ、樹脂等の再生を含む、包括的なクローズド・ループ・リサイクルの仕組みを採用。2016年度までに、再生材利用率を25%まで高める ビジネスパートナーと連携し、材料生産から使用済み自動車回収までのバリューチェーン全体で再生材を採用。レアアースの使用量を削減。

カルロス・ゴーンCEOは記者会見で、「いま、より多くのお客さまがそれぞれの価値観に適した、低炭素社会を意識した乗用車や商用車を求めている。同時に我々は、様々な技術を投入して生産工場をより環境にやさしい効率的な工場に変えていく。日産は、地球の将来のため、グローバルな製造業界の中で高い競争力を持ち、戦略的に競合他社と異なる価値を提供することで、持続的な社会の実現に向けたソリューションを提供していく」と述べた。

また今後の日産の具体的な商品戦略へ話が及ぶと、これらNGP2016の活動計画の下、今後6年間で新たに3種類のEVも投入する計画を表明。さらに新世代ディーゼルエンジンに関してはルノーとダイムラー、FCEVに関しては日産とダイムラーとの技術提携による共同開発もスタートを切っていると話す。しかし現時点では双方の技術者達による初期調査が行われているに過ぎず、お披露目には3年以上かかるだろうとコメントした。

これらの成果はグループ内で供給することはもちろん、向こう6年間で3000億円の環境技術投資を行っていくと話す。

また、記者からのトヨタのハイブリッド攻勢による、日産のハイブリッド技術の遅れを指摘されたカルロス・ゴーンCEOは「日産にも独自技術による優秀なハイブリッド車はすでに存在する。トヨタは時期的なタイミングでハイブリッドの波に乗ったが、日産はEVやCVTという次世代モビリティにとっての有力なパワーソースを有しており、さらに研究を進めていく。お互い適切な時期に適切な技術開発を行っているだけで、決して日産がハイブリッド技術に遅れをとったという認識はない。」ときっぱり否定。

さらに「ハイブリッド車は日本では需要は高いが、北米はようやく存在が確認できるといった状況。欧州や中国、ましてや今後の市場拡大が見込めるインドやブラジルといったBRICs(ブリックス諸国)では、正直乏しい。それよりか、日産はEV関連に多額の投資を行い、FCEVやP-HEVのリーダーとして業界を引率していく考えだ。」と強くアピールした。

前回のNGP2010の公約はしっかりと果たしたゴーン日産。NGP2016においてのさらなる高い目標設定は今の日産の勢いを示す傍ら、東日本大震災やタイでの洪水災害など、突発的なリスク対応も盛り込んだ上での計画だ。あとは、第二次世界大戦以降最悪といわれるこの円高を日産はどう乗り切るのか、再び世界屈指の敏腕経営者カルロス・ゴーン日産CEOの腕の見せ所となるだろう。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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