トヨタ博物館 「甦れ!クルマたち ~博物館のレストア活動~」を開催
トヨタの文化施設であるトヨタ博物館は、10月9日(土)から2011年1月10日(月・祝)まで、企画展「甦れ!クルマたち ~博物館のレストア活動~」を開催する。
今回の企画展では、トヨタ博物館で収蔵する車両をオリジナルの状態へ修復・復元する「レストア活動」を中心に紹介。実際にレストアされた車両や部品を用い、車両が生産された当時の技術や生産方法、使われていた時代の様子や、さらにその保存を支える人たちの「モノづくりへのこだわり」と「情熱」を紹介する。
また、同館では車両の走行披露を今春より開催しており、その第2弾となる今回は、このたびレストアが完成し、国内110年ぶりの走行挑戦となる、パナール・ルヴァッソールの他、今なお人気を誇るトヨタ2000GTなど多彩なラインナップで実施する。
企画展「甦れ!クルマたち」 展示構成と車両概要
(1)レストアとは?
◆ダットサン フェートン11型(1932年)<レストア後>
◆ダットサン ロードスター(1934年)<レストア前>
展示車の2台はレストア前とレストア後の車両として紹介。この2台はまだ手作りボデー の時代で、その後、横浜に量産工場が完成した。ダットサンフェートン11型は、1932年 にダット自動車で生産された約150台の中の1台で、現存するダットサンでもっとも古い タイプ。排気量は495ccで、わが国のスモールカーのルーツともいえる車。
(2)トヨタ博物館のレストア例
◆筑波号(1935年) <数奇な運命を経て残った貴重車>
昭和10年頃、3年間で約130台しか作られなかった車。中古車で大学の自動車部が購入し、 その後、解体業者に渡りながら奇跡的に残った。一度、個人的にレストアを始めるがそ の作業の困難さに挫折。トヨタ博物館初のレストア・プロジェクトで甦った。
◆ビュイック<木炭乗用車>(1937年) <代用燃料で走ったクルマを再現>
第二次世界大戦前後、石油輸入が滞ったため、ガソリン自動車の多くが代用燃料(木炭ガ ス・薪ガス)車に改造されて使われた。展示車は、乗用車に多く採用されていた木炭ガス 発生装置を復元して取り付けた1937年型ビュイック。
(3)現在進行中のレストア
◆パナール・ルヴァッソール(1901年) <110年ぶりにエンジンに火が灯る>
日本に初めて来た自動車パナール・ルヴァッソールの次のモデル。また、パナール・ル ヴァッソール社は史上初の本格的な自動車レース(1895年パリ~ボルドー間の1200㎞) で優勝した。現代の自動車のようにフロントにエンジンを載せ、後輪を駆動させる方式 を最初に採用したことでも有名。企画展初日に走行を披露する。
(4)他団体でのレストア・保存
◆ヂャイアント・コニーAA27型(1961年)
オート三輪車メーカーの愛知機械工業が初めて生産した軽自動車。大ヒットしたダイハ ツ・ミゼットのひと回り上を狙って開発された。現在、愛知機械工業の社内ボランティア グループがレストア中で、グループの活動と合わせ紹介する。
◆アロー号後のV8型エンジン(1920年代頃)
現存する最古の自動車として(財)日本機械学会で認定されたアロー号(1916年)の後、国 産乗用車作りの夢を実現すべく開発された水冷と空冷のV8型エンジン。
(5)自動車以外の復元活動
愛知県陶磁資料館における陶磁器のレストア技術を紹介する。(本展示は両館のコラボ展示の一環)
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