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自動車ニュース 2010/7/14 11:48

ランボルギーニ、カーボンファイバー研究のための新センターをオープン

ランボルギーニ

ランボルギーニは、イタリア/サンタアガタ・ボロネーゼのランボルギーニ本社に、新たな先端複合材料研究センター [Advanced Composites Research Center (ACRC)] を開設したことを発表した。

このセンターでは、革新的なデザイン開発やカーボンファイバー素材の生産メソッドなどの研究開発を行う。この新センター開設と同時に行われたのが、極めて複雑な構造のカーボンファイバーのための、全く新しい高度の効率性を有する生産工程の開発。この新しい生産工程は、ランボルギーニの数々の特許によって担保されており、次世代のカーボンファイバー素材の飛躍的進歩に寄与するものとなる。

「カーボンファイバーテクノロジーの着実な開発推進は、私たちの戦略の主軸のひとつとなるものです」 とアウトモビリ ランボルギーニ社社長兼CEOのステファン ヴィンケルマンは語る。

「スーパースポーツカーにとってもっとも重要なパラメーターは、現在も、そしてこれからもパワーウェイトレシオです。従って、排出ガス規制によってパワーの増強には限界があるとすれば、私たちはいっそう車重の軽減に努めなければなりません。車体構造レベルまでもさえ含む、広範なカーボンファイバーの使用は、ランボルギーニをしてこの分野における技術開発の先端たらしめるものです。先進性や経済性を追求するために、テクノロジーと素材を正確に使用するというのが私たちランボルギーニならではの“違い”です。だからこそ、このセンターは全てのかなめとなるものなのです」

スーパースポーツカーのキーテクノロジー

さまざまなカーボン複合素材は、これからの自動車工学、とりわけハイパフォーマンス・スポーツカーのそれにとって極めて重要なものとなる。これらの素材は、ポリマー強化の、可能な限り軽量化され、かつ優れた力学的特性を有するカーボンファイバーから作られている。車が軽くなれば当然燃費の向上とCO2 排出量削減につながりる。どんなスポーツカーにとっても決め手となる重要なファクターは、そのパワーウェイトレシオ、つまるところそのパフォーマンスの向上にある。カーボンファイバーによる複合材料を用いて組み立てられたスーパースポーツカーは、ハンドリング性能とともに、加速とブレーキング性能を向上させてきた。

ガヤルドLP570-4 スーパーレジェーラ

カーボンファイバーによる軽量技術のチャンピオンランボルギーニの最新モデル ランボルギーニ ガヤルドLP570-4 スーパーレジェーラは、またとないサンプルと言える。その車両重量は、きわめて軽量のモデルで知られるオリジナルバージョンのガヤルドLP560-4 よりもさらに70kg もの軽量化が達成されている。この軽量化に寄与したひとつの大きな要因は、やはり車のエクステリアとインテリアでの、カーボンファイバーから作られたコンポーネントの使用にある。サンタアガタ・ボロネーゼが世に送り出すこのスーパースポーツカーの車重は1,340kg を超えることはない。

30年以上におよぶランボルギーニの経験

ランボルギーニは、長年にわたって複合材料での経験を培ってきた。最初のカーボンファイバーの使用は、カウンタックのシャーシプロトタイプにおいてで、1983年にまでさかのぼりる。

量産部品における最初の使用は1985年。現行のランボルギーニ ムルシエラゴではカーボンファイバーが多く使用されており、そのボディーシェルには93kgのカーボンファイバーの構造材料が用いられている。またガヤルド スパイダーのエンジンカバーは、RTM (樹脂トランスファー 成形) テクノロジーと第一級の表面仕上げによるカーボンファイバーで、自動車の世界では最も大きなカーボンファイバーコンポーネントのひとつとなっている。

ACRC の機能

この新しいランボルギーニ先端複合材料研究センター [Advanced Composite Research Center(ACRC)] は、合わせて2,600 ㎡もの広さを有する二つの施設から成っている。技術者や専門家など30 名で構成されるチームは、ここでさまざまな形状やサイズの自動車コンポーネントの開発をおこなっている。また彼らはプロトタイプや、組み立て機械、生産機械の製作、そして最適化された生産技術の開発などにも取り組んでいる。大部分が自社開発の洗練されたシステムの数々は、技術者がおこなう製造工程のシミュレーションや複雑なカーボンファイバー構造のクラッシュテストなどのデータを、極めて高精度なレベルに引き上げている。

革新的技術にフォーカス

ACRC には、最新鋭の設備が整えられている。例えば、先端のテスト・計測機器などを備えた試験室や自動化された切断・成形装置、高温高圧状態にしてカーボンファイバー部品を堅牢にするいくつかのオートクレーブ装置などがある。しかし取組みは、むしろ 『オートクレーブによらない』 技術にフォーカスされている。たとえばカーボンファイバー構造を高圧で圧縮する樹脂トランスファー成形 (RTM) や、負圧を利用して樹脂をカーボンファイバーに押し込む真空RTM などがあげられる。

生産工程の飛躍的進歩

ランボルギーニACRC の専門家たちは、革新的技術の発明で、すでに大きな進歩を達成している。彼らは、今あるいくつかのメソッドの利点を組み合わせた新たな工法を開発した。 広範にわたって特許権を有する 『RTM light』 工法によってランボルギーニは、最低限の圧力と比較的低温で、高品質で精密、優れた表面仕上げのカーボンファイバーコンポーネントを製造することを可能とした。これらは、小さな部品から複雑な車両の構造体にまで利用される。加えて、この工法には、スピードアップ、コストの低減、そして極めて簡易な設備で製造できるという利点もある。

世界をリードする破壊シミュレーションの高度な専門的知見

カーボンファイバー素材にはいくつもの大きな利点がある。しかしながら、これらの利点を最大限に活かすためには、例えば破壊シミュレーションなどにおいて高度な専門技術が要求される。2007年、ランボルギーニ社はボーイング社とともに破壊分析研究プログラムを開始した。2009年には、ボーイング社やその他の米企業をパートナーとしてアウトモビリ ランボルギーニ先端複合材料構造研究所 [Automobili Lamborghini Advanced Composite Structures Laboratory (ACSL)] が、米・ワシントン大学に設立された。およそ20 名の科学者たちが、設備の整った研究所で、主として破壊/力学分析の分野で研究に取り組み、またサンタアガタ・ボロネーゼチームをサポートしている。これまでの研究成果はまさに世界で唯一のものであり、ランボルギーニのスーパースポーツカーの安全性能と品質向上のために大きな恩恵をもたらしている。

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