日産 GT-Rが、世界選手権初優勝

日産 GT-R

今年から始まったFIA GT1世界選手権の第2戦が、英国・シルバーストンサーキットで5月2日午後(現地時間)に決勝となるチャンピオンシップレースが行われ、Sumo Power GTのジェイミー・キャンベル・ウォルター/ウォレン・ヒューズ組(#22)が優勝。NISSAN GT-RにFIA GT1レースでの初勝利をもたらした。

レースは、フィニッシュの後に大きな波乱が待っていた。キャンベル・ウォルターとヒューズは、今日のレースを3位でフィニッシュしていた。しかし、2位でフィニッシュしたアストンマーチンに、ドライブスルー・ペナルティに入るまでに時間をかけ過ぎたことに対して15秒加算のタイムペナルティが与えられ、この時点で#22 GT-Rは2位に繰り上がった。さらにレース後の再車検で、トップでチェッカーフラッグを受けたアストンマーチンに車両規則違反が見つかり失格となった。このため、キャンベル・ウォルターとヒューズは、NISSAN GT-R参戦2戦目にして世界選手権の初優勝とシルバーストン戦の勝者の証である名誉ある「RACツーリストトロフィー」が贈られることとなった。このトロフィーには、スターリング・モス、タッツィオ・ヌボラーリ、グラハム・ヒルなどの往年の名ドライバーに並んで、ジェイミー・キャンベル・ウォルターとウォレン・ヒューズの名が刻まれる。

決勝レースを5番手グリッドからスタートしたヒューズは抜群の滑り出しを見せ、ただちに4位まで浮上。しかし、8番手グリッドの#23ミハエル・クルムは混戦の中、外側に押し出されてしまい、アクシデントを避けて9位に後退し上位進出を狙った。Swiss Racing TeamのNISSAN GT-Rもスタートで順位を落とし、#4荒聖治が14位、#3カール・ヴェンドリンガーが19位となった。2周目が終了したところで、出火してコースサイドにストップしたコルベットを引き上げる間、セーフティカーがコースに入って全車ペースダウンし隊列走行となった。その後セーフティカーが退き10周目までは、ヒューズが4位を堅守し、クルムは8位に浮上。荒とヴェンドリンガーも好調に周回を重ねた。

義務付けられているピットストップの時間帯に入る直前には、クルムがマセラティへのアタックを見せた。両車は好バトルを展開していたが、ここにコルベットが加わり混戦に。この絡み合いでクルムとコルベットは、コースアウトしてグラベルに突っ込んでしまい、そこでレースを終えた。クルムは、「レースが再開してから、マセラティといいバトルになった。コルベットが後ろにいたことは分かっていたが、僕はマセラティに集中していた。次に気づいた時はグラベルの中だった。マシンがとても速くなってきたところだったので、本当に残念」と語った。

予選まで厳しい展開に耐えていたSwiss Racing Teamだったが、チャンピオンシップレースでは#4 GT-Rの荒/ニルソン組がトップ10でのフィニッシュを果たした。ピットストップ直後、替わったヘンリ・モサーがこのコースの最高速ポイントでコースオフ。#3 Swiss Racing Nissan GT-Rは大きなダメージを負い、モサーは医療室へ運ばれた。「何が起こったのか、本当に分からない。ハンガーストレートの終わりで、他のクルマを抜こうとしていたら、突然スピンしてタイヤバリアの中へ入っていった。マシンが完璧だっただけに、とても悔しい。僕のスティントになってから集団の中にいたので、あのポイントまで混戦だった。それまではとてもスムーズに走れていたので、ガッカリ」と、無傷だったモサーは話した。

Swiss Racing Teamチームマネージャーのエリック・コルブは、「我々にとっては非常に厳しい週末となったが、それでも、セイジ(荒)とマックス(・ニルソン)のレースは、そう悪くはなかった。マックスは集団の中でコースに戻って早々にプレッシャーを受けることになったが、すぐにリズムを築いていいラップタイムを出し始めた。この厳しい流れの中で、彼がトップ10でフィニッシュしてくれてとてもよかった」

そして、NISSAN GT-RにFIA GT1初勝利をもたらしたヒューズは、「3位でも喜んでいたけど、優勝とは信じられない。実は記者会見の時にトロフィーを見つめながら、ここに自分の名前が入ったらいいだろうなと考えていた。だから最高のリザルトだ。タイトル争いを考えても素晴らしい結果だから、この勝利を心から喜んでいる」と語り、「英国人ドライバーのひとりとしてツーリストトロフィーを勝ち取ったこと、日産にFIA GT1初勝利をもたらしたひとりになれたことは、この上なく光栄なこと」と、キャンベル・ウォルターも歓びはひとしおの様子であった。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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