GM、政府融資の全額返済を完了
GMの会長兼CEO、エド・ウィッテカーは30日、米国財務省およびカナダ輸出金融公社に58億ドルの最終支払いを行い、当初の予定よりも早く政府融資を全額返済したことを発表した。
同発表は、ここカンザスシティにおいて、カンザス州のフェアファクス組み立て工場およびデトロイト・ハムトラミック組み立て工場に対する2億5,700万ドルの投資を祝す式典の場にて行われた。この投資により、フェアファクス工場には、シボレーの受賞歴のあるミッドサイズセダン「マリブ」の次世代モデルのための生産設備が整えられ、デトロイト・ハムトラミック工場も「マリブ」の第二の組み立て工場となる。これにより、シボレーは、人気セダン「マリブ」への市場の需要に確実に対応していけるようになる。
ウィッテカーは、「GMが予定よりも早く、納税者の皆様に、利子も含めた全額を返済することができたのは、『シボレー・マリブ』や『ビュイック・ラクロス』など、ここフェアファクスで生産している車を購入する消費者が増えているからだ。当社は今、これまで以上に優れた乗用車、トラックおよびクロスオーバーを生産しており、顧客もそのことに気がついている。販売店の売上は伸び、工場への投資は進み、GMは復活の途上にあり、雇用も創出している」と述べている。
米政府、カナダ政府およびオンタリオ州政府は、新生GMの設立にあたり、84億ドルの融資を提供し、同社の株式を取得した。30日に発表された58億ドル(米国財務省に47億ドル、カナダ輸出金融公社に11億カナダドル)の支払いをもって、融資返済が完了する。
ウィッテカーは、「GMが予定よりも早くこれらの融資を返済することができたことは、我々の計画がうまくいっていること、正しい軌道に乗っていることの表われである。また当社の株主らが保有株式を今後減らしていけるようにするための重要な一歩でもある。この先我々が懸命に取り組むべきことはまだたくさんあるが、GMは、世界一の車を設計し、構築し、販売するというビジョンに向かって前進している。納税者の皆様にはGMに与えてくださったご支援に感謝している。GMの素晴らしい新製品こそ、こうした支援が生んだ、目に見える結果である」と話している。
好調な売り上げが製造および雇用を後押し
シボレー、ビュイック、GMCおよびキャデラックの各新型モデルの売り上げは好調で、GMは拡大する消費者需要に応えるべく、着実に生産量を増大させている。
3月期のGM4ブランドの売り上げは、前年同期比36%増で、GM各ディーラーでは、シボレー「イクイノックス」「カマロ」「トラバース」、GMC「テレーン」「アカディア」、ビュイック「ラクロス」、キャデラック「SRX」など、新たに導入された乗用車およびクロスオーバーの供給が不足している。
フェアファクス工場では現在、売上好調なGMの2モデル「シボレー・マリブ」と「ビュイック・ラクロス」を生産している。今年の1月から3月までで、GMの北米の販売店は「マリブ」4万9,000台超、「ラクロス」1万4,000台超を納車した。これは前年同期比58%増を意味する。こうした力強い需要を受けて、フェアファクス工場では2月に、第3シフトとして約1,050人の雇用を追加創出し、雇用総数を3,800人超に拡大した。
フェアファクス工場は今後、「マリブ」の次世代モデルの主要供給源となる。現在「ビュイック・ルセーヌ」および「キャデラック・DTS」を生産しているデトロイト・ハムトラミック工場も、シボレーが確実に市場の需要に対応していけるよう、マリブ生産設備の導入が予定されている。
デトロイト・ハムトラミック工場は、今年販売が開始される航続距離延長型電気自動車「シボレー・ボルト」の生産も行う。同工場は3月31日、記念すべき重要な節目を迎えた。通常組み立てライン上にて「ボルト」の初の試作サンプルを構築したのである。
今回の「マリブ」関連の投資額の内訳は、フェアファクス工場に1億3,600万ドル、デトロイト・ハムトラミック工場に1億2,100万ドルとなっており、これには設備、機械・装置および工具などが含まれる。
昨年7月に新会社としてスタートして以来、GMは北米およびカナダにある20の施設に15億ドルを超える投資を行ってきた。これらの投資は、7,500超の雇用を回復または創出し、GMの将来、そして米国およびカナダに対する強いコミットメントを意味するものである。
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