SUPER GT開幕戦:近藤真彦率いるKONDOレーシングが2年連続で開幕戦を制す
2010年のSUPER GTが開幕。GT500クラスで近藤真彦率いるKONDOレーシングの「HIS ADVAN KONDO GT-R」(#24 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/安田裕信)が昨年の岡山国際サーキットでの優勝に続き、二年連続で開幕戦優勝を果たした。
決勝レースは、わずかに小雨がぱらつき、路面が滑りやすくなった中でスタート。1周目の130Rで、ポールスタートの#18 ウイダーHSV-010(小暮卓史)がコースアウトし、大きく順位を落とすなど、波乱の幕開けとなった。
前日の公式予選でクラッシュし、徹夜でマシンの修復を終えた「HIS ADVAN KONDO GT-R」は、これらの混乱を避けたオリベイラが、2周目には4位に浮上。その後、10周目に第1コーナーで発生したアクシデントによって5周のセイフティカーランがあり、レース再開後はふたたび雨がコースを濡らすなど、難しいコンディションが続いた。
その後は、#6「ENEOS SC430」、#1「PETRONAS TOM'S SC430」、#24「HIS ADVAN KONDO GT-R」がバトルを繰り広げ、各車がドライバー交代のためにピットインするレース中盤に#24 GT-Rが首位にたち、34周目に安田に交代するためピットインするまでリードを広げた。また、近藤真彦監督の指示でタイヤを交換せずにピットアウトした#24 GT-Rは首位のままコースに戻り、安田はその後18周にわたって安定したラップタイムを刻み、他を寄せつけることなく52周目のフィニッシュラインをトップで駆け抜けた。
GT300クラスは「M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7」(#7 谷口信輝/折目遼組)が優勝を果たした。
近藤真彦監督
「タイヤ無交換の戦略は、スタート前のミーティングで候補として上がっていました。朝のフリー走行で、ずいぶん周回数を重ねたタイヤで安田がいいタイムを出していたので、このタイヤは持つぞ、ということを感じていたんです。それはいい選択ではないのではという意見もありましたが、状況によっては無交換でいくこともあると、ドライバー二人にも伝えていました。それに、レース中タイヤ交換をしたチームのアウトラップが厳しそうに見えたので、無交換でいこう、と。JP(デ・オリベイラ)に聞いたら、絶対イケるとは言わないけれど、できなくはないよと言うので、無交換でいくことに決めました。何年も優勝できていないと涙も出るんでしょうが、さすがに4回目ともなると出ないですよね(笑)。今年のGT-Rはエンジンが変わり、クルマの組み立てなどを含めて、工場を出る前からメカニックはずーっと寝てないんです、(クラッシュの修理を要した)昨日だけじゃないんですよ。でも、これで報われました。予選後、(クラッシュした)JPはJPなりにヘコんでたんです。でも、“お前の良さは速さなんだから、それを失わずに攻めていってくれ”と言いました。そしたらアイツは“オレの気持ちはチェンジしないから大丈夫だ”って。だから、ほんとうに勝てて良かったと思います」
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ (#24 HIS ADVAN KONDO GT-R)
「昨日クラッシュしてクルマを壊していたので、なんとかリカバーしたいと思っていた。また、硬いタイヤを選んでいたので、序盤の滑りやすく温度が低い状態のときにコースにとどまるのが大変だったが、いいリザルトを残せて嬉しい。徹夜でクルマを直してくれたメカニック達に感謝したい」
安田裕信 (#24 HIS ADVAN KONDO GT-R)
「今朝のフリー走行でタイヤの状態が良かったので、近藤監督がタイヤ無交換でいけると判断して、それが功を奏しました。難しいコンディションの前半を良いポジションで切り抜け、タイヤをキープしてくれたJP(オリベイラ)の走りは尊敬に値すると思います。僕の受け持ち周回は、タイヤはもちろん、エンジンも、シャシーもよかったです。開幕戦で優勝できて本当にうれしいです」
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