2009 AUTOBACS SUPER GT第6戦、KRAFT SC430が初優勝
38th INTERNATIONAL Pokka GT SUMMER SPECIALの決勝レースが、8月23日、鈴鹿サーキット(三重県)で行われた。GT500クラスはNo.35 KRAFT SC430(石浦宏明/大嶋和也組)が優勝。GT300クラスはNo.46 エスロードMOLA Z(星野一樹/柳田真孝組)が優勝を果たした。
■GT500:初優勝らしからぬ完勝劇、KRAFT SC430
No.35 KRAFT SC430は前日の予選で初のポールポジションを獲得。その後もトップを守り、40周を過ぎる頃には2番手とのギャップは10秒以上に開く。
2位を走行中だったNo.8 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン)は、タイヤにスローパンクチャーを発生。85周目の1コーナーで完全にバーストして、マシン下部が路面に接触した火花がオイル系に引火して火災を起こし、コースサイドでストップした。
消火作業のためにセーフティカーが出動すると、このタイミングで各チームが3度目のピットインに動いたため、ピットレーンは大混乱に。No.36 PETRONAS TOM'S SC430が出火するなどのアクシデントもあったが、No.35はこの混乱に巻き込まれることなく最後のピット作業と大嶋への交代を済ませ、最後は2番手とのギャップを10秒余りに保ってフィニッシュを迎えた。
石浦、大嶋ともにGT500クラスは初優勝。クラフトの優勝は06年第3戦富士以来、2回目となる。
2位はNo.3 HASEMI TOMICA EBBRO GT-R(ロニー・クインタレッリ/安田裕信)。一時、No.8 ARTA NSXやNo.6 ENEOS SC430の先行を許すシーンはあったものの、電気系トラブルや出火でそれぞれ戦線を離脱。No.8 NSXの消火作業中に行なわれたピット作業では、No.36 PETRONAS TOM'S SC430の先行を許すが、95周目でNo.3安田がNo.36脇阪寿一をパス。その後はしっかりとポジションをキープして、第4戦セパンでの優勝に続く今季2度目の表彰台を得た。
3位はNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/リチャード・ライアン)。4番手グリッドから、序盤には一時ポジションを落とすシーンもあったが、レース半ばには4番手を回復。セーフティカー・ランの間のピット作業も無難にこなし、最後はライアンがNo.36脇阪が130RでGT300車両に接触した間隙をついて3番手に浮上。第2戦での優勝に続き、鈴鹿サーキットで今季2度目の表彰台を得た。
ランキングトップのNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ミハエル・クルム)は6位でフィニッシュ。5ポイントを追加し、トップの座を守った。
■GT300:大逆転でエスロードMOLA ZがPokka GT連覇
優勝したNo.46 エスロードMOLA Z(星野一樹/柳田真孝)は、決勝日朝のフリー走行で3番手タイムをマークするが、予選では14番手に低迷していた。決勝では、No.46 柳田真孝がスタートを担当。他車のピット作業のタイミングなど機をうかがい、義務づけられている3回のピットインを全チームが終えたところで、No.2 アップル・K-one・紫電(加藤寛規/吉本大樹)、No.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一)に続く3番手に浮上していた。
No.46 柳田は、85周目のカシオトライアングルでNo.43 高木をパスして2番手に浮上。その後、この3台はそれぞれ接近しながら互いに攻略しきれずにいたが、残り1周となったカシオトライアングルで、アウトラップでペースが遅かったGT500車両に引っかかってしまったNo.2 加藤を、No.46 柳田が攻略。ついにトップを奪うと、そのままフィニッシュを迎えた。
No.46 エスロードMOLA Z(星野一樹/柳田真孝)の優勝は今季初。チームおよび星野一樹の優勝は昨年のこのレース以来。柳田真孝のGT300クラス優勝は02年第3戦SUGO以来で、通算2勝目となる。
2位のNo.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一)は今季3度目の表彰台。15ポイントを加算し、シリーズランキングトップを奪った。
3位のNo.2 アップル・K-one・紫電(加藤寛規/吉本大樹)は、最終盤にペースの遅い車両に引っかからなければ…という悔しさが残る結果だが、11ポイントを加算し、加藤寛規がシリーズランキング2位に浮上している。
ここまでランキングトップだったNo.19 ウェッズスポーツIS350(織戸学/片岡龍也)は6位。トップの座はNo.43新田/高木組に譲ったものの、4ポイント差でランキング3位につけている。
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