新生クライスラー、最高経営責任者(CEO)はフィアットのセルジオ・マルキオンネCEOが兼務
クライスラーグループLLCとフィアット グループは本日、これまでに公表していたグローバル戦略提携案に関して、最終的な合意に達したと発表した。この提携により、世界規模で効果的な競争力を持つために必要なリソース、技術、および販売ネットワークを備えた「新生クライスラー」が誕生。新生クライスラーは直ちに業務を開始する。
提携の一環として、フィアットはクライスラーに小・中型車関連の最新技術、プラットフォーム、およびパワートレインを提供する。これにより、新生クライスラーの製品ラインアップは大幅に拡充され、環境対応車の提供も可能になる。また、フィアットはクライスラーに対しフィアット経営陣の事業再建に関する豊富な知識を供与するとともに、特に南米やロシアを中心とするフィアットの国際的な販売ネットワークも活用できるようにする。
旧クライスラーLLCは、ニューヨークの米連邦破産裁判所や各規制当局、ならびに独占禁止法監督機関により承認された条件に基づき、特定の負債や債務を除くほぼすべての資産を、新会社「クライスラーグループLLC」に正式に売却した。これを受け、フィアットの子会社が、新会社クライスラーグループの株式20%(完全希薄化後ベース)を保有。さらにフィアットは、新生クライスラーに技術、プラットフォーム、およびパワートレインを移転するために必要な一連の契約を締結。フィアットは、契約で定められた特定の行動計画が達成された時点で、新会社への出資比率を順次35%にまで拡大する予定だが、政府資金が完済されるまでは、クライスラーの株式の過半数を保有することはできない。
同様に、全米自動車労働組合退職者医療給付信託、VEBA(任意従業員福利厚生基金)が、新会社の株式を55%(完全希薄化後ベース)保有する。また、米国財務省およびカナダ政府も、新会社の株式を完全希薄化後ベースでそれぞれ8%、2%ずつ保有する。このような持分は、契約で定められた重要な課題が達成された場合、フィアットの株式持分を増加することができるという、予想されている株式の希釈化を考慮に入れたものである。
さらに、現在フィアットS.p.AでCEOを務めるセルジオ・マルキオンネ氏が新会社のCEOに就任するほか、新生クライスラーの取締役会は、フィアットより3名、米国政府より4名、カナダ政府より1名、および全米自動車労働組合退職者医療給付信託より1名の指名を受け、合計9人の取締役で構成される。取締役会は、新生クライスラーの会長としてロバート・キダー氏を指名する予定。残りの役員の決定作業も現在継続中であり、随時発表される予定となっている。
すでに発表している通り、クライスラーは、自動車金融製品およびサービスを北米(NAFTA)地域のディーラーおよび消費者へ提供するため、GMACファイナンシャル・サービスと契約を締結した。これに伴い、GMACファイナンシャル・サービスは、北米のクライスラー、ジープ、ダッジのディーラーによる新・中古車の卸売り業務、ならびに消費者向け小売業務における推奨ローン会社となる。
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