フェラーリ、3.9リッターV8ターボ搭載の「GTC4ルッソ T」パリモーターショーでワールドプレミア

フェラーリ GTC4ルッソ T

フェラーリの伝統的な4シーター V12 GT車輌のパフォーマンスを飛躍的に向上させた「GTC4 ルッソ」の成功に続き、プランシングホース(跳ね馬)初のV8エンジン搭載4シーター・モデル、「GTC4ルッソ T」がパリモーターショーで初披露された。

GTC4ルッソ Tに搭載されるパワーユニットは、3.9リットルV8ターボエンジン。最高出力は610cv/7,500rpm。最大トルク760Nmを3,000~5,250rpmという幅広い回転域で発生。このパワートレインと後輪駆動の組み合わせによって、車輌重量が軽減された。さらに4輪操舵を装備することで、俊敏さと応答性に磨きがかけられている。

リアホイール・ステアリング・システムは、最新のSCM-Eサスペンション電子制御システムであるESP9.0に加えて、第3世代サイドスリップ・コントロール(SSC3)とも統合されている。

エンジン

フェラーリ GTC4ルッソ T

GTC4ルッソ TのV8ターボエンジンは、伝統のフェラーリ製パワーユニット・クオリティを完全に維持している。切れ味鋭いシャープなレスポンス、溢れるパフォーマンス、速度域を問わないシームレスかつパワフルな加速、痛快なサウンドトラック、コンパクトなサイズ。シャシーに低く搭載されたエンジンがよりシャープな運動性能をもたらす。

このV8エンジンは、「2016年インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」を受賞した一連のエンジンの最新進化版。総排気量は3,855ccで、最高出力は610cv/7,500rpm、比出力158cv/lというコンパクトかつ高効率なこのエンジンは、同カテゴリー最高の数値を達成した。

燃料消費量の最適化を図る一方、アクセル操作に瞬時に反応し、パワフルな加速(3,000~5,250rpmという広い回転域で最大トルク760Nmを維持)を約束する。

このクラスをリードする性能は、燃焼室内の圧力を最大化させるべく採用した新ハイレジスタンス・アルミ合金製ピストンとコンロッドによって達成されました。エアインテーク・システムも刷新され、高圧および低圧エアダクトをより直線的として損失を最小限に抑えました。また、冷却性能を向上させた新型インタークーラーの採用で、流体力学的なロスも抑えている。

フェラーリV8エンジンの特徴となっている俊敏なスロットルレスポンスの実現には、フラットプレーン・クランクシャフト、コンパクトなツインスクロール・タービン、そして3ピース鋳造エグゾースト・マニホールド、ターボ・ハウジングといった革新的なデバイスが貢献。等長パイプ構成のエグゾースト・マニホールドは、タービン内の圧力波の最適化を促進させる。

フェラーリ GTC4ルッソ T

全回転域にわたって卓越したパフォーマンスを発揮するこの車輌の特性は、燃焼効率を最大化に向けて徹底的に研究した成果。特別な形状加工を施したハイタンブル・インテーク・マニホールドによって燃焼室への空気の流入を改善し、可変イグニッションとマルチスパーク機能を備えるイオンセンシングシステムが高負荷状態でもパーシャル状態でもエンジン回転域を問わず、燃焼を最適化。また、可変容量式オイルポンプによって機械効率の最適化も図られている。高圧でも低圧でもオイルを循環させるこのポンプは、従来型のポンプと比較してオイル循環に必要なエネルギーを最大30%低減。ローラーフィンガーフォロアー式のバルブトレーンもまた、低回転時のパワー損失を10%抑えた。

GTC4LussoTのV8エンジンで最も革新的な技術のひとつが、可変ブーストマネージメント。これは、選択されているギアごとに最適なトルクを発生させる制御ソフトウェアで、エンジンの回転上昇とともにパワフルになるピックアップと、最適な燃料消費をもたらす。

シフトアップと歩調を合わせて(3速~7速)エンジン・トルクは上昇し、7速で最大のトルク760Nmに到達する。同時に、このトルク・コントロールによって高めのギアのギア比を高く設定することが可能となった結果、燃料消費向上にも貢献する(現行ラインナップでは、V12エンジン・モデルよりも30%向上)。

最高品質を誇るフェラーリ伝統のサウンドトラックをGTC4LussoTも継承している。エンジン点火を同調させるフラットプレーン・クランクシャフトと、サウンドを調整する等長エグゾーストヘッダーに加えて、排気ラインには新たな大径サイレンサーを備えたセンター・セクションが追加された。

ビークルダイナミクス

フェラーリ GTC4ルッソ T

フェラーリのエンジニアは、GTC4LussoTにV8ターボエンジンと後輪駆動を採用すると決まった時、V12バージョンと同等のハンドリング特性を維持しつつ、よりスポーティーな感覚を際立たせるようビークルダイナミクスを再調整することを目標とした。

車輌総重量の軽量化、そして前後重量配分を46:54とリア寄りに設定することで、4WSとSCM-Eコントロールシステムに専用のセッティングを採用。これらの特別なビークルダイナミック・コントロールシステムによって、GTC4ルッソ Tは一層軽快かつロールを抑えた感覚をドライバーにもたらす。低速時の加速性能とフィーリングは、可変ブーストマネージメントによって強化された。

積極的なドライビング時には、4WSシステムの後輪ステアリングによって、フロントホイールと同じ方向に後輪をステアさせることで、コーナーの進入時も脱出時も、シャープなレスポンスでステアリングからの入力に応える。

磁性流体式SCM-Eダンパー・コントロール・システムは、GTC4Lussoと同型を搭載、これは最先端の制御アルゴリズム開発の結晶。GTC4ルッソ Tでは、新たに設定した車体の重量配分とサスペンション特性に合わせた制御モデルを採用。特に垂直周波数に対する感度をベースに、タイヤの接地面を最適化する。

フェラーリ GTC4ルッソ T

操作系では、フロントとリアのアクスル間の反応時間は6.5%短縮され、ステアリングホイールの操作量も2.5%削減された。GTC4Lussoと同様、後輪操舵システムによって、車輌の動きの予測と操作が簡単になり、限界域でのコントロール性を向上させる。

サイドスリップコントロール3.0(SSC3)は、GTC4LussoTの車体各部と車体制御系と連動することで、あらゆる状況下でもグリップコンディションに合わせて車輌の挙動を制御。SSC3は、車体各部に設置したセンサーとグリップ予測からの情報を元に、リアルタイムで横滑りを検知し、各システムに取るべき動きを伝達。車の挙動は、遭遇する様々な状況に合わせて、より精度を高め、正確にコントロールされるようになったことを意味する。

F1-TracとE-Diff電子ディファレンシャルの統合によって、左右後輪のトラクションとトルク伝達の最適化が図られた。また、ミディアムグリップ路面でのコントロール性も向上させている。

マネッティーノには5つ(Ice、Wet、Comfort、Sport、ESCOFF)の設定が用意されており、車体の構造と運動性能に加えて、後輪ステアリングとE-Diffのポテンシャルを際立たせる。

2つのシステムの複合効果により、エンジンからのトルクは効率的に左右後輪に分配され、複雑なグリップ路面における左右ホイールの、それぞれ異なるスリップ量をコントロールする。後輪ステアリングは、ヨー角の予測を容易にし、必要なステアリング操作の修正量と頻度を削減させ、ターンイン、コーナリング、コーナー脱出時までの全ての過程で威力を発揮する。

デザイン

V12バージョンは、ファストバックのようなシルエットを持つ、流れるような究極のラインとテーパー・シェイプを備えたシューティングブレーク・クーペだが、フェラーリのスタイリング・センターでデザインされたGTC4ルッソ Tもまた同様の革新性を維持。キャビンは、レザーの匠人の技のような洗練されたエレガンスと、特にインターフェイスで顕著なスポーティー・メタルおよびカーボンファイバー・パーツが見事に調和している。

GTC4ルッソ Tのユニークなデュアルコクピット構造は、ドライバーだけではなく、パッセンジャーにもドラインビング・エクスペリエンスを存分に味わってもらうためにデザインされた。最新バージョンとなったインフォテインメントシステムには、10.25インチのHDタッチスクリーンが搭載されている。

オプションとして、V8モデル専用に開発したダイナミックなデザインのテールパイプと20インチ鍛造ホイールが用意されている。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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