【MotoGP 第11戦】初優勝まで苦節6年!クラッチローがチェコGPを制す!「タイヤ選択が正しかった」

MotoGP 第11戦 チェコGP(2016)/決勝

オーストリアGPからの連戦となった『MotoGP 第11戦 チェコGP』は、カル・クラッチロー(LCR Honda)が、念願のMotoGP初優勝を達成した。前日の快晴から一転、雨のレースになり、前後にハードレインを選択したクラッチローが、雨量が少なくなった後半にペースを上げてライバルを圧倒。2位にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、3位にはマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が入った。

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ホンダレースレポート

MotoGP 第11戦 チェコGP(2016)/決勝
MotoGP 第11戦 チェコGP(2016)/予選MotoGP 第11戦 チェコGP(2016)/決勝

予選10番手からオープニングラップは15番手。序盤の5周は全くグリップしなかったというクラッチローは、ペースが上がらずポジションを落とした。しかし、4周目に14番手、5周目に13番手、7周目に12番手、8周目に9番手とポジションを上げていく。

さらに、ラインが乾き始めると、10周目に6番手、11周目に5番手、12周目にマルケスを抜いて4番手へ。そして、14周目にエクトル・バルベラ(ドゥカティ)とスコット・レディング(ドゥカティ)をかわして2番手に浮上すると、16周目にアンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)をパスしてトップに浮上。それから後続を一気に引き離し、22周のレースで真っ先にチェッカーを受けた。

最高峰クラスへの挑戦開始から6年、バリー・シーンが1981年のスウェーデンGPで優勝して以来、35年ぶりに英国人選手が最高峰クラスで優勝した。

MotoGP 第11戦 チェコGP(2016)/決勝
MotoGP 第11戦 チェコGP(2016)/決勝MotoGP 第11戦 チェコGP(2016)/決勝

前後はソフトレインを選択、オープニングラップでトップに浮上したマルケスは、前半は、チャンピオンシップを戦うホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)とロッシのポジションを確認しながら、4番手から5番手を走行。

中盤に入ると、ハードレインを選択した選手たちのペースが上がる中で、ソフトを選択したマルケスは、タイヤを温存するため我慢の走りに転じた。そして、終盤になると一気にペースアップ。ラスト3周で3番手に浮上すると、今季9度目の表彰台を獲得した。

マルケスは、今季5度目、通算63度目のポールポジション(PP)を獲得し、今大会の優勝候補の筆頭となっていた。しかし、レースウイークで初のウエットコンディションとなった決勝では、チャンピオンシップを最優先に考え、慎重に走ることを選んだ。その結果、現在ポイントリーダーのマルケスは今大会2位になり、総合2位に浮上したロッシに53点差、今大会17位でノーポイント、総合3位にダウンのロレンソに59点差をつけて、後半戦のスタートとなった2連戦を締めくくっている。

MotoGP 第11戦 チェコGP(2016)/決勝
MotoGP 第11戦 チェコGP(2016)/フリー走行

予選20番手から決勝に挑んだティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、序盤はペースが上がらず20番手を走行したが、リアにハードレインを選択したことから後半になってペースアップ。次第に順位を上げて、最終的に10位でフィニッシュした。

予選9番手から決勝に挑んだダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、ウエットコンディションでも苦戦。ペースが上がらず12位となった。

各コメント

▼カル・クラッチロー(MotoGP 優勝)

「初優勝まで6年かかりました。とても長い時間でしたが、もう過去のことです。こうしたレースはすでに何回かあったし、優勝できると信じていました。そして優勝してみると、本当にすばらしく最高の気分でした。今日はグリッドでハードレインを選択することを決めました。しかし、最初の5周ほどは左側が温まらず、その左側を温めるために厳しい走りを要求されました。しかし、次第に路面が乾き始め、自分のタイヤ選択が正しかったことを知りました。昨日のフリー走行で転倒し、マシンを全損しているので、チームとHondaに謝らなければなりませんでした。そして、夜遅くまでスタッフが働いてくれたおかげで、こうして優勝できたし、彼らに感謝しなければいけません。これからも、こういうレースが来る日を願っています。」

▼マルク・マルケス(MotoGP 3位)

「なによりも大事なチャンピオンシップを考えれば、3位になれたし、総合首位の座をキープでき、とてもハッピーです。バレンティーノ(ロッシ)には4ポイント縮められましたが、ホルヘ(ロレンソ)はノーポイントでした。今大会は、ドライ、ウエットともにいい走りができました。それもうれしいことです。今年は、ここまで一生懸命働いてきたし、確実に前進してきました。とてもいいシーズンとなっています。今日のベストなタイヤ選択は前後ハードレインでした。しかし、路面がもっとすぐに乾くと思っていたし、きっとフラッグ・トゥ・フラッグになると思っていました。しかし、なかなか路面が乾かず、10ラップを終えたときに、タイヤをセーブする作戦に切り替えました。カルとバレンティーノは自分よりもペースが速かったし、ほかの選手との戦いに集中し、終盤にペースを上げて、表彰台に立てました。」

▼ティト・ラバト(MotoGP 10位)

「今週はドライコンディションでとても苦戦しました。それを思えば、今日の10位はとてもすばらしいものです。序盤は不安定なコンディションで、前のグループについていけませんでした。厳しい走りを要求されましたが、状況をしっかり見極めようと集中しました。そのうちコースが乾き始め、自分が選択したタイヤが機能し始めました。ラスト2周で10位に上がり、チェッカーを受けました。ドライコンディションでは、ほかのライダーと同じように走ろうと、かなり無理をしています。明日は、RC213Vを理解するためのテストに取り組みたいです。」

▼ダニ・ペドロサ(MotoGP 12位)

「残念な一日でした。ウエットコンディションのレースになりましたが、いつものようなレインコンディションのフィーリングにはなりませんでした。第8戦オランダGPのあと、フロントのレインが変わり、とても苦労しました。今日の最大の問題は、ブレーキングのときにホイールがロックすることでした。そのため、フロントブレーキをうまく使えず、エンジンブレーキを多用しなければなりませんでした。今日のペースは明らかに遅く、チャンスはありませんでした。しかし、引き続き全力で、ドライとウエットの改善に努めます。」

リザルト

(1)#35 C.クラッチロー (ホンダ)

(2)#46 V.ロッシ (ヤマハ)

(3)#93 M.マルケス (ホンダ)

(4)#76 L.バズ (ドゥカティ)

(5)#8 H.バルベラ (ドゥカティ)

(6)#50 E.ラバティ (ドゥカティ)

(7)#9 D.ペトルッチ (ドゥカティ)

(8)#29 A.イアンノーネ (ドゥカティ)

(9)#25 M.ビニャーレス(スズキ)

(10)#53 T.ラバト (ホンダ)

(11)#68 Y.エルナンデス (ドゥカティ)

(12)#26 D.ペドロサ (ホンダ)

(13)#44 P.エスパルガロ (ヤマハ)

(14)#6 S.ブラドル (アプリリア)

(15)#45 S.レディング (ドゥカティ)

(16)#19 A.バウティスタ (アプリリア)

(17)#99 J.ロレンソ (ヤマハ)

(-)#4 A.ドビジオーゾ (ドゥカティ)

(-)#38 B.スミス (ヤマハ)

(-)#41 A.エスパルガロ (スズキ)

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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