SUBARU BRZ GT300が2戦連続3位表彰台!【スーパーGT 第5戦 スバルレポート】

SUBARU BRZ GT300

富士スピードウェイで8月6日(土)~7日(日)に開催されたSUPER GT第5戦「FUJI GT 300km RACE」にて、SUBARU BRZ GT300(井口卓人/山内英輝)は4番グリッドからスタートし、3位表彰台を獲得した。第4戦スポーツランドSUGOに続く2戦連続の3位表彰台に、チームは確かな手応えを感じている。

8月6日 予選

SUBARU BRZ GT300
SUBARU BRZ GT300

SUBARU BRZ GT300は、6日(土)午前に行われた公式練習でGT300クラスの12番手タイムを記録した。公式練習は気温30℃、路面温度36℃という状況で、8時50分からスタート。しかしその直後、井口が駆るSUBARU BRZ GT300はダンロップコーナー0でストップ。原因は電気系トラブルだったが大きな問題にはならず、その後は順調に走行を重ねて1分39秒159というタイムを記録し、クラス12番手に名を連ねた。

チーム総監督の辰己英治は公式練習での走りについて、「前車に引っかかった部分もありタイムが出せませんでしたが、1分38秒台には入れていたという感触です。ぶっちぎりで勝ちに行けるかというと、さすがに厳しいかなというのが実感ですが、長めに周回しても39秒台をキープできていますので、感触は悪くないと思います」と、手応えを語った。

また、規定変更の影響について辰己は「影響は当然ありますが、それを補うようなセッティングとしています。スペーサーで足された5mm分まるまる車高を上げなくても、最小限でなんとかなりそうです。ただ、縁石をまたぐ走りはむずかしい。特にAコーナーの出口とプリウスは気をつけなければなりません。走行ラインを考えなければならないという意味では影響は受けていますね。そのマイナスをどう最小限に抑えるかというところです」とコメント。ドライバーふたりも規定変更の影響については感じているものの、チームがバランスのいいマシンを作ってくれたおかげできっちり走れていると口をそろえていた。

ロングスティントの安定感を活かした作戦を

SUBARU BRZ GT300
SUBARU BRZ GT300

Q1セッションは14時25分からスタートした。担当は山内。スタート時点で気温は33℃、路面温度は48℃に上昇しており、真夏の暑さのなか各車が次々にコースイン。走行間隔を見極めてアタックを行った山内は1分38秒359をマークし、GT300クラスの暫定4番手に。このタイムが予選Q1タイムとなり、SUBARU BRZ GT300は7番手でQ1セッションを通過した。山内は予選セッションを振り返り、「ニュータイヤを履いたQ1ではイメージとバランスが違っていましたが、タイムはQ1通過には十分でしたし、井口選手のセットアップに活きたのではないかと思います。井口選手はいいアタックを見せてくれましたし、自分も刺激を受けますね。もっともっと速く走れるように、チームのみんなと話をして、明日に備えたいと思っています」とコメントした。

15時16分にスタートしたQ2セッションは井口がドライブ。路面温度は50℃にまで上昇していた。Q1セッションでの問題点は山内のコメントによって解消され、井口は1分37秒979を記録し、SUBARU BRZ GT300は4番グリッドから決勝で上位を目指すこととなった。 「今日は最初にトラブルがありましたが、走り始めてからは順調でした。Q1後の山内選手のコメントも的確で、Q2までにかなり問題点は解消されていました。セクター1でのタイム差を考えればいい結果ですね。今日はけっこう出し切れたのではないかと思います。スタート直後は苦しいレースになるかもしれませんが、作戦面などチームとしっかり悩んで、結論を導き出せればいい結果につながるのではないかと期待しています」と井口は述べた。

辰己は、「やはりここ一発のタイムはもう少しほしいですね。ただ、もともとそれほど遅いとは思っていませんし、それなりにやることはやっています。気温・路温が高かったので、もっと固いタイヤを使わなければダメかなと思ったのですが、安定したラップを刻めましたし、タイヤについては心配していません。もちろん予選上位を獲ることに越したことはありませんが、決勝でトップを狙いに行ける位置だと思います。決勝レースに向けては色々と考えています」と、すでに決勝に向けての模索を始めていた。

8月7日 決勝

SUBARU BRZ GT300
SUBARU BRZ GT300

9時からスタートしたフリー走行は晴天に恵まれ、気温28℃、路面温度36℃という状況のもと行われた。30分間のセッションでふたりのドライバーは計16周をこなし、チームはこのセッションで決勝レースに向けた仕様のチェックを行った。スタートドライバーを務める井口が最初にコースインし、1分40秒054というタイムを記録。山内は1分39秒312というタイムでGT300クラス3番手となった。

決勝レースは、1コーナーから最終コーナーへ向かい風が吹くコンディションで14時42分にスタート。スタートドライバーを務めた井口は、スタート直後の1コーナーで後続車に並びかけられるが、これをしのぎ4番手のポジションをキープする。井口は3周目のダンロップコーナーで先行車をアウト側から抜き3番手に浮上、その後も好ペースで後続を引き離しつつ、前を行くライバルの約1秒差まで迫る。しかしセーフティカーの導入を経て追いつくには至らず、28周目に山内に交代した。

後を受けた山内は13番手でコースに復帰。安定したラップを刻みながら、次々とピットに入るライバルを横目に順位を上げていく。42周目の段階で3番手までポジションを戻し、一時はGT300クラス首位と2番手のマシンを視界に捉えるまでに接近する。しかしタイヤに厳しい部分もあり、それ以上のペースアップは難しく、ポジションを守って3位でフィニッシュした。これによりチームは2戦連続で3位表彰台を獲得、調子を上げて得意とする次戦鈴鹿サーキットに挑む。

マシンの進化を実感した今回の一戦

SUBARU BRZ GT300
SUBARU BRZ GT300

前半を担当した井口は、「菅生は苦しいレースでしたが、今回は非常にいい流れで走れたと思います。ライバルを押さえたり抜いたり、走っていてレベルが上がったことを実感できました。特に早い段階で3番手に浮上できたことは、今回のターニングポイントでしたね。スタートからすごく気持ちを入れて臨みました。それに山内選手もタイヤが辛いなかで、最後までプッシュしてくれました。次の鈴鹿まで集中力を切らさず、準備してきた成果を発揮して優勝したいと思っています」とレースを振り返った。

「菅生に続いて富士でも表彰台を獲れたことは、チームとして成長している部分だと思います」と語る山内。「もっとマシン(のセッティング)を詰めていけていたら、最後までいいバトルができたのではないかなと。その部分では悔しいですね。ただ、ブレーキング性能やコーナリング性能がレベルアップしているからこそ、ここまでの戦いができたのかなと思います。次戦はシンプルに、“勝つ"という気持ちで走ります」と、課題も見据えながら力強いコメントを残した。

チーム総監督を務める辰己英治は、「優勝したかったですが、苦手と思われている富士で最低限の結果を獲れた点は良かったです。ドライバーもチームも含めて、いいクルマを仕上げられたことは大きいのではないかと思いますね。ただ、勝てる力はあったはずなのに、タイヤ戦略なども含め、勝たせられなかったのは私の決断の甘さもあるかもしれません。次の鈴鹿では勝つことを考えたいですね。クルマはウェイトハンデを積んでも、その不利を吸収できるポテンシャルを持っていると思います。鈴鹿ではどういう戦略が採れるのか、この2週間検証して臨みます」と、さらに気を引き締めて次戦に向かう決意を語った。

次戦は8月27日(土)・28日(日)に鈴鹿サーキット(三重県)で開催されるSUPER GT第6戦「 45TH INTERNATIONAL SUZUKA 1000km」。SUBARU BRZ GT300は昨年の同大会で3位表彰台を獲得しており、念願の優勝に期待がかかる。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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