レース後半の猛追でTOYOTA PRIUS apr GTが今シーズン初勝利!【スーパーGT第4戦 GT300クラス】

スーパーGT第4戦SUGO GT300クラス
スーパーGT第4戦SUGO GT300クラス

2016 AUTOBACS SUPER GT第4戦「SUGO GT 300km RACE」の決勝レースが7月24日にスポーツランドSUGO(宮城県)で行なわれ、GT300クラスはNo.31 TOYOTA PRIUS apr GTの嵯峨宏紀選手/中山雄一選手組が優勝した。

朝のフリー走行では、前夜の雨の影響からコースはウエット。だが、決勝レースを前にほぼ乾き、全車がドライ用のスリックタイヤを装着してグリッドに整列した。なお、スターティンググリッドに並べなかったNo.50 ODYSSEY SLS(久保凜太郎選手)は、ピットスタートとなった。

宮城県警の警察車両の先導によるパレードラップ、そしてセーフティカーの先導によるフォーメーションラップを終え、午後2時6分にレースがスタートした。

ポールポジションのNo.25 VivaC 86 MC(土屋武士選手)は、その位置をキープして1コーナーを通過。素晴らしいダッシュを見せたNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(山内英輝選手)が予選3位から2番手に浮上、そのあとにはNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀選手)が続いた。レース序盤はこの3台がトップグループを形成し、やや離されてNo.11 GAINER TANAX AMG GT3(ビヨン・ビルドハイム選手)、No.18 UPGARAGE BANDOH 86(中山友貴選手)が走る展開となる。

一方、後方のグループではスタート直後の1コーナーで押し出されたNo.65 LEON CVSTOS AMG-GT(黒澤治樹選手)がほぼ最後尾までポジションダウン。11番手、15番手スタートのNo.2 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂選手)とNo.0 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート選手)もスピンして大きく出遅れた。

クラスの先頭を行く25号車は、2番手の61号車との間隔を徐々に開いていく。一方、3番手の31号車は11号車に詰められ、24周目にポジションを明け渡す。レースが大きく動くことになったのは25周目。最終コーナーでNo.5 マッハ車検 MC86(山下潤一郎選手)がクラッシュ。この対応のため、セーフティカー(SC)がコースイン。レギュレーションの改定により、今シーズンはSCが入ったタイミングでのピットインは禁止されており、しかもルーティンピットにはまだタイミングとして早いために、ここでは大きな混乱はなかった。ただ、トップを行く25号車は8秒近く稼いだマージンを失うことになった。

スーパーGT第4戦SUGO GT300クラス
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GT300クラストップが30周でレースが再開。ここから先、早めのピットインか、燃料が軽くなったマシンでペースを上げるか、各チームの作戦が分かれる。ピット入り口がオープンした29周目に共に早めに入ったのは、4位下がったNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(中山雄一選手に交代)、7位のNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMG(片岡龍也選手から谷口信輝選手)が先陣を切る。次の周には2位を走っていたNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人選手に交代)がピットインした。

トップのNo.25 VivaC 86 MCも31周にピットイン。松井孝允選手に交代してタイヤは左側2輪のみを交換。これでトップに立ったNo.11 GAINER TANAX AMG GT3はビルドハイム選手が38周目まで引っ張り、平中克幸選手と交替する。

上位陣がピットインを終えると実質のトップに立ったのは、No.88 マネパ ランボルギーニ GT3。平峰一貴選手が46周まで引っ張った後に織戸学選手と交替するが、何とタイヤは無交換でピット時間を稼いだ。

88号車は、追うNo.18 UPGARAGE BANDOH 86(山田真之亮選手)に対し、7秒近いマージンを得ていたが、織戸選手ががんばるもののタイヤの消耗もあって徐々に差は詰まっていく。ただGTルーキーの山田選手のペースもあまり良くなく、No.25 VivaC 86 MC(松井選手)、No.31 TOYOTA PRIUS apr GT(中山選手)に相次いで抜かれてしまう。

これでトップ争いは88号車、25号車、31号車に絞られる。60周目には3台は一団となり、激しいデッドヒートに。そこで88号車を攻める25号車の間隙を突いて、62周目のハイポイントで31号車の中山選手が2番手を奪ってみせる。この勢いで31号車は次の周には88号車も抜いて、ついにトップに上がった。88号車は65周目には25号車にも抜かれ、その後はタイヤが限界だったか、ズルズルとさらにポジションを下げてしまった。

2番手に上がった25号車だったが、すでにトップの31号車は3秒以上先行。追うどころか、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口選手)に迫られる。さらに1秒ほどの後ろにはNo.11 GAINER TANAX AMG GT3(平中選手)も近づいていた。

そんな状況の中、8番手までポジションを落としていたNo.18 UPGARAGE BANDOH 86(山田選手)が71周目の最終コーナーでクラッシュして、フロントを大きく壊す。ドライバーはすぐマシンを降りたが、タイヤバリアが損傷したため、レース自体の安全を考えて赤旗が提示され、レースは残り6周で中断。そして、結局、そのまま終了となった。なお、競技規定によって中断の1周前の順位が最終結果となった。

これで、No.31 TOYOTA PRIUS apr GTが今季初勝利。2、3位はNo.25 VivaC 86 MC、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT。4位は61号車の背後まで迫っていたNo.11 GAINER TANAX AMG GT3。前戦優勝のNo.3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹選手からヤン・マーテンボロー選手)は予選こそ21位と出遅れたが、決勝では好走を見せて5位に入った。

GT500 リザルト

スーパーGT第4戦SUGO GT300クラス

1位 #31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨 宏紀 / 中山 雄一)

2位 #25 VivaC 86 MC(土屋 武士 / 松井 孝允)

3位 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口 卓人 / 山内 英輝)

4位 #11 GAINER TANAX AMG GT3(平中 克幸 / ビヨン・ビルドハイム)

5位 #3 B-MAX NDDP GT-R(星野 一樹 / ヤン・マーデンボロー)

6位 #88 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸 学 / 平峰 一貴)

7位 #4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口 信輝 / 片岡 龍也)

8位 #18 UPGARAGE BANDOH 86(中山 友貴 / 山田 真之亮)

9位 #51 JMS LMcorsa 488 GT3(都筑 晶裕 / 新田 守男)

10位 #7 Studie BMW M6(ヨルグ・ミューラー / 荒 聖治)

11位 #0 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート / 富田 竜一郎)

12位 #360 RUNUP Group&DOES GT-R(柴田 優作 / 清原 章太)

13位 #9 GULF NAC PORSCHE 911(阪口 良平 / 吉田 広樹)

14位 #33 Excellence Porsche(山野 直也 / ティム・ベルグマイスター)

15位 #63 DIRECTION 108 HURACAN(エイドリアン・ザウグ / 横溝 直輝)

16位 #65 LEON CVSTOS AMG-GT(黒澤 治樹 / 蒲生 尚弥)

17位 #48 DIJON Racing GT-R(高森 博士 / 青木 孝行)

18位 #30 TOYOTA PRIUS apr GT(永井 宏明 / 佐々木 孝太)

19位 #26 TAISAN SARD FJ AUDI R8(密山 祥吾 / 元嶋 佑弥)

20位 #22 アールキューズ SLS AMG GT3(和田 久 / 城内 政樹)

21位 #111 エヴァRT初号機 Rn-s AMG GT(植田 正幸 / 鶴田 和弥)

22位 #87 triple a ランボルギーニ GT3(細川 慎弥 / 佐藤 公哉)

23位 #2 シンティアム・アップル・ロータス(高橋 一穂 加藤 寛規)

- #60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(飯田 章 / 吉本 大樹)

- #50 ODYSSEY SLS(安岡 秀徒 / 久保 凜太郎)

- #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン / 藤井 誠暢)

- #55 ARTA BMW M6 GT3(高木 真一 / 小林 崇志)

- #5 マッハ車検 MC86(山下 潤一郎 影山 正美)

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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