【ル・マン24 プレビュー】過去13回の優勝を誇るアウディ「ポルシェもトヨタも手強い存在」

アウディ:プレビュー

ル・マン24 TEST DAY(2016)アウディ

6月18日15時(日本時間22時)にスタートする今年の「ル・マン24時間レース」は、アウディが経験したことのない、厳しい条件での闘いが予想される。

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アウディは1999年の初参戦から18回目となる今年のル・マン24時間レースを、過去最も少ない燃料で闘わなければならない。これは、あらゆる競合チームよりも少ない量であり、特別規則によって定められたもの。非常に厳しい条件を課せられた「Audi R18」だが、その優れた燃費性能を大きな武器にして、総合優勝獲得を目指す。今年の24時間レースは、これまでに13回の優勝を獲得してきたアウディにとって、最も厳しいレースになると思われる。

ル・マン24 TEST DAY(2016)アウディ
WEC 第2戦 スパ・フランコルシャン6時間/「Audi R18」WEC 第2戦 スパ・フランコルシャン6時間/「Audi R18」

今シーズンのライバル勢のポルシェとトヨタは、これまでになく強力な存在として、アウディの前に立ちはだかっている。しかし、WEC(2016)第2戦のスパ フランコルシャン大会では、ルーカス ディ グラッシ選手/ロイック デュバル選手/オリバー ジャービス選手組が優勝を獲得。さらに6月5日に行われたル・マンの公開テストでは、ディ グラッシ選手がベストタイムを記録している。

アウディモータースポーツ代表のウォルフガング ウルリッヒ氏は「今年のFIA世界耐久選手権(WEC)に出場している競合チームが、すべて非常に手強い存在であることを、我々は充分に理解しています。つまり第2戦での優勝や公開テストでの結果から、ル・マンでの闘いを楽観的に予測するのは早計だと考えています。我々は強力なライバル達に対しベストを尽くし、レースに臨みます」とコメントした。

ル・マン24 TEST DAY(2016)アウディ

ハイブリッドレーシングカーを擁して総合優勝獲得を狙うマニュファクチャラーの、アウディ、ポルシェ、トヨタの3チームはすべて、WEC(世界耐久選手権)で充分な経験を積んでいる。しかし、ル・マンのシチュエーションは、シルバーストーン(イギリス)やスパ(ベルギー)とは大きく異なる。

全長13.629kmにおよぶコースは、普段は一般公道として使用されており、レース用コースとなるのは公開テストとレース本番の時に限られている。わずかな機会しか与えられていないにも関わらず、ルーカス ディ グラッシ選手は、公開テストで平均速度244km/hものラップタイムを記録した。アウディはル・マンを非常に空気抵抗の少ない特別仕様のマシンで闘いタイトル奪還を目指す。

ル・マン24 TEST DAY(2016)アウディ

レースが24時間であることも、通常のWECシリーズと大きく異なる。その過酷な状況を鑑み、レース結果に応じてチームに与えられるポイントも、通常シリーズの2倍。この“マラソンレース”は、文句なく世界で最も過酷な耐久レースだと言える。

アウディは、2014年のマルセル ファスラー選手/アンドレ ロッテラー選手/ブノワ トレルイエ選手組を含み、これまでに13回もの優勝を獲得し、1923年から続く伝統のレースの、最多優勝獲得記録の第2位にランクしている。今年のアウディは、ファスラー選手/ロッテラー選手 /トレルイエ選手組が7号車、グラッシ選手/デュバル選手/ジャービス選手組が8号車で参戦する。

ル・マンで勝利することはある意味、将来の成功を意味する?

2014年ル・マン24を制したアウディ

アウディは、燃費性能に優れたディーゼルハイブリッドシステムを擁する唯一のチームである。2006年のル・マンでディーゼルエンジン搭載車として初の優勝獲得後も、TDIディーゼルエンジンでの参戦を続けており、今日までに8回の優勝を獲得のみならず、2010年には総走行距離の新記録を樹立した。この記録は未だ破られていない。

TDIエンジンは、今日までの間に進化を続けてきた。2006年に「Audi R10」に搭載されたTDIエンジンは、V型12気筒5.5リッターだったが、現在の「Audi R18」に搭載のエンジンは、V型6気筒4リッターで、初年度モデルに比べて燃料消費量が46.3パーセントも減少しているにも関わらず、逆にラップタイムは向上している。

ル・マン24 TEST DAY(2016)アウディ

アウディは、進化を遂げたエンジンだけに留まらず、従来型エンジンでリヤアクスルを駆動しつつフロントアクスルを電力で駆動するハイブリッドシステム、最新鋭のエアロダイナミクス、完璧な軽量化、革新的なサスペンション機構、あらゆる部分で実現可能な限りの高効率化、そして先駆者でありつづける最先端ライティング技術などを、ル・マンで闘うマシンに盛り込んでいる。

これにより、アウディにとってのル・マン24時間レースは、今日から未来にかけて実現しうる、あらゆる技術を鍛える格好の実験室でもあり、将来のアウディカスタマーに提供する技術を生み出す場となっている。

ル・マンで勝利することはある意味、将来の成功を意味するのかもしれない。

ル・マン24 TEST DAY(2016)アウディ

ル・マン24時間レースの模様は、ユーロスポーツにて世界中に放映される。ユーロスポーツは、現地時刻6月18日の14:15からのレース直前レポート、練習走行、予選、ウォームアップなど、レースを余す所なく伝える。レース開始15時の名誉スターターに、今年は映画俳優のブラッド ピット氏が任命された。

また、アウディが独自にレポートを配信するフェイスブック(Audi Sport)とツイッター(@audisport)にも注目だ。さらに、アウディのウェブサイトwww.audi-motorsport.comでは、テレメトリーデータも表示されるオンボード映像をはじめとする多彩な情報を提供するとのこと。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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