2008/11/7 19:36
ホンダ、「 歩行アシスト 」 試作機を発表
ホンダは、同社が研究している歩行アシスト技術を使用した試作機について、11/7(金)に説明会を開催した。
ホンダで有名な歩行技術といえば、二足歩行ロボットの「 ASIMO アシモ 」 だ。
ホンダは1986年に 「 基礎技術開発センター 」 を発足、二足歩行ロボットでは、1996年に 「 P2 」 を世界に先駆け発表、2000年には当時の最先端技術を駆使した人間型ロボット 「 ASIMO 」 を発表して世界中から注目の的となったことはあまりにも有名。
ホンダは、ASIMO アシモ など、歩行研究から得られた技術を元に 「 人の歩行をサポート 」 する技術を研究してきた。今回発表されたのは、脚力が低下した人の歩行をアシストする 「 リズム歩行アシスト 」 と、腰にかかる負担を低減する 「 体重指示型歩行アシスト 」 という2つの試作機。
リズム歩行アシスト
「 リズム歩行アシスト 」は、腰と大腿に装着することで、太ももを前に振り出す時や後ろに蹴り出す時に、モーターと直結したフレームが脚に力を伝える。非装着時と比べて歩幅を広げて歩調を調整することで、「 楽に、速く、遠くまで歩くこと 」 を可能としている。
同説明会において、実際に試作機が装着可能であったため試着した感想としては、歩き出す時に自然と太ももが前へ前へと押し出されるので、とても楽に歩行ができる。
体重が何割か軽くなったのでは、と思ってしまう程ウォーキングが軽いのだ。機器は2.8kgを腰に下げるので若干重たい印象があったが、歩くときには機器の重さを煩わしく思うことは無かった。
ホンダでは、「 リズム歩行アシスト 」を高齢者の歩行支援や、リハビリテーションなどに活用していきたい、と語っている。
体重指示型歩行アシスト
「 体重指示型歩行アシスト 」は、体重の一部を支えることができ、脚の筋肉と関節の負担を軽減するもの。シートとフレームが体と脚の動きに追従する独自の機構を開発、歩行や階段昇降、中腰など様々な動作・姿勢でのアシストを可能としている。
こちらも試作機の装着を実際に行ったが、中腰の姿勢ではバネの入ったイスに座っているような感覚で、中腰であるにも関わらず腰への負担は感じることが無い。
姿勢を低くすればするほどサポートの力は強くなるのでかなり低い体制でもとても安定しており疲れも感じない。
「 体重指示型歩行アシスト 」は、産業分野での中腰作業や配達作業、生活面での階段、坂道の移動などに今後利用していきたいとの事。
同機器は、実際の有効性を検証する為、今月より同社埼玉製作所にて使用検証を開始しており、実用化に向けてさらに研究を進めてゆく。