2006/10/23 11:59
【F1 最終戦】トヨタ、最終戦を完走で飾れず
ブラジルGP決勝レースでトヨタは、好グリッドから上位を狙うが、リアサスペンション不調から序盤戦で惜しくも戦線離脱。2台共に完走ならず。
■コメント
ヤルノ・トゥルーリ (リタイア) 「リアサスペンションの中枢部分に問題を抱えてしまった。“TF106B”は大きく跳ね回り、完全にコントロールすることが出来なくなってしまった。恐らく路面の凹凸の激しいインテルラゴス・サーキットだからこそより一層悪くなったのだろう。強力にレースを戦っていただけに本当に残念だ。セーフティカー導入の後、タイヤ温度の上昇と共に、K.ライコネンにアタックしていた。この週末、私の“TF106B”は極めて速く、今日は良い戦略を用意していただけに、本当に落胆している。今シーズンは、良いレースを戦えた時はいつもトラブルに見舞われて、リタイアを余儀なくされているように思われる。私にとって非常に不運で、非常に厳しいシーズンであった。モナコで表彰台を逸し、恐らくフランスGPと、そしてここでも同じく表彰台を逃した。しかし、厳しい状況においても、チーム全員が協力し、問題に立ち向かい、素晴らしい働きをしてくれたことに感謝している」
ラルフ・シューマッハ (リタイア) 「考え得る限り最も厳しいシーズンの締め括りとなってしまった。スタートはまずまずで、序盤は良い状態だった。不運にも、セーフティカー導入後、再スタートの際に、我々は車体後部の、サスペンション中枢部分のトラブルに見舞われてしまい、運転が不可能になった。レース続行は危険であり、リタイアせざるを得なかった。2台共同じトラブルで、これは、シーズン序盤のアメリカGP予選でヤルノ・トゥルーリを襲ったものと同じだった。チームが良い状態にあっただけに特に残念だ。2台共に良い予選順位を得て、良い結果を期待していたが、不運にも願いは叶わなかった。チームがこの一年、どれだけハードな努力を続けて来たかは分かっており、チーム全員に感謝したい」
新居章年 技術コーディネーション担当ディレクター 「今シーズン最後のレースがこのような形で終わり本当に残念だ。ラルフ・シューマッハ、ヤルノ・トゥルーリ共に、リアサスペンションの同じところに問題が発生し、リタイアせざるを得なかった。しかし車は確実に進歩して来ており、来シーズンは速さと共に強さ、そして、高い信頼性を兼ね備えた車を作り上げ 必ず皆さんの声援にお応え出来るようにする。今年一年応援を頂き、有難うございました」
冨田務 TMG会長 兼 チーム代表 「決勝レースのスタートまでは、全て上手く行き、我々は好調で、“TF106B”は速く、2人のドライバーもやる気に満ちていた。しかし、スタートは良かったが、その直後に深刻な問題に見舞われてしまった。まるで悪夢のようだった。未だに信じられない。明らかに我々は非常に速く、セーフティカーが導入されたこともあり、23周か24周分の燃料を搭載しており、ライバルよりもやや重い状態であった。実際に見た他車の状況から考えると、2位を狙えるチャンスは十分あった。2台共にリアサスペンション中枢部分の不調に見舞われたが、新しい部品ではなかった。ラルフ・シューマッハはセーフティカー導入直後に問題を抱え、2周後にはヤルノ・トゥルーリも同じ問題に見舞われた。恐らくこれは凹凸の激しいコースに起因するものだが、もちろんインテルラゴスの路面が厳しいことは分かっており、さらに対策を講じるべきであった。トヨタのファン及び関係企業には本当に申し訳なく思っている。我々は非常に失望しているが、これもレースであり、時に良いことがあり、時に悪いこともある。しかし、我々は正しい方向へと進んでいると確信しており、来シーズンへ向けて懸命の努力を続けて行かなくてはならない」