2006/9/13 19:05
BMW、日常的使用に耐える高性能水素自動車を、世界で初めて市場導入
BMWは、世界初となる高性能かつプレミアム、そして日常的使用に耐える水素自動車である、BMW Hydrogen 7(ビー・エム・ダブリュー・ハイドロジェン・セブン)の市場導入を発表した。通常の市販車同様の開発プロセスを経ているこの水素自動車は、今後、小規模量産され、2007年より、米国をはじめとする各国で選ばれたユーザーの使用に供される予定。Hydrogen 7はBMW 7シリーズをベースとしており、水素及びガソリンがどちらも使用可能な内燃機関を搭載している。
水素技術は、車という個人的移動手段(インディビジュアル・モビリティ)による排出ガスを飛躍的に減少させ、特に、CO2排出をゼロにすることができる。BMW Hydrogen7が水素燃料で走行する場合、排出するのは水蒸気のみ。その上、水素は化石燃料やガソリンなどのように、枯渇する心配がない。このBMW Hydrogen 7導入により、BMW Groupは持続可能なモビリティにおけるひとつの到達点を提示している。この水素自動車は、水素関連技術の開発推進にあたり、先駆者的な役割を担うもの。BMWは既に、燃費を大幅に低減するだけでなくCO2も大幅に削減する、高効率でありながらダイナミックな動力性能も併せ持つガソリンエンジンの分野で、高い評価を確立している。現在、BMW Groupは、EfficientDynamics (エフィシェント・ダイナミクス:高効率な動力性能)という統合プロジェクトのもと、クリーン・ディーゼル技術と、先進的なハイブリッド技術の開発に邁進しており、我々は持続可能なモビリティに対する究極の回答は水素だという明確な戦略を打ち出している。
BMW Hydrogen 7は水素駆動ではない通常の7シリーズと遜色ない快適性や居住性を備えている。最高出力は260馬力、0-100km加速は9.5秒、最高速度は230km/h。さらに、このBMW Hydrogen 7は水素とプレミアム・ガソリンのどちらの燃料でも走行可能なエンジンを備え、燃料の切り替えは、極めてすばやく簡単に、運転席のそばにあるスイッチボタン一つで行うことができる。
この二つの燃料で走行可能な駆動方式の採用により、両方の燃料タンク合計の航続距離は約650kmとなり、水素ステーションが近隣にない状況でも、航続距離によって行動範囲が制限される制約がない。この両用コンセプトは、水素インフラが完備されるまでは、非常に有効な解決策であるとしている。