トヨタ、ル・マン参戦の新型マシン「TS050 HYBRID」を公開!

トヨタ 新型TS050 HYBRID

TOYOTA GAZOO Racingは、『FIA世界耐久選手権(WEC)』の2016年シーズンに挑戦する新型車両、「TS050 HYBRID」を南フランスのポールリカール・サーキットで発表した。

トヨタは、世界耐久選手権に1983年の初挑戦以来、長い期間に渡って参戦してきた。また、ル・マン24時間レースには、1985年の初参戦から、17回にわたって参戦し、4度の2位(1992年、1994年、1999年、2013年)を獲得している。

2012年に、ル・マン24時間レースを含む新たな世界選手権として復活したWECには、トヨタの東富士技術研究所で開発されたハイブリッド・パワートレインを、トヨタ・モータースポーツ有限会社(TMG)により生み出されたシャシーに搭載し、再び参戦を開始した。

トヨタはWECで9回のポールポジションと8勝、23の表彰台獲得を果たしている。2014年にはTS040 HYBRIDでドライバーとマニュファクチャラーのワールドチャンピオンを獲得した。シリーズタイトル防衛シーズンとなった2015年は、1位ポルシェに180ポイントも離される形でシリーズ3位という結果に終わっている。

そして2016年...再びチャンピオンを奪還すべくトヨタの戦いは既に始まっている。

3月25日~26日、ポールリカール・サーキットにおいてテスト走行が行われている。そして、全9戦へと増やされた2016年シーズンは、4月17日のシルバーストン6時間レースで幕を開ける。

◎新型「TS050 HYBRID」フォトギャラリー

新型「TS050 HYBRID」

トヨタ 新型TS050 HYBRID

新型「TS050 HYBRID」の最も大きな変更点は、パワートレインのコンセプト。2.4リッターのV型6気筒直噴ツインターボガソリンエンジンと8MJへと性能アップしたハイブリッド・システムの組み合わせとなり、この両ユニットは東富士技術研究所のモータースポーツユニット開発部で開発された。

新世代の直噴ターボエンジンは、燃料流量が制限される現在のWECレギュレーションに最も適しており、また、このサーキットレースのための開発で得られた技術や知見は市販車にも活かされていくことになる。

モーター/ジェネレーター(M/G)によって減速時のエネルギーを回生する方式は、トヨタの市販車と同様であり、TS050 HYBRIDの前後輪に装着されたM/Gによってレース用に開発されたハイパワー型リチウムイオン電池にエネルギーが保存され、最大効率でパワーブーストとして放出される。昨年まで使用していたスーパーキャパシタからハイパワー型リチウムイオンへの変更は、8MJへの対応を機に、ここ数年の顕著な技術の進化を反映したものである。

これまでのTS040 HYBRIDの技術は、既に現行市販車に反映されてきた。ターボエンジン技術がさらに市販車で重要度を増していく中、WECを戦う中で得られる技術やノウハウはもっといいクルマづくりに活かせるものと期待している。

トヨタ 新型TS050 HYBRID

新型パワートレインのコンセプトによって新たな冷却系が必要とされ、また、ターボエンジンによって大幅に向上したトルクを許容するトランスミッションを含む新パッケージングが導入された。このパワートレインに新たな空力コンセプトが組み合わされたTS050 HYBRIDのほぼ全てのシャシー部品は、ドイツ・ケルンのトヨタ・モータースポーツ有限会社(TMG)で設計された。

パワートレイン・コンポーネントの改良は、TS050 HYBRIDの空力パフォーマンス向上の向上にも貢献している。前輪M/Gユニットの小型化が、車体底部の空気の流れを大きく変え、全体のパフォーマンス向上の一因となった。サスペンションの改良も、タイヤ摩耗を減らすことに貢献している。

TS050 HYBRID主要諸元

型式:LMP1-H(ル・マンプロトタイプ・ハイブリッド)/車体構造:カーボンファイバー構造/ウインドスクリーン:ポリカーボネイト製/全長×全幅×全高:4650×1900×1050mm

燃料積載量:62.5 リッター/パワートレイン:トヨタハイブリッドシステム・レーシング(THS-R)/エンジン:V型6気筒直噴ツインターボチャージャー/エンジン排気量:2400cc/エンジン出力 367kW/500PS/燃料:ガソリン/バルブ数:4/シリンダー/ハイブリッドパワー:前輪モーター+後輪モーター : 367kW/500PS/パワーユニット最高出力:735kW/1000PS(エンジン+ハイブリッドモーター)/蓄電装置:ハイパワー型リチウムイオン電池/前輪:ハイブリッドモーターアイシンAW製/後輪:ハイブリッドモーターデンソー製/インバーター:デンソー製/ギヤボックス:横置きシーケンシャル7速/ギヤボックスケーシング:アルミニウム製/ドライブシャフト:CVジョイント式ドライブシャフト/クラッチ:ZF製マルチディスク/ディファレンシャル:ヴィスカス機械ロック式/サスペンション:プッシュロッド式独立懸架ダブルウイッシュボーン(前/後)/スプリング:トーションバー/アンチロールバー:前/後/ステアリング:油圧式パワーステアリング/ブレーキキャリパー:2系統油圧式ブレーキシステム、アケボノ製モノブロック軽合金キャリパー(前/後)/ブレーキディスク:ベンチレーテッド・カーボンディスク(前/後)/ホイール:レイズ製マグネシウム鍛造ホイール/フロントホイール:13×18インチ/リアホイール13×18インチ/タイヤ:ミシュラン/フロントタイヤ:31/71-18/リアタイヤ:31/71-18/

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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