2006/5/8 03:56
【F1 第5戦】ホンダ、バリチェロが今季自己最高の5位入賞
ヨーロッパGP決勝レースで、Honda Racing F1 Teamのルーベンス・バリチェロが、今季自己ベストとなる5位入賞。ジェンソン・バトンは、29周目にリタイアを喫した。
決勝日も晴れ。風はやや強いが、気温20℃、路面温度39℃というコンディションのもと、レースは始まった。6番グリッドのバトンは、出足良く4番手に浮上。しかし4周目のシケインでK・ライコネン(マクラーレン)に抜かれ、5番手に下がる。一方4番グリッドからスタートしたバリチェロは、1コーナーでの混走で、7番手に後退した。
ほぼ全員が1回目の給油を終えた29周目。バトンは5番手をキープ。しかし直後のストレートで突然減速。エンジントラブルによりコース脇にマシンを止めてリタイアを喫した。
一方、R・シューマッハ(トヨタ)の猛追をかわしながら5位を走行していたバリチェロは、44周目に、R・シューマッハと同時にピットイン。給油時間もほぼ同じだったが、バリチェロがからくも先行し、そのままコース復帰に成功する。その後R・シューマッハはトラブルにより戦線を離脱したが、代わってG・フィジケラ(ルノー)がすぐ後ろに迫る。しかし、そのまま逃げ切りバリチェロは今季自己最高の5位入賞を果たした。
■コメント
ルーベンス・バリチェロ(5位) 「5位は僕たちの望んだ結果ではなかったけど、今日は速さが足りなかった。マシンのバランスが良くなくて、とにかく最後まで走り切り、ベストを尽くすしかなかったんだ。だから、ポイントが取れたことはうれしいけど、バルセロナではもっと良い結果が欲しいね」
ジェンソン・バトン(リタイア) 「厳しい週末に、残念な結果だよ。スタートは良くて、ターン3までライコネンといいバトルを繰り広げ、彼を抜いて4番手に上がったんだ。でもレース中、マシンが安定していなかった。今日は風がかなり強かったので、そのせいもあるだろう。バランスが悪くて、コーナーごとに変わってしまったんだ。1回目のピットインの後、燃料が軽くなるにつれて良くなり、このマシンの状態で5位に入り、4ポイント獲得できればハッピーだと思っていた。でも、急にパワーが低下して、駆動を失ってしまい、マシンを止めるしかなかった。スペインではもっと良い結果を期待したい」
ジル・ド・フェラン Honda Racing F1 Team スポーティングディレクター 「ポイントを加算することはできたが、期待したほど多くはなかった。ルーベンスはよく戦い、特にレース終盤で優れた走りを見せて、今季自己最高位を獲得した。残念ながらジェンソンはエンジントラブルに見舞われてしまい、良いスタートを決め、レース前半で良いパフォーマンスを見せながら、結果につなげることができなかった。2台とも、速さが足りなかったという感は否めない。次戦スペインまで1週間しかないので、テストを行うことはできないが、この週末のパフォーマンスを細部にわたるまで分析し、次のレースまでに必ず改善策を見つけ出したい」
中本修平 Honda Racing F1 Team シニアアドバイザー
ホンダ・レーシング・ディベロップメント エンジニアリングディレクター 「今日はあきらかに、いいことと悪いことの2つが起こってしまいました。ルーベンスが懸命に走り、チームにポイントをもたらしてくれたことはよいことでした。ジェンソンに起きたエンジンの問題については、次のバルセロナに間に合うように、できる限り早く究明しなければなりません」