2006/4/24 09:40
【F1 第4戦】トヨタ、R・シューマッハーが惜しくも9位フィニッシュ
2006年4月23日(日)、F1世界選手権第4戦サンマリノGPの決勝レースが行われた。
午後2時、4月としては暑い気温27度、路面温度43度、湿度26%のコンディションで62周の戦いがスタート。しかし、スタート直後に、後続グループでクラッシュが発生し、セーフティカーが導入される波乱の幕開けとなった。
予選9番手のヤルノ・トゥルーリは、スタートで一つポジションを上げたものの、直後にステアリング系のトラブルに見舞われ、わずか5周でリタイアを余儀なくされてしまった。一方、予選6番手グリッドからスタートを切ったラルフ・シューマッハーは、チームの期待を担い力強い走りを見せたが、惜しくも、ポイント獲得目前の9位でフィニッシュとなった。
■コメント
ラルフ・シューマッハー(9位)
「ポイント獲得を逃し、残念な決勝レースとなってしまった。我々は非常に攻撃的な戦略を採ったが、状況は味方しなかった。混雑に行く手を阻まれたり、セーフティカーが出るなどの不運があり、また、序盤ではグリップ確保に苦戦した。終盤、前を行くG.フィジケラ(ルノー)とB.バトン(ホンダ)を追い上げる時にはペースは改善されたが、何らかの問題があったのは確かだ。それは、他のブリヂストンタイヤ採用チームが良い結果を出していることから、タイヤに起因するものではないと思う。だから、我々の問題は何なのか調査する必要がある。来週予定されているテストでは、いくつかの新しい項目を試すことになっており、ヨーロッパGPへ向けて、改良が進むと信じている」
ヤルノ・トゥルーリ(リタイア)
「多くの不運が私に降りかかっているように思われてならない。そして、それは今日も例外ではなかった。何が起こったのか、正確に調査しなくてはならないが、ステアリング・コラムに何らかの不具合が生じたようで、リタイアせざるを得なかった。この週末は、ずっと好調で、今日は良い一日に出来るという自信があっただけに、残念だ。スタートは非常に上手く行き、K.ライコネン(マクラーレン・メルセデス)の前に出てポジションをアップすることが出来た。不運にも、トップグループが最初のコーナーを曲がった時点で、スローダウンを強いられることとなってしまった。何をやっても、うまく行かず、失望している。しかし、チームと“TF106”が優れているということは分かっており、努力を続けていく。一旦上手く動き始めれば、きっと成功を遂げるに違いない」
新居章年:技術コーディネーション担当ディレクター
「ステアリング・コラムのトラブルで序盤戦にリタイアを余儀なくされた、ヤルノ・トゥルーリには申し訳ないことをした。一方、ラルフ・シューマッハーは、ポイント獲得こそ出来なかったものの、粘り強く最後まで戦ってくれた。全体としては全く満足出来ないレ−スだった。次戦ヨーロッパGPでは、上位進出できるよう全力を尽くす」
冨田務:TMG会長 兼 チーム代表
「期待はずれの日曜日となってしまい、あまり良い結果ではなかった。しかし、“TF106”は、今日示した以上の速さを持っていると確信している。この週末は、上手く仕上がっており、ブリヂストンタイヤとも良く適合していた。不運にも、ヤルノ・トゥルーリがステアリング・コラムの機械的な問題でストップせざるを得なくなるという、とても残念なスタートとなってしまった。我々は非常に失望するとともに、ヤルノ・トゥルーリに謝りたい。ラルフ・シューマッハーは、このサーキットはピットレーンが短いので、有利となる3回給油の戦略を採り、全力で戦った。しかし、その戦略は、序盤戦にセーフティカーが導入されれば、不利になるリスクを負うことを意味しており、実際に起きてしまった。さらに、レース中、グリップ力が不安定で、調査究明は必要だが、他車に阻まれることなく走った終盤戦の速さには勇気付けられた。私は、“TF106”が、ここ数戦で、さらに良い結果を得られる潜在的能力を持っていると確信している。とはいえ、我々は、更なる進化のために次のテストでパフォーマンスを改善するために頑張らねばならない」