2006/4/2 20:36
【F1 第3戦】ホンダ、バリチェロが7位入賞
決勝当日のアルバートパーク上空は雲が多いものの、時折り秋の陽射しが漏れる。午後2時の時点で、気温20度、路面温度は28度。
フォーメーションラップを終え、最前列のグリッドに付いたG・フィジケラ(ルノー)が、大きく右手を振り、トラブル発生を知らせる。これでフィジケラは、最後尾からのスタートとなった。前日の予選でポールポジションを獲得したバトンは、スタートで真後ろにいたF・アロンソ(ルノー)をうまく抑え、首位を堅持して1周目を終える。しかし、4周目でアロンソに先行される。その後、C.クリエン(レッドブル)のクラッシュにより、セーフティーカーが出動。コースがクリアになった後も、背後から、K・ライコネン(マクラーレン)が激しく迫る。10周目に、バトンはライコネンにもかわされ、3番手に後退する。
レース中盤の25周目。バトンはJP・モントーヤ(マクラーレン)、N・ハイドフェルド(BMWザウバー)に続き、5番手。バリチェロは12番手だ。後半に入り、M・シューマッハ(フェラーリ)やV・リウッツィ(トロロッソ)のクラッシュで、さらに二度のセーフティーカーが出動する。その間にバトンは、6番手に後退。一方バリチェロは、42周目で9番手に順位を上げる。
残り11周で、4番手を走っていたモントーヤがストップ。これでバトンは5番手に。バリチェロも入賞圏内の8番手に上がった。バトンはフィジケラに激しく追い上げられながらも、これをしのぐ。しかし最終周の最終コーナーでエンジンブローが発生。フィニッシュラインの手前で止まってしまい、10位完走扱いに。一方バリチェロは7位入賞を果たした。
■コメント
ジェンソン・バトン(10位完走扱い) 「ポールポジションでレースをスタートながら、こんな形で週末を終えてしまって残念だ。3度のセーフティカー導入のたびに、再スタートでグリップが足りず、タイムとポジションを落としてしまった。ターン13でエンジンに異常を感じてレースを終えたが、長く厳しいバトルがこんな形で終わってしまって悔しい。タイヤが温まっているときはとても強いマシンだけど、そうでないときはグリップ不足になる。イモラの前に2週間のテスト期間があるから、そこでこれらの問題を解決したい」
ルーベンス・バリチェロ(7位) 「ジェンソンがレースをフィニッシュできなくて、とても残念だ。確かに、戦うには速さが足りない部分もあったけれど、彼があんな風にレースを終える姿は見たくなかったよ。レース中はずっとブレーキが厳しくて、オーバーテイクは難しかった。でも、なんとかスピードをかわして一つポジションを上げたんだ。やっと2ポイントを獲得できたので、ようやく僕のシーズンが始まったという感じだ。ヨーロッパラウンドをいいポジションからスタートするためには、これから2週間の間にたくさんやらなければならないことがあるね。それはみんな分かっているはずだ」
ジル・ド・フェラン:Honda Racing F1 Team スポーティングディレクター 「スタートとセーフティーカーが戻った後の再スタートのたびに、ジェンソンはタイヤを温めるのに非常に苦労し、徐々にポジションを落としていった。ドライバーたちは二人とも同じ問題に悩んでおり、最後にはエンジントラブルまで発生してしまった。ルーベンスは厳しいレースながらも順位を上げ、ポイント圏内でフィニッシュしてくれた。2回目のセーフティカー導入時に、彼をコース上にとどめてポジションアップを狙ったが、混雑にはまって計画通りにはいかなかった。もっと良い結果を望んでいたので残念だが、これからも頑張っていきたいと思う。イモラの前に2度のテストが予定されており、ここで起きたトラブル解消に取り組んでいくつもりだ」
中本修平:Honda Racing F1 Team シニアアドバイザー
/ホンダ・レーシング・ディベロップメント エンジニアリングディレクター 「ジェンソンのエンジンの問題は、すぐにデータ解析を行い原因を突き止めたいと思います。彼の努力をポイント獲得に繋げなかったことは非常に残念です。レースでは終始頑張って走ってくれましたが、セーフティカーが戻った直後のグリップ不足に苦労してしまいました。ルーベンスは今シーズン初のポイントを獲得して、良かったと思います。しかし、我々が目指している目標を達成するためには、テストにおいてまだまだやらなければならないことがたくさんあります」