2004年発売「エボ VIII MR」 三菱レーシングの頭文字を冠して登場/三菱ランサーエボリューション23年間の軌跡
1992年の発売以来「ランエボ」の愛称で絶大な人気を誇っていた「三菱 ランサーエボリューション」が2015年8月をもって23年の歴史に幕を下ろしました。
初代からファイナルエディションまでの歴史をひとつひとつ振り返ります。
今回お届けするのは2004年に発売され3,030台を売り上げた「ランサーエボリューション VIII MR」です。
LANCER EVOLUTION VIII MR(2004年2月発売)
2004年2月、「Mitsubishi Racing」の頭文字を冠した『ランサーエボリューションVIII MR』が発売になりました。
三菱自動車初のDOHCエンジンを搭載した『ギャランGTO MR』以降、三菱自動車伝統の称号を与えた『ランサーエボリューションVIII MR』は、量産車初のアルミルーフを採用。アルミ製のルーフとスチール製のボディの結合には、特殊な形状のリベットと構造用接着剤を併用していました。
このアルミルーフの採用により4kgの軽量化を実現。これがロールセンターを下げるなど数値以上の効果をもたらし、BILSTEIN社製ショックアブソーバーの採用と相まって、卓越した操縦安定性と接地性、そしてスポーティな乗り心地を実現しました。
エンジンではターボチャージャーのタービンノズル系拡大とカムシャフトのプロファイル変更、ウエストゲートソレノイドの増設などにより、2Lクラストップの最大トルク40.8kg-m/3500rpmを発揮。
4WDシステムもACD+スーパーAYC+スポーツABSの協調制御をきめ細かくセッティングし、ドライバーの意図に忠実なスポーティな走りを実現。『ランサーエボリューションVIII』から約1年で、実質的な『ランサーエボリューションIX』といえるほどの完成度を誇りました。
ランサーエボリューションVIII MR 改良点
アルミ製ルーフパネルを装着
ヘッドランプとリアコンビランプをつや消しブラック化
BBS社製軽量鍛造ホイールをオプション設定
ボルテックスジェネレーターをオプション設定
ターボチャージャーのタービンノズル径拡大でトルク増
(VIII 40.0kgf-m/3500rpm→VIII MR 40.8kgf-m/3500rpm)
オイルクーラーのコアを2段増設
シリンダーヘッドに熱処理を施し、水室の一部を補強
3層構造だったガスケットを5層構造へと変更
ピストンリングにイオンオーティングを施す
ACD+スーパーAYC+スポーツABSの協調制御を改良
BILSTEIN社製ショックアブソーバー装着
三菱ランサーエボリューション23年間の軌跡 バックナンバー
【1】発売後に即完売!絶大な人気を得た初代「三菱 ランサーエボリューションI」/ランエボ 23年間の軌跡
【2】WRCで初優勝を果たした「三菱ランサーエボリューションII」/ランエボ 23年間の軌跡
【3】「三菱 ランサーエボリューション」の名を知らしめるきっかけとなった“3代目”/ランエボ 23年間の軌跡
【4】1996年第2世代へと移行「三菱 ランエボIV」基本性能が大幅に進化/ランエボ 23年間の軌跡
【5】 シリーズ初の3ナンバーボディに「三菱 ランサーエボリューションV」/ランエボ 23年間の軌跡
【6】1999年発売「エボVI」ナンバープレート位置が中央から助手席側に/三菱ランサーエボリューション23年間の軌跡
【6/特別仕様】2000年発売「エボVI トミー・マキネン エディション」シリーズ初の特別仕様車/三菱ランサーエボリューション23年間の軌跡
【7】2001年発売「エボVII」第3世代のはじまり/三菱ランサーエボリューション23年間の軌跡
【7/GT-A】2002年発売「エボVII GT-A」シリーズ初AT車の登場!/三菱ランサーエボリューション23年間の軌跡
【8】2003年発売「エボVIII」4ドアセダン世界初!CFRP製のリアスポ採用/三菱ランサーエボリューション23年間の軌跡
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