日産、ガルウィング採用のハイブリッドSUV「ニッサン グリップス コンセプト」世界初公開!【フランクフルトモーターショー2015】
欧州と日本のデザイナーが共同でデザイン、若い世代に向けたクロスオーバー
日産自動車は15日、ドイツのフランクフルトで開催中のフランクフルトモーターショーにて、クロスオーバーのコンセプトカー「Nissan Gripz Concept (ニッサン グリップス コンセプト)」を世界初公開した。
欧州と日本のデザイナーが共同でデザインした同車は、コンパクトクロスオーバーの性能と実用性、そしてスポーツカーのワクワク感とパフォーマンスを兼ね備えている。
「ニッサン グリップス コンセプト」は、斬新なデザインと最先端のハイブリッドEVパワートレインにより、ワクワク感・ドキドキ感あふれる仕上がりになっており、これまでのクロスオーバーに対する概念をくつがえすモデル。また、クロスオーバーセグメントの先駆者である日産が新たに打ち出した未来のコンパクトクロスオーバーの姿を予感させるコンセプトカーとなっている。
「ニッサン グリップス コンセプト」は、平日の通勤にも週末の遊びにも対応できる。サイクリストが、通勤用と同じ自転車でオフタイムにサイクリングを楽しむように、ドライバーは、同じ車で平日には街中を走り、週末には山道でのドライブを楽しむことができる。
本コンセプトカーは、コンパクトクロスオーバーの特長を残しつつ、スポーツカーのようなシルエットをしており、それでいて車高を高めに保っているため、より厳しい運転条件にも対応が可能。
「ニッサン グリップス コンセプト」は、クロスオーバー、SUV、そしてスポーツカーの分野で培った英知を結集し、電気でモーターを駆動する最新のパワートレインを搭載することで、次世代に向けた最新のコンセプトへとチューンアップした。
同車のパワートレインは、電気自動車(EV)の技術をベースにしたシリーズ・ハイブリッドEVシステム「Pure Drive e-Power」を搭載。同システムの大容量モーターは日産リーフと同じものを採用しており、最高出力80kW、最大トルク254Nmを実現している。駆動に必要な電気はガソリンエンジンで発電。
「Pure Drive e-Power」には、日産が長年のEV開発の中で培った様々な制御技術が統合されており、このシステムにより、圧倒的な静粛性と優れた燃費効率、そして、スムーズで素早いリニアな加速が可能になる。
同車のデザインは、新しいデザイン表現のコンセプト「エモーショナル・ジオメトリー」の特徴を有した全く新しいスタイル。本コンセプトカーは、2015年3月のジュネーブモーターショーで公開したコンセプトカー「スウェイ」(Sway)が欧州で初めて採用した4つの重要なデザイン要素と同じものを取り入れている。
すなわち、Vモーショングリル、フロント・リヤのブーメラン型ランプ、フローティングルーフ、キックアップCピラーが採用されている。
一方で、「スウェイ」がコンパクトハッチバックの新たな方向性を示唆したのに対し、「ニッサン グリップス コンセプト」は全く異なる方向性を示している。同車は、以下に挙げる2つの異なる性質を備えているという点で、コンパクトクロスオーバーというジャンルの究極の姿ともいえる。すなわち、ツール・ド・フランスのロードレース用自転車のように一切の不要な装飾を排除したかのような「軽さ」と、ラリーカーの「強さ」で、このコンビネーションが究極の敏捷性を生み出している。
日産の専務執行役員でチーフクリエイティブオフィサーの中村史郎は、「日産は『キャシュカイ』や『ジューク』でコンパクトクロスオーバー市場を開拓してきました。このセグメントは、他の自動車メーカーも参入してきていることで、成長を続けています。このコンセプトカーは、こうしたモデルの次期型として開発したものではなく、我々がコンパクトクロスオーバーというセグメントでどこまで挑戦できるか、その極限を表しています」と語る。
また、このコンセプトカーは、レース用自転車が両立する「ハイテクでありながらシンプル」という2つの相反する矛盾に着想を得ており、カーボンフレームの上に表情豊かなボディパネルを装甲被覆材のようにかぶせている。デザインのいたるところでむき出しのカーボンが使われており、フロントドア構造の先端部にあるブーメラン形状など、特徴的な部分を強調している。
ニッサングリップスコンセプトは奥行きのあるガルウィング式のフロントドアと、リヤには後ろ開きのハーフドアを採用している。Bピラーはなく、2+2タイプのシートへ簡単に乗り込むことができる。
フロントエンドは、ハイビームとロービームを搭載した長方形のライトに取り囲まれ、低い位置に取り付けられたVモーショングリルをメインにデザインしている。ライトの中には正面を向いたカメラが搭載されており、サイクリストがヘルメットに装着するカメラと同様に、全ての運転シーンを録画できる。ドライブ中の風景を世界中にライブ映像で流すことができ、友人たちはパソコンやタブレット、スマートフォンで、その様子をリアルタイムで追跡することができる。
ブーメラン型のランニングライトが、フロントフェンダー上部のライトの上に搭載されており、マットブラックのフードとレッド・オレンジのメインボディカラーを仕切る境界線となっている。また、ホイールアーチの延長部や、グラウンドクリアランスを大きくするために高くした三角形状のシル、フローティングルーフにつながるAピラーにもマットブラックを使用している。
ルーフは、光沢のあるパネルを中心に両側の座席の上部に鉛のようなグレーの複合パネルを使用している。この複合パネルは、車両の後部に行くにつれて幅が狭くなり、テールランプと一体化している。これはフロントランニングライトのブーメラン型を模したもので、リヤスリークォータービューを包み込んでいる。
リヤは、先端を切断したような印象的な形のマットブラックのカムテール形状で、リヤエンドを垂直に断ち切った『コーダトロンカ』効果を生み出している。また、リヤゲートの下には、クロムメッキされた台形のエキゾーストパイプが取り付けられている。3スポークの22インチホイールも、レース用自転車に着想を得たもので、ニッサングリップスコンセプト用に特別に作った軽量でありながら強靭な高圧タイヤが装着されている。サイドウォールのレッドとホワイトのグラフィックは、ステアリングホイールにも再現されている。
エクステリアと同様に、インテリアも機能性を持たせたシンプルさをテーマとしている。マットグレーと深い赤みがかったオレンジの色のコンビネーションをインテリアにも使用し、ツール・ド・フランスの印象が強調されている。露出したタイヤチューブやバケットシート、またレイヤー状のデザインが、エクステリアの被覆材的な雰囲気とリンクしている。
シートとセンターコンソールは、レース用自転車のサドルからダイレクトにインスピレーションを受けたもの。また、3スポークのステアリングホイールは、エクステリアのタイヤホイールをイメージしたもので、タイヤのサイドウォールに使用した特注グラフィックも再現されている。
「ニッサン グリップス コンセプト」には、コンセプトカー「スウェイ」やその他最近の日産車に既に採用されているグライディングウィング形状のインストルメントパネルを採用している。この洗練された軽快なデザインは、力強さとシンプルさを両立しており、このコンセプトカーの精神と完全に調和している。
「フランクフルトモーターショーでこのモデルに世界がどう反応するか、そして、このコンセプトカーが次世代の日産のクロスオーバーのデザインにどのように影響を与えるのか、楽しみにしています」と中村は語った。
諸元(mm)
全長/4,100mm
全幅/1,890mm
高さ/1,500mm
ホイールベース/2,580mm
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