三菱「RVR」米国での生産終了で国内生産へ
11月末で生産終了
三菱自動車は、米国の子会社であるミツビシ・モーターズ・ノース・アメリカ・インク(MMNA)が生産・販売を行う『アウトランダー・スポーツ(日本名:RVR)』を、11月末をもって生産終了し、今後は同モデルの主力生産拠点である岡崎工場に集約すると発表した。
尚、これらは7月30日に開催される三菱自動車取締役会で正式に機関決定される予定。生産終了に伴いMMNAでは、UAW※の支援も得ながら、買い手探しを行っていくとしている。
※ United Auto Workers 全米自動車労働組合
生産台数は年間222千台から18.5千台にまで落ち込んでいた
三菱自動車の米国における生産事業は、1988年にクライスラー社との合弁会社「ダイヤモンド・スター・モーターズ(DSM)」として稼動開始、その後、1991年にクライスラー社が持つDSM株式を全て買い取り三菱自動車の工場として生産を続けて来た。
2000年には生産台数が222千台を超えたが、その後、クライスラー社向けOEM生産の終了、リーマンショックの影響等が重なり、2009年には18.5千台と大きく落ち込んでいた。
2012年からは、『アウトランダー・スポーツ(日本名:RVR)』の生産を開始し、北米向に加え、ロシア・中近東・中南米向の生産も行うことで、生産効率向上、生産台数・稼働率引き上げを図ってきた。北米市場の市場回復もあり、生産台数は2013年には70千台まで伸びたが、完成車組立工場の規模としてはいずれにしても小規模であったところに、生産台数の1/3を占めていたロシア向け輸出が、2014年度後半からの需要低迷により大幅に減少し、生産台数が一段と落ち込んだ。これらの状況を踏まえ、米国での車両生産を終了し岡崎工場に集約、日本からの輸出に変更する事とした。
米国は、今後も需要の増加が見込まれる成長市場であり、日本及びタイから製品供給を継続することにより、引き続き米国におけるブランド構築と販売拡大に取り組んで行くとしている。
この記事にコメントする