BMWの電気自動車でレースデビュー間もない“女性レーサー”が優勝・準優勝を飾る
デッドヒートを繰り広げた女性2名が、共にクラス優勝・準優勝を飾る
6月14日、千葉県・袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催された全日本EV袖ヶ浦55kmレース大会に「BMW i3」で参戦した岩岡万梨恵選手(22歳)、北平絵奈美選手(21歳)の2名が、クラス優勝、準優勝でチェッカーを受けた。
岩岡選手、北平選手の2名は共に「Women in Motor sports」のメンバー。「Women in Motor sports」とはFIA(国際自動車連盟)及びJAF(日本自動車連盟)が提唱し、FIA Women in Motorsport Commission アジア代表委員でレーサーの井原慶子選手がモータースポーツ界における女性の活躍を推進するプロジェクトだ。
レース用改造車を含む6メーカーの電気自動車計16台が参加して行われたAll JAPAN EV GP SERIES 第3戦。
午前中に行われた予選は、路面がやや濡れた状態のダンプコンディションでスピン・クラッシュする車が続出する中、岩岡選手が予選7番手、北平選手が9番手につけた。ドライコンディションとなった決勝では、車体が軽量で運動性能が良いBMW i3の特性を生かして岩岡選手、北平選手共にスタートダッシュで2番手・3番手まで順位を上げた。
以降バッテリーの増量や改造を施した改造クラスの3台に上位を許したものの、市販車ノーマルの電気自動車の中では後続車に大差をつけてリード。終盤は岩岡選手と北平選手のデッドヒートが繰り広げられ、21周目には北平選手がクラストップに躍り出るも最終周に岩岡選手が抜き返し、ゴール。
前回レースデビューして今回が2レース目となる岩岡選手が総合4位・クラス優勝、今回4輪レースデビューを果たした北平選手が総合5位・クラス2位でEV-2クラスの表彰を受けた。
デビュー2戦目にしてクラス優勝した岩岡万梨恵選手は、「今回のレースはデビュー2戦目で総合4位、クラス優勝という結果となりとても嬉しいです。ノーマルのBMW i3で参戦しましたが、他の電気自動車よりも加速や運動性能が圧倒的に良く、スタート直後からトップ集団を走ることが出来ました。ピットからは井原さんが指示を出してくれたおかげで我慢するところ抜き所などアドバイスを頂き、ただ速く走るのではなく気持ちや電費をコントロールすることを学ぶことができこの結果に繋がりました。BMWjapanさんや山根監督、今まで訓練の場を提供してくださったMazda Women in Motorsportの皆様に本当に感謝しています。昨年の井原選手のWEC富士の表彰台を見て、あきらめずに自分も頑張ろう!と思いました。今後は、井原選手のような世界一の女性レーシングドライバーになりたいです。」とレース後に語った。
一方、今回4輪レースデビューとなる北平絵奈美選手はカートの全国大会で優勝経験をもあるが、4輪用のヘルメットをまだ持っていないということで急きょ井原選手のヘルメットをかぶって参戦。
北平選手は「4輪デビュー戦、さらに始めての電気自動車、サーキットでの参加でとってもドキドキしました。BMW i3に乗り、ガソリン車以上に加速が良く、高速走行でも車体やステアリングがぶれることなくボディの軽さにも驚きました。アクセルを緩めると回生システムが始動し、決勝レースではこれを使いながら航続距離を伸ばし、目標の電力消費数通りに走行することが出来ました。後半は電費に余裕が持てたのでチームメイトの岩岡選手ともバトルが出来ました。今回のレースで車の状況を考えて走ることや車を理解してすぐに対応する力が必要となっていくと感じました。今回井原選手の貴重なヘルメットをお借りしたのできちんと結果を出さなければいけないと思い、この結果を出せました。今後の目標は世界で活躍し認められる第二の井原選手になることです。」とコメントした。
レース中、ハンズフリーフォンでドライバーと通信していた井原選手は「女性同士が電気自動車でデッドヒートを繰り広げてデビューレースで優勝・準優勝とは、私のフェラーリでのレースデビュー以上にセンセーショナルで今どきですね(笑)Women in Motorsportメンバーの活躍をこれからも思いっきり応援していきたいと思います」と話した。
この記事にコメントする