ボルボ、クラウドを活用した自転車事故防止へ向けた世界初の試みを初公開
ボルボは、スウェーデンのスポーツギアメーカーPOCと通信会社のエリクソンとともに、ドライバーとサイクリストの相互通信を可能とする安全技術を開発。ラスベガスで開催された世界最大級の家電見本市『CES』で初公開した。また、2015年3月2日~5日にバルセロナで開催される予定の『MWC(モバイル・ワールド・コングレス)』でも公開予定としている。
同システムは車両および車両と相互通信可能な自転車用ヘルメットで構成され、互いの距離が接近するとドライバー、サイクリスト双方に警告が発せられ、衝突の回避を促す。車両と自転車の相互通信を利用した安全技術の開発は、自動車メーカーとしては初の試みとなる。
世界の自転車人口は年々増加しており、自転車通勤者も増え続けている。その結果、自転車による人身事故も増えており、ボルボとPOCは互いに協力して対策をとる必要があると考え、安全技術の開発にあたっている。ボルボの新型「XC90」には、自転車との衝突の可能性を検知しドライバーに警告、必要に応じて自動ブレーキをかけ衝突を回避する技術を標準装備。これは自動車メーカーがサイクリストの安全に対し、明確に取り組んだ初の試みであった。この自転車事故回避の取り組みが、今回のヘルメットを利用した画期的な技術のコンセプトの下地になっている。
同システムは、サイクリストの間で普及しているStravaなどのスマートフォンアプリを使用し、ボルボのクラウドを通じて自転車と車両の位置をお互い共有することが可能。事故の危険性があると判断されると、サイクリストとドライバーの双方に警告が発せられ、衝突を未然に防ぐことができる。自転車が、曲がり角や別の車両の陰の死角にいると、ボルボのヘッドアップディスプレイに警告が表示され、ドライバーに接近が知らされる。サイクリストには、ヘルメットに取り付けられた警告灯とバイブレーションにより警告が発せられる。
この画期的なアイデアは、ボルボと、スポーツ選手や自転車のスポーツギアメーカー大手POC、そして世界をリードする通信技術・サービス会社エリクソンという、オールスウェーデンの連携から生まれた。
ボルボ副社長・グループCIOクラス・ベンドリク氏のコメント
「衝突しないクルマを作るというビジョンの実現に向け、次なる一歩を切り拓いているわが社にとって、POCそしてエリクソンとの連携は重要な試みです。自動車と自転車の間に生じる死角を無くし、衝突を回避するテクノロジーの実用化に向けて、クラウドベースの安全システムについてあらゆる検証を続けていきます」
POCCEO・創業者ステファン・イッターボルン氏のコメント
「私たちのミッションは、スポーツの競技者やサイクリストの事故を減らし、できるだけ人命を守るために最善を尽くすことです。ボルボとの連携はそのミッションに合致しており、私たちがサイクリストの安全を守り、自動車とサイクリストのコミュニケーションの向上に貢献できることを大変嬉しく思っています」
エリクソン上級副社長・サポートソリューション事業部総責任者パー・ボリークリント氏のコメント
「おそらく、通信で命を守れることがネットワーク社会の最大の強みでしょう。路上の何百万人ものサイクリストを守ろうとするボルボとの取り組みは、イノベーションで世界を変えられることを示す最新の実例のひとつです。この重要な取り組みを、POCとともにサポートしていることを誇りに思っており、今後も通信技術の進歩を追求し、無限の可能性を引き出していく姿勢を変えることはありません」
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