日産、自動運転技術の投入スケジュールを発表

メガシティの台頭や人口分布の様々な変化により創出される新たな機会の獲得

日産

日産は17日、同社の最新の自動運転技術の投入スケジュールを発表した。同技術の投入により、自動運転技術の市場導入は更に加速すると期待される。

最新の自動運転技術は、車線内の走行を自動化するシステムや高速道路での走行を支援するシステムを含んでおり、今後4年間に亘って市場に投入する予定。日産はこれらの技術の投入を通じて、2020年までに実用化を目指している自動運転技術の実現性や有用性について、ユーザーに訴求していく。

日産は、自動運転に繋がる技術を段階的に投入しており、走行中の安全性や運転環境を高めるべく、運転操作の自動化を進めている。自動運転について、実施されている他のパイロットプロジェクトは、運転操作が一切不要な完全な自動運転の初期実験を行っているが、同社の自動運転技術搭載車はドライバーが運転席に座り、常にクルマの操作をすることが可能となっている。

日産自動車 カルロスゴーン社長のコメント

我々は2016年末までに、当社の自動運転戦略のもと、2つの次世代テクノロジーを実用化する予定です。まず、混雑した高速道路上で安全な自動運転を可能にする技術、トラフィック・ジャム・パイロットを市場に投入します。更にほぼ同時期に、運転操作が不要な自動駐車システムも幅広いモデルに投入する予定です。

これらの技術に続いて2018年には、危険回避や車線変更を自動的に行う、複数レーンでの自動運転技術を導入します。また、2020年までに、ドライバーの操作介入なしに、十字路や交差点を自動的に横断できる交差点での自動運転技術を導入する予定です。

私たちはこれらの目標達成のために、世界の自動車産業に影響を与えている主要な社会経済動向によって創出される成長機会を獲得しなければないないでしょう。

一つ目の動向は、世界的なメガシティの台頭です。これにより、渋滞の緩和、排出ガスの低減、交通の改善といった必要性が高まります。二つ目の動向は、デジタル世代の高い期待に見合う、もしくはそれを超える車載コネクティビティの需要が高まっていることです。私たちのクルマは、デジタル世代が日々頼っているスマートフォンやタブレットと同様に、コネクトされたものでなければなりません。三つ目の動向は、世界的に増加している高齢者人口に訴えかけるようなクルマの提供によって、ジェネレーション・ギャップを埋める必要性があるということです。高齢の消費者は、より長く、安全な運転を可能にしてくれる技術や自動運転システムを必要としています。最後に、四つ目の主要な動向は、ジェンダーダイバーシティの容認という差し迫った必要性です。これは、女性が消費者、購入者、意思決定者であり、自動車産業全体を統括するマネージャーのような重要な役割を担っている認識がされていることを意味しています。

ソーシャルメディアへのより快適なアクセスと、他のサービスに加えて、エンターテイメントアプリや音声認識ソフトを提供するクラウドを基盤としたシステムを活用して、来年までに150万台以上の日産車が高度コミュニケーションとコネクトされることを期待している。

日産は、増加するメガシティにおけるトランスポートソリューションを提供します。私たちはクルマのコネクティビティを高め続けます。私たちは自動運転車両の開発を主導します。そして、すべてのビジネス分野において、私たちは高齢のドライバー特有のニーズや女性消費者が持つインパクトや影響力を受け入れていきます。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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