富士通テン、欧州・ロシア2拠点同時の緊急通報システム実証実験に成功
カーナビゲーションブランド「ECLIPSE(イクリプス)」や、先進安全システムの開発に取り組む富士通テンはフィンランド・ヘルシンキで6月16日~19日に開催された「ITS European Congress」で行われた緊急通報システムの実証実験に、緊急通報対応仕様のテレマティクスコントロールユニット(TCU)を提供した。欧州の「eCall」とロシアの「ERA-GLONASS」、それぞれの緊急通報システムの互換性を実証するため、欧州域とロシア国内で同時にデモンストレーションを行うのは世界で初めてである。
自動車事故への即応等のため、新型車への緊急通報システム(欧州ではeCall、ロシアではERA-GLONASS)の搭載義務化について、欧州では欧州委員会(EC)が勧告し、ロシアでは2015年からの導入が発表されている。通信方式は欧州における携帯電話用無線方式であるGSMが用いられ、制度施行に向けて2011年から欧州諸国を対象に、実地検証プロジェクト(HeERO)が積極的に展開されている。
同社も2013年から参画しており今回の実験はその一環である。今回、ERA-GLONASS搭載車が、欧州域においても緊急通報システム(eCall)に対応し、同様にeCall搭載車はロシア国内でも緊急通報システム(ERA-GLONASS)に対応することをデモンストレーションで実証した。これにより、eCallとERA-GLONASSの互換性を確認した。
最先端のテレマティクス技術で「先進安全システム」の開発に貢献
緊急通報システムへの対応は、通信機の全車標準搭載というテレマティクスサービス普及の絶好の機会となる。テレマティクスサービスはユーザーの安心、安全、利便性や満足の向上に寄与する人とクルマと社会の接点となる情報の収集と分析、サービスの提供を可能にする。
ERTICO (ITSヨーロッパ)、Gemalto・自動車担当取締役マーセル・フィッサー氏のコメント
「ITS European Congress 2014 会場で行われた、eCall 緊急通報の互換性を証明する世界初のデモンストレーションは、道路交通とドライバーの安全性を改善する先進のコネクテッド・カー技術の力を明らかにしました。」
GLONASS UNION、ERA-GLONASSプロジェクト、開発担当ディレクター エフゲニー・メーリコフ氏のコメント
「私たちは、第10 回ITS ヨーロッパ会議で、パートナーであるERTICO、富士通テンと共にERA-GLONASSと eCall システムがお互いに協調することを実証できて嬉しく思います。規格や技術規則の調和は、ロシアと欧州における公共の安全区域づくりを促進するでしょう。そして、私たちの共通目標である「道路交通での人命救助」の実現を近づけます。」
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