ミシュラン、ワイドシングルタイヤ「X One」が冷凍車輌に装着
ミシュランタイヤは、環境負荷低減に貢献するトラック・バス用ワイドシングルタイヤ「X One」が、生田梱包が新たに導入した冷凍車輌に装着されたと発表した。
「X One」は、ワイドシングルタイヤの中でも駆動軸装着も可能で、更に1軸あたり10tもの荷重能力を持つワイドシングルタイヤである。トラックに装着されている2本(ダブルタイヤ)のタイヤを1本にするというコンセプトで、車輌の軽量化や積載効率の向上を可能にすると同時に、環境負荷低減とコスト削減を達成する新しいコンセプトのタイヤ。
軽量化されたタイヤ・ホイールユニットが発進・加速時の慣性力を低減すると同時に、発熱源の1つとされるサイドウォールの数がダブルタイヤの4ヶ所からワイドシングルタイヤの2ヶ所に減ることで回転中のタイヤの発熱によって増加する転がり抵抗を削減する。この2つの効果により車輌の燃費改善や燃料消費量の節約に貢献する。
生田梱包は、今回新たに導入した冷凍車輌の後輪2軸に「X One」を装着したことにより、従来のダブルタイヤと比較し、1車軸あたり160㎏もの軽量化を実現し、車輌重量を320㎏も軽減した。装着タイヤは「MICHELIN X One XDN2」で、タイヤサイズは455/55R22.5 (166L)。
ブルタイヤをシングル化することで、どのような効果が得られるのか
(1)積載効率大幅向上によるトラックユーザーの運行経費削減
今回採用された「X One」の455/55R22.5サイズは、日本市場で最も一般的な大型トラック用ダブルタイヤのサイズ11R22.5と外径がほぼ同じで、且つ日本の法律上最大値とされる車軸あたり10tの耐荷重能力を持つ。11R22.5 のダブルタイヤ仕様と較べ大幅に軽量化でき、積載可能重量を拡大することが可能となる。積載効率の向上は、同重量の輸送に必要なトラック便数の削減につながる。
(2)環境負荷低減
サイドウォールがダブルタイヤの4枚からワイドシングルタイヤの2枚に減ることにより、回転中のタイヤの発熱によって増加する転がり抵抗を削減すると同時に、軽量化されたタイヤ・ホイールユニットが車輪を回転させる際に生じる慣性力が低減する。この2つの効果により車両の燃料消費量の節約に貢献。さらに、タイヤを2本から1本に減らすことによって廃棄されるタイヤも減り、環境負荷低減を可能とする。
(3)車両の安全性向上
左右タイヤ間距離(輪距)を拡大できるため車両の走行安定性が向上し、車両の低重心化も可能となり、安全性向上に貢献することができる。
(4)車両設計の自由度拡大と生産性向上
ダブルタイヤ仕様と比較しタイヤ・ホイールユニット総幅が縮小されるため、左右タイヤ間距離が増大しシャシ設計の自由度が拡大。また、シングル化により部品点数が減り車両の生産性も高められる。
生田梱包株式会社 代表取締役 生田芳夫氏のコメント
「数年おきに最新の環境機能を整備した車輌を積極的に導入するなど、常にドライバーにも環境を意識させ、取引先にもわれわれの企業姿勢を示してきました。タイヤの装着本数を減らすことで原材料と廃タイヤの数を減らし、大幅な軽量化により燃費を向上させ、更に積載量まで増やすことができる、今までにないタイヤがあることを知り、今回採用を決定しました。燃費が悪いと言われる冷凍車輌だからこそ、ワイドシングルタイヤの装着により燃費改善のインパクトがあるのではないかと期待しています」
日本ミシュランタイヤ株式会社 代表取締役社長 ベルナール・デルマス氏のコメント
「2本を1本にするという画期的なこの製品は、車輌重量削減や積載効率改善はもちろんのこと、燃費改善による環境負荷低減のソリューションとしても期待されています。一般的に燃費が悪いとされる冷凍車輌に『X One』が採用されたことにより、国内輸送事業者の皆さまが抱える燃料費高騰などの課題に対するソリューションになりうることが、より多くの方々に認知されることを期待しています」
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