【スーパーフォーミュラ第2戦 レース2】予選でコースレコードを更新したロッテラ―がポール・トゥ・ウィン

優勝:アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S) 2位:ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL) 3位:中嶋 一貴(PETRONAS TEAM TOM
レース1で優勝、レース2でも2位に入ったジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL #19)/2014 スーパーフォーミュラ第2戦富士
レース1で2位、レース2で3位と連続表彰台獲得の中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S #37)/2014 スーパーフォーミュラ第2戦富士レース2で勝利を挙げたアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S #36)/2014 スーパーフォーミュラ第2戦富士

2014年、全く新しいシャシーとエンジンで生まれ変わった「スーパーフォーミュラ 第2戦」が5月17日(土)・18日(日)、富士スピードウェイで開催された。第2戦はスプリントの2レース制。レース1はピットイン義務無しの25周(114km)、レース2はピットインでのタイヤ4本交換義務づけの35周(160km)としてダブルヘッダーの2レースが行われた。

<予選>

予選日の17日(土)は朝から好天。午前中にフリー走行を行い、午後2時15分から予選が開始された。予選は通常のレースと同じノックアウト方式だが、スーパーフォーミュラ第2戦は2レース制で行われるため、Q1の結果でレース1のグリッド、Q1からQ3の結果でレース2のグリッドが決定される。このため、Q1から上位も含め全車フルアタックでのグリッド争いが繰り広げられた。

レース1のグリッドを決めるQ1では、オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)がポールポジションを獲得。ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)、中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)が続いた。

レース2のQ1での上位14台が進出するQ2(7分)は全車一発アタックとなるが、半分ほどがアタックを終えた、残り1分程というタイミングでスピン車両がコース上に停止したためセッションは赤旗中断。残り2分50秒に延長されてセッションが再開された。

赤旗中断前にアタック出来ていなかった国本(P.MU/CERUMO・INGING)とロッテラーは再アタックでそれぞれ3番手、4番手に浮上しQ3進出を決めたが、石浦(P.MU/CERUMO・INGING)、ジェームス・ロシター(KONDO RACING)、中山 雄一(KCMG)は惜しくも8番手タイムに届かずそれぞれ9番手、10番手、11番手でQ2敗退となってしまった。

Q3(7分)ではロッテラーが素晴らしい走りで、2013年末に国本がマークしたコースレコードを更新するトップタイムをマーク。2番手以降は非常に僅差でタイムを塗りかえ合うアタック合戦となったが、トップのロッテラーには届かず、オリベイラが2番手、中嶋一貴が3番手、国本が4番手。これにデュバル5番手、平川6番手と続き、元F1ドライバーのクマール・ラム・ナレイン・カーティケヤン(Lenovo TEAM IMPUL)が8番手からレース2に臨むこととなった。

2番手オリベイラから4番手の国本までは0.1秒以内。また、Q3を戦った8台全車が0.7秒以内という、新生スーパーフォーミュラの激戦ぶりを象徴する予選となった。

 

<決勝 レース2>

スーパーフォーミュラ第2戦、レース2(35周)が好天の下、午後2時半にスタート。ポールポジションのロッテラーは今度はスタートを決めトップをキープ。その後ろでは2番手のオリベイラに3番手の中嶋一貴が並びかけるも、パスするまでには至らず。一方で3列目5番手のデュバルが出遅れ、10位あたりまでポジションを落としてしまった。

レース1とは違い、ピットインが義務付けられたレース2ではタイヤ交換をどのタイミングでするのか、各チームの作戦が展開されていった。

まず1周目を終了した時点で平川がピットインし、早くもタイヤ交換義務をクリア。石浦もレース1で科されたペナルティを消化するためピットへと向かった。5位争いでは、ロシターと国本が毎周ストレートで並び、抜きつ抜かれつのバトルを展開したが、国本は5周目終了でピットイン。翌周にはデュバル、8周終了時にはロシターがピットへ。しかし、ロシターは再スタート時にエンジンストールを喫し、大きくポジションダウン。首位を行くロッテラーは11周目とやや早めのピットイン。翌周オリベイラ、その翌周には中嶋一貴と、上位勢のピットインが続いたが、順位変動は無いまま、20周目に全車がピットを終えた時点でロッテラーが再び首位に復帰した。

ロッテラーとオリベイラの首位争いは、2秒を切るくらいの間隔のまま、ほぼ同じラップタイムで周回。その後ろの中嶋一貴とデュバルは少しずつ引き離されていくこととなった。トップ4はそれぞれの差が一定に開き、順位が膠着状態となる一方で、中団以降のグループではバトルが繰り広げられた。終盤には、8位の平川に後続が迫り、ポイントをかけた激しい8位争いが展開された。

上位勢は順位の変動なく、ロッテラーが2位オリベイラに3.5秒の差をつけてトップチェッカー。ロッテラーはポール・トゥ・ウィンで2013年7月の富士大会以来となる勝利を飾った。2位にはオリベイラが入り、今大会1位/2位とレース1のポールポジションで、最多となる合計10ポイントを獲得することとなった。

中嶋一貴はやや上位2台には離されたものの3位でフィニッシュし、連続表彰台を獲得。4位にデュバル、6位カーティケヤン、7位国本、8位はチェッカー目前まで後続とのバトルを繰り広げ、逃げ切った平川が入った。

トヨタエンジン搭載車は、今大会の2レースも表彰台を独占。開幕からの3レース全てで表彰台独占を続けている。

優勝:アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)

「今日はすごく良いレースだったと思う。スタートだけが心配だった。新しいシステムを使い切れていなかったのだが、ジェームス(ロシター)から受けたアドバイスのおかげで、上手くスタートを切ることが出来た。チームのピット作業にもミスはなかったし、皆を信じていた。優勝出来て感謝している。JP(オリベイラ)とのバトルも、外から見ているとわかりにくかったかもしれないが、コンマ1秒をコーナーで削るような戦いで、楽しかった」

2位:ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)

「スタートが重要だと考えていたが、今回は上手く行かなかったのが残念だ、(中嶋)一貴が後ろから迫ってきて、2位を維持するのが精一杯だった。アンドレ(ロッテラー)と同じペースでついて行こうと考えていた。ピットストップも、後が良いのか先が良いのか考えつつ、彼の翌周にピットインした。アンドレに近い位置でコースに戻れたので、ピット作業がもう1秒早ければ結果は違っていたかもしれないが、これが今回のレースだったのだろう。接近戦でアンドレにプレッシャーをかけてミスを誘おうとしたが、経験値の高い彼は動じなかった」

3位:中嶋 一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)

「スタートはいつもと違って周りのドライバーの方が良く、スタートでポジションを上げることは叶わなかった。ただ、ピットストップまでのペースは、レース1よりは良かったと思う。ピットインの後はギャップが空いてしまって、前方よりも後続とのギャップを見ながらのレースになってしまった。次戦も富士だが、時間もあるので、じっくり見直して良いレースが戦えるようにしたい」

順位

No.

ドライバー

チーム

周回

タイム/差

予選

エンジン

1

36

アンドレ・ロッテラー

PETRONAS TEAM TOM’S

35

50'45.074

1

TOYOTA

RI4A

2

19

ジョアオ・パオロ・ デ・オリベイラ

Lenovo TEAM IMPUL

35

3.497

2

TOYOTA

RI4Ap

3

37

中嶋 一貴

PETRONAS TEAM TOM’S

35

16.543

3

TOYOTA

RI4A

4

8

ロイック・デュバル

KYGNUS SUNOCO Team LeMans

35

21.069

5

TOYOTA

RI4A

5

1

山本 尚貴

TEAM 無限

35

25.479

7

Honda

HR-414E

6

20

クマール・ラム・ ナレイン・カーティケヤン

Lenovo TEAM IMPUL

35

32.559

8

TOYOTA

RI4A

7

39

国本 雄資

P.MU/CERUMO・INGING

35

40.803

4

TOYOTA

RI4A

8

7

平川 亮

KYGNUS SUNOCO Team LeMans

35

42.301

6

TOYOTA

RI4A

9

10

塚越 広大

HP REAL RACINGp

35

42.872

13

Honda

HR-414E

10

11

ヴィタントニオ・リウッツィ

HP REAL RACING

35

49.101

18

Honda

HR-414E

11

38

石浦 宏明

P.MU/CERUMO・INGING

35

49.478

9

TOYOTA

RI4A

12

41

武藤 英紀

DOCOMO TEAM DANDELION RACING

35

55.684

15

Honda

HR-414E

13

62

嵯峨 宏紀

TOCHIGI Le Beausset Motorsports

35

1'01.214

17

TOYOTA

RI4A

14

31

中嶋 大祐

NAKAJIMA RACING

35

1'05.444

14

Honda

HR-414E

15

40

野尻 智紀

DOCOMO TEAM DANDELION RACING

35

1'06.145

12

Honda

HR-414E

16

18

中山 雄一

KCMG

35

1'08.340

11

TOYOTA

RI4A

17

3

ジェームス・ロシター

KONDO RACING

35

1'08.770

10

TOYOTA

RI4A

18

2

中山 友貴

TEAM 無限

34

1Lap

16

Honda

HR-414E

32

小暮 卓史

NAKAJIMA RACING

19

Honda

HR-414E

ドライバーズポイント (第2戦終了時)

順位

ドライバー

エンジン

ポイント

1

ロイック・デュバル

TOYOTA RI4A

15.5

2

アンドレ・ロッテラー

TOYOTA RI4A

13.5

3

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ

TOYOTA RI4A

12

4

中嶋 一貴

TOYOTA RI4A

10

5

ジェームス・ロシター

TOYOTA RI4A

9.5

6

石浦 宏明

TOYOTA RI4A

6

7

平川 亮

TOYOTA RI4A

5.5

8

国本 雄資

TOYOTA RI4A

3

9

クマール・ラム・ナレイン・カーティケヤン

TOYOTA RI4A

2.5

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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