三菱自、新型『アウトランダー』に予防安全技術「e-Assist」を採用
三菱自は、今年10月にフルモデルチェンジを予定しているSUV『アウトランダー』に、新たに開発した予防安全技術「e-Assist(イーアシスト)」を初採用する。
「e-Assist」は、電波レーダーやカメラによって、安全かつ快適なドライブをサポートする技術。
3つの機能から構成されており、長距離運転や夜間・悪天候で視界の良くない場合など、比較的事故の起こりやすい状況において、ドライバーの安全な走りをアシストする。
【3つの機能】
■渋滞での走行時でも、先行車との車間を維持しながらの走行を可能とする「レーダークルーズコントロールシステム(ACC)」
■先行車との車間距離が急に縮まった場合、自動ブレーキによって衝突の回避、または被害の軽減をサポートする「衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM)」
■走行中の車線から逸脱しそうな場合に、ドライバーに警報で注意を促す「車線逸脱警報システム(LDW)」
三菱自は、衝突安全強化ボディ「RISE(Reinforced Impact Safety Evolution)」やSRSエアバッグ、車両の横滑りを抑えるアクティブスタビリティコントロール(ASC)などの安全・安心装備を積極的に市販車に採用しており、「e-Assist」をはじめ、先進的な安全技術の研究・開発を今後も進め、順次実用化を目指す。
「e-Assist」システム概要
<電波レーダー:ACC、FCM用>
フロントグリルの内側に装着され、先行車を検知して車間距離や相対速度を監視。検知範囲が広く(最大検知距離:約200m)、逆光や雨天、夜間走行時などでも検知能力が安定している電波(ミリ波:77GHz)レーダーを用いることで、高い信頼性を確保する。
<カメラユニット:LDW用>
フロントウインドシールド上部に装着され、前方の車線位置を監視。レンズが曇りにくくなるよう、ウインドシールド内側に密着してカメラを装着することで、高精度を維持。また、雨滴感応オートワイパー用のレインライトセンサー機能も内蔵。
これらで得られた情報に基づき、ACC・FCMでは、エンジン・トランスミッション・ブレーキ等を統合制御し、車両を自動で加速・減速・停止させることで、先行車との追従走行(ACC)や、先行車との衝突回避または衝突被害軽減(FCM)をサポートする。また、FCM・LDWでは、警報や警告表示でドライバーに危険を知らせて、安全の確保を図る。
なお「e-Assist」は、通常のエンジン車だけでなく、「プラグインハイブリッドEVシステム」搭載車への適用も可能で、2013年初めに国内発売予定の『アウトランダーPHEV』への採用を予定している。
各機能について
<レーダークルーズコントロールシステム(ACC)>
先行車との距離や相対速度を監視し、ドライバーが設定した車間(3段階に設定可能)を保って、先行車の停止状態まで追従走行する。
この機能は、高速道路などでの渋滞時、発進や停止を繰り返すような状況でも、頻繁にアクセルやブレーキを操作するわずらわしさを解消。また、先行車が加減速しても、ぎくしゃくしない上質な走りが実現できるよう綿密にチューニングされている。
[システム作動パターン]
■先行車がないとき
従来のクルーズコントロールと同様、アクセルを踏まなくても、設定した車速(約40~100km/h)を保って走行。
■先行車があるとき
設定した車間を保って追従走行。先行車の減速・停止に追従して、減速・停止。なお先行車がいなくなると、設定速度まで加速。
■衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM)
ACCと同様、先行車との距離や相対速度を監視し、先行車の減速・停止等による車間距離の減少をいち早く検知。警報や自動ブレーキで、先行車との衝突回避や衝突被害軽減に寄与。
この機能は、例えば夜間や雨天・濃霧などで前方が見えにくい状況での安全走行をサポート。目安として、先行車との速度差が約30km/h以内(例えば、先行車が停車時、自車の車速が30km/h以下)の場合、自動ブレーキで減速・停止することで、衝突の回避を図る。速度差がそれを超える場合には、自動ブレーキでの減速により、衝突被害の軽減を図る。
[システム作動パターン]
■衝突の危険があるとき
表示と音でドライバーに警報。ドライバーがブレーキを踏んだときに、通常よりも早いタイミングでブレーキアシストを作動させます。
■衝突の危険が高いとき
弱い自動ブレーキで減速し、ドライバーに衝突回避操作を促す。
■衝突の危険が極めて高いとき
強い自動ブレーキで減速・停止し、できるだけ衝突を回避、または被害を軽減。
<車線逸脱警報システム(LDW)>
高速走行時(約65km/h以上)、前方の車線を監視し、車線を逸脱しそうになると表示や警報で注意を促す。
この機能は、例えば方向指示器を操作せずに走行車線から外れそうになった場合など、ドライバーが意図せずに車両が車線変更する場合に作動する。
なお、狭い車線幅(約2.6m以下)では、LDWの作動を一時停止するよう設定されているので、警報音が頻繁に鳴ってイライラを解消。
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