日産 新型 エルグランド[2014年1月デビュー] 新型車解説 ~さらに進化したミニバン界のキング~

  • 筆者:
  • カメラマン:オートックワン編集部・NISSAN レポート:オートックワン編集部
日産 新型 エルグランド[2014年1月デビュー] 新型車解説 ~さらに進化したミニバン界のキング~
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高級ミニバンのパイオニアが、また新たなステージへ

東京モーターショー2013会場で初披露され話題を呼んだ新型 日産 エルグランドが、2014年1月20日にいよいよ正式デビューした!

日産 エルグランドといえば、多人数乗車可能な「実用車」でしかなかったミニバンジャンルに、初めて「高級」という概念を持ち込んだパイオニア的存在だ。

堂々たるボディスタイルに余裕の室内空間を備え、上質な内装と組み合わせたその仕上がりは、21世紀に相応しい新たな高級車の姿を我々に示してくれた。

衝撃的ですらあった初代エルグランドの登場から17年。日産は高級ミニバンの世界観を、次なるステージへと進化させる。

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魂が込められたこだわりのフロントマスクにクギ付け

日産 新型 エルグランド[2014年1月デビュー]

新型 日産 エルグランドでまず目に飛び込んでくるのは、迫力満点のエクステリアデザインだろう。クロームメッキで囲われた巨大なフロントグリルたるや、日本の乗用車では最大級のサイズだという。しかしそれは、単に大きさを競っているワケではない。

初代から連綿と続くグリルデザインのアイデンティティはそのままに、日産車のDNAであるスポーティさも兼ね備えたシャープな立体形状としているところがいい。またグリルに沿ったヘッドランプはLED化、さらにシグネチャーLEDポジションランプの採用でキリリと引き締められ、「目ヂカラ」もさらにアップしている。このフロント周りを基点に、ボンネットやフェンダーから繋がっていく躍動感溢れるショルダーライン、ピラーをブラックアウトすることで、リアガラスまで連続して見えるウィンドウグラフィック。どれを見渡しても、全てにおいて破綻がない。

派手さばかりに目が留まる新型エルグランドだが、こうやってしみじみと見渡してみれば、日産のデザインチームが細部に渡り魂を込めていることが判ってくるだろう。そして、そう思ってライバル車を改めて見返してみると、あちらのクルマのエクステリアデザインが、何故だかちょっと大味に見えてくる。これこそがデザインの力だ。エルグランドを選択したユーザーにとっても、所有する歓びと豊かな誇りを持てることだろう。

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優しいおもてなしが随所に溢れるインテリア

日産 新型 エルグランド[2014年1月デビュー]

「キング・オブ・ミニバン」を標榜する新型 日産 エルグランド。インテリアに対するこだわりも半端なものではない。伝統的な高級セダン車に代わり、近年はVIPのためのサルーンとしての需要も多いエルグランドだけに、後席に迎えるゲストへのおもてなしも格別だ。

広い室内空間を実現するためといって、むやみに車体の頭上や床の高さを上げてしまうと、クルマ全体の重心高をもかさ上げしてしまう。カーブを曲がる度に乗員の上体を揺すってしまうことにもなり、高級とは真逆の居心地の悪い空間となってしまう。

走りの性能にこだわりをみせる日産DNAは、ここでも遺憾なく発揮されていた。ライバル車に対して低めの車体高・床高を特長とするエルグランドの基本パッケージングは、実は後席の乗員に対しても優しいのだ。走行安定性だけに留まらず、もちろん乗降性もいい。

乗り込んでみても、優しいおもてなしが随所に溢れている。7人乗り仕様車の2列目席に備えられるキャプテンシートには中折れ機能を採用。ひざ裏を支える大型のオットマンと併せ、まるで包み込むような姿勢で乗員を支え、リラックス出来るドライブ空間を提供してくれる。

日産 新型 エルグランド[2014年1月デビュー]
日産 新型 エルグランド[2014年1月デビュー]

と、ここまではこれまでのモデルと同様のエルグランドならではの美点。さらに今回のニューモデルでは、新たに「グランドブラックインテリア」を採用した点に注目したい。

アンバーアクセントとダイヤ型キルティングを施した専用ブラックメタリック本革シートや、優美な曲線でインパネをラウンドするグラデーションブラックメープルのフィニッシャーは実にエレガントで、クラフトマンシップを感じる。この2列目席の居心地の良さは、特筆すべきレベルにある。

また今回の改良では、ルーフ形状などの見直しにより、従来モデルに対しさらに室内高をアップ。ライバルにもひけをとらない頭上空間の余裕度をも手に入れた点も見逃せない。こうした地道な改善を重ねることもまた、高級車の高級たる所以かもしれない。

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サードシートを使用しながら、ゴルフバッグ6個の収納を実現

日産 新型 エルグランド[2014年1月デビュー]
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このクラスのミニバンというと、3列目の座席は荷室空間を確保すべく左右跳ね上げ収納とするのが一般的だが、そうすると座面が2分割されてしまい、上質さにはやや欠けてしまう。その点日産 エルグランドは、椅子本来の掛け心地を重視し(とわざわざ記すのもおかしな話なのだが)、前倒式の収納とした。ここは積載性と掛け心地のどちらを採るか、悩ましい選択となるのだが、新型エルグランドでは、その両方を手に入れることに成功した。

3列目シートを分割型の左右独立スライド式としたのだ。そのスライド量は実に240mm。3列目まで乗車しても荷室の拡大が出来るなど、用途に応じたアレンジを加えることが出来る。ラゲッジアンダーボックスと併用することで、定員乗車しながらゴルフバッグを6個積むことが出来るというから凄い。

このほか、メーター中央部に5インチカラーモニターを配した「アドバンスドドライブアシストディスプレイ」の採用や、上級グレード「ハイウェイスター プレミアム」の2.5リッター車への新設定など、気になる改善ポイントはまだまだ多岐に渡る。

さらには、こだわりのカスタムモデルとして根強い支持を集める「ライダー」や、エグゼクティブ御用達の超高級仕様「VIP」、福祉車両ライフケアビークル「アンシャンテ」のいずれも、今回の改良によってその魅力をさらに高めた。

高級ミニバンジャンルを確立したパイオニア「日産 エルグランド」。その地位に甘んじることなく、今回のモデルチェンジによってまた新たな戦いに挑み続ける。

[レポート:オートックワン編集部]

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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