ポルシェ カイエン S ハイブリッド 燃費レビュー【高速道路編】(1/2)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:オートックワン編集部
セーリングモードへ導くコツとは?
神奈川県道517号から山梨県道35号を経て、上野原インターチェンジから中央自動車道に乗った。
高速道路は、カイエンSハイブリッドが得意とするステージであることは、すぐにわかった。料金所を過ぎて本線に合流し、周囲のクルマの流れに溶け込んで、一定速度で走るようになると、すぐにセーリングモードに入った。
3車線びっちりと先の先までクルマが走っていて、100キロ手前でアクセルペダルを戻して巡航態勢に入った。エンジンは停まっているが、90キロ/h前後で走り続けている。風切り音とタイヤと路面の擦過音は聞こえてくるが、確かにその名の通り、ヨットやウインドサーフィンでセーリングしているようだ。
中央自動車道のこの辺りからの上り車線はおおむね下り勾配が続くから、カイエンSハイブリッドはエンジンを再始動することなく、上手にガソリンを節約しながら走っていく。慣れてくると、セーリングモードに導くコツがつかめてくる。
エンジンでの加速をなるべく短時間に力強く行って車体をスピードに乗せたら、アクセルペダルをホンの少し戻す。ペダルから足の裏を離してしまうのではなく、ペダルと靴の裏は付けたまま素早く引き戻すようにするのだ。
まるで、ディンギーやウインドサーフィンで、ブームを少し振って風へのアタりを付けて帆にはらませるようにしてアクセルペダルを抜き戻せば、エンジンは確実に停まる。
もちろん、スポーツモードではなくてノーマルモードにして、さらにティプトロニックSは“D”モードに入っていることが条件だ。速度やエンジン回転数、ステアリングの切れ角、路面の傾斜なども、セーリングモードの可否を判断するパラメータに含まれる。
それでも、登り傾斜の直線を登りきる寸前でアクセルペダルを抜いても、加速力が残っていれば、エンジンは停まる。だから、かなり複雑なパラメータ同士の演算が行われて、エンジン停止の可否の決定が下されているのだろう。
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