日産 ジューク 実燃費レビュー【総評編】(2/2)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:オートックワン編集部
そのスタイリングだけでも十分に魅力的
結論は、カタチの好みで選んでしまって構わないと思う。
海外のモーターショーに出展されたコンセプトカー「カザーナ」を忠実に市販車化したジュークのカタチは、常識を打ち破り、ありきたりに染まってしまうことを良しとしていない。そんな心意気さえ、うかがえる。
オデコが出っ張ったナポレオンフィッシュみたいに見えるし、カエルが跳躍しようとしているところにも見える。思い切りの良さは、フロントフェイスとリアフェンダーによく表れている。
いろいろな角度から眺め続けても、ただ奇を衒っただけのものには見えない完成度を持っている。ジュークは、久々に、カタチを製品の魅力に昇華し切れている日本車だ。
無いものねだりになってしまうのかもしれないが、3ドアのジュークを見てみたかった。3ドアだったら、この5ドアよりも、ジュークの造形のテーマを、より明確に追求できたのではないだろうか。
伸びやかで、大胆で、鮮烈な、今まで誰も見たこともないクルマに仕上がったのではと、夢想してしまう。
「いつかはわからないけど、そのうち使うかもしれないから」
あるいは
「無いよりは、あった方がいい」
というチマチマとした小市民的“常識”による5ドアは、ジュークの思い切った造形の意志をちょっとだけ濁らせている。
ジュークは、そこそこによくできたコンパクトカーでありながら、そのスタイリングだけでも十分に魅力的な一台だ。
一般道、山岳路、高速道路と総合した燃費は、13.4km/Lだった。
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